湿 地 植 物 概 説 【Outline of water plants】Vol.5 赤い水草はなぜ赤い? 〜赤系水草の謎を推理する〜 |
chapter1 赤系の水草 |
chapter2 紅葉と斑入り、葉焼け |
chapter3 pH説と否定説の盲点 |
chapter4 環境ストレス説 |
chapter5 推論に拠る赤くなる理由まとめ |
タイプ | 代表種 | 想定される環境ストレス |
TypeA1 新芽のみ赤い | タチモ | 新芽の生長段階で十分な葉緑体を持っていない。生長が緩やかで新芽の時間も長いので、強光による害を防ぐためにアントシアンを増加させる |
TypeA2 新芽のみ色素が抜ける | ヒロハノエビモ | 理由は上に同じ。ただし表現型としてアントシアンを増加させずに葉緑体のみ不十分な状態、生長スピードが速いのでアントシアンによる防衛は必要なし |
TypeB 水面に近づくと赤くなる | プロセルピナカ・パルストリス | 本質的にはTypeA1と同じかも知れないが、気中葉形成の準備段階として植物体内の変化が起きている可能性もある |
TypeC 全草水中では赤くなる | ミズユキノシタ | 水中では光合成活動が減少し、不要な葉緑素が抜ける。赤黒さは完全に抜けていない現象ではないか |
TypeD 冷水中では赤くなる | ヤナギタデ | 第一に低温による光合成活動の低下、第二に溶存気体やミネラル(湧水起源の河川でしか見られない)の量が考えられる |
TypeE 二価鉄投入で赤くなる | 多種 | 鉄イオンの急激な増加による浸透圧の変化が植物体のストレスとなっている可能性あり。濃度傾斜による遷移で鉄イオンが減少する=効果が長期間持続しないことも状況証拠 |
【欄外黒板】切花延命の謎 性格的に合理的な説明が付かない(細かな理論は別として)ものは追及してしまうのですが、二価鉄という代物は追及すればするほど植物体にとってネガティブで、必要なのは本来的な意味で「微量」なのだという事実しか出てきません。 ただ、切花延命に効果があるのは事実で我が家でも使っています。では本当に効果があるのか、というのは早計で二価鉄が効くということにはなりません。 世の中にある様々な「切花延命剤」を調べてみると、二価鉄を謳っている製品はごく一部で、成分は圧倒的に糖分が多い事が分かります。雑菌の繁殖防止としてミョウバンを混ぜている製品もあります。栄養補給と雑菌を抑える、という謳い文句であれば細かな理論を知らなくても何となく納得出来ます。 なかにはゼオライトとミネラルを主成分とし、水のクラスターを小さくすることで云々、という製品もありましたが、クラスターの理屈は複雑すぎて良く分かりません。以前アクアメーカーもその手の商品を出していましたがまだあるのかな? 私に分かる範囲の理解では切花は当然「切り」ますので、切口が水に晒されるわけです。切口細胞中の酸化されやすいフェノール(酵素)が壊れて植物体、特に導管にダメージが広がるのを防いでいるのかな?といった印象を受けました。 フェノールと陽イオンにどんな関係があるのか分かりませんが、鉄はたしかに先に酸化して遷移してしまいますよね。そのあたりしか思い浮かびませんが、少なくても上に書いたような「ネガティブな物質」がよりネガティブに作用する物質を抑える、こんなのもありかな?と。その意味で「切花延命に効く」のですがアクアリウムでどんな効果があるのかまったく分かりません。 二価鉄は発根に大ダメージを与えますが自然界には鉄バクテリアという植物の味方が存在します。自分の水槽にもいるでしょうね。 良かれと思ったことが実は大迷惑で、その大迷惑を影でフォローしてくれる存在があった、なんて図式も脳裏に・・・。 |
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