湿 地 植 物 概 説 【Outline of water plants】Vol.6 ホシクサの科学PART1 〜エピジェネティクスによる史前帰化種の道筋〜 |
chapter0 序文 |
chapter1 エピジェネティクス |
(1)人間の体を構成する細胞はそれぞれ持っている遺伝子情報という点で均一である(免疫細胞を除く) (2)ところが現実は、それぞれの器官を構成する細胞毎に多様な性質を持っている (3)それぞれの器官を構成する細胞毎にエピジェネティック情報が異なるため、と考えられている |
chapter2 エピジェネティクスの発現 |
(1)元々形質の全てを持っている遺伝子のうち発現する必要のない遺伝子にメチル基が付く (2)メチル基が付いた遺伝子はヘテロクロマチンという鍵がかかった状態で通常は使用されない(=形質が発現しない) (3)この鍵が何らかの外的要因で外れる場合があり、外的要因は環境変化や環境ホルモンなどの化学物質も想定されている |
*狂い咲き* 桜が突拍子もない時期に開花してニュースになることがあります。桜に限らず「何で今頃?」という時期に開花する植物は結構あって、「狂い咲き」と呼ばれます。植物の開花は、花芽細胞の形成、トリガーとしてフロリゲンという植物ホルモンの存在が最近明らかになったらしいのですが、いつでも開花GO!の花芽細胞にメチル基が付いて開花を抑制しており(しょっちゅう開花していては植物体の体力がもちませんので)日長変化によってフロリゲンを発射している、と考えれば合理的に解釈できます。 これが例えば大気汚染やCO2による温室効果などの環境因子がフロリゲン的な役割を果たしている、あるいはフロリゲンを放出するスイッチを入れているために本来の時期ではない時期に発現しているという解釈が成り立つと考えられます。 地球の環境は過去から変化し続けています。さらに言えば地軸がずれれば日長は狂い、太陽活動の状態によって氷河期もありました。植物はもともと「いつでも開花OK遺伝子」を持っており生き残りを図っていることが十分考えられます。 |
*化学物質と奇形* ベトナム戦争でアメリカ軍がゲリラ対策で大量に使用した枯葉剤とその後の奇形発生の因果関係が明らかにされつつありますが、この場合枯葉剤が環境因子となり遺伝子の発現状態を攪乱させていることが考えられます。(政治的な話、是非についての論評は一切行なっていません、念のため) |
*花粉症* まったく個人的な説ですが、花粉という異物に反応し涙や鼻水で洗い流すという防衛機能にある程度制限をかける遺伝子があるのではないかと思います。制限しないと生きて行くのが辛くなってしまいますので(^^; この「防衛機能遺伝子」が環境ホルモンの増大によって過剰に発現してしまったのが「花粉症」ではないかと。だって昔はこんな事ありませんでしたしね。 戦後復興の木材需要によって国策として杉やヒノキの植林事業が成されたとの事ですが、自然状態では有り得ない単相林は立派な環境因子になっていた、ということで東山魁夷画伯もびっくりですね。 |
*癌細胞* 癌細胞は遺伝子の傷と呼ばれる塩基配列の変異で生じるらしい、とされていますが、人間が原始的な生物から進化して来た過程で得た様々な遺伝情報のうち「人として発現させるとマズイ」遺伝子=遺伝子の傷がエピジェネティック変異によって発生している、ということが明らかにされつつあります。 これまた化学物質など環境ホルモンの影響と言われています。化学物質が持つ変異原性そのものではなく(安全基準はここに力点が置かれています、恐いことに)エピジェネティック変異を誘発するかどうか、という観点が必要ですね。 今は皆さんの記憶にも無いでしょうけど、以前「チクロ」という危ない物質の食品への使用が騒がれた事がありますが、そんなのは可愛い方で子供の頃に駄菓子屋で食っていたものなんぞ「食品として有り得ない」色をしていたものも多数ありましたので何を食っていたか知れたものではありません。 |
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