湿 地 植 物 概 説 【Outline of water plants】Vol.8 カルス形成と不定芽 〜アマニアはなぜ潰れるのか〜 |
chapter1 生長点の潰れと殖芽の相似形 |
【オーキシン/カルス】 数ある植物ホルモン中、最も古くから知られていたものでインドール酢酸やナフタレン酢酸などの総称である。ギリシャ語で成長を意味するauxoに由来する語であり、その名の通り細胞の伸長、発根促進、細胞分裂の促進に関与する。 働きの一つに頂芽で生成されるオーキシンが腋芽の形成を抑制するというものがある一方、カルス形成を引き起こす働きも知られており、カルスから発芽するのが不定芽であるという複雑さもある。 カルスとは植物組織として「一定の秩序」ある形質を示さず不定形の塊となって増殖することで、用語としてはこの不定形の細胞の塊の事を指す。人為的に培養したものもカルスと呼ぶ。上記の通りカルスから発芽するのが不定芽であり、ホシクサの花付近から発芽する芽を不定芽と呼ぶかどうかカルスらしき組織は視認したことが無いので個人的には疑問である。 オーキシンが成長すると大オーキシンとなり様々な弊害を撒き散らし問題となる。この状態を我々専門家はダイオキシンと呼んでいる・・・全くのウソです(汗) |
【不定芽】 adventitious bud、茎頂や葉腋等、通常発芽する部位以外から出る芽を称する。不定芽を出すのはカルス(カルスの項参照)という通常の植物体の構造とは異なる構造体(一言で表現すると、なんだかよく分からない塊状組織)である。 セントポーリアやカランコエはこの傾向が強く、葉を一枚ちぎって水に漬けておくと葉から新芽が出、次いで発根する。容易に増殖させることが可能。 ホシクサの頭花からの発芽を「不定芽」としているサイトもあるが、実生ではないという根拠があるのだろうか?むしろ株から分かれる新株が発生部位、発生形態からして不定芽のような気がする。頭花からのものは実生のように思えるが、高倍率の顕微鏡を持っていないので何とも言えない。どなたかヘルププリーズ。 英語表記をあえて入れたのは・・・不定芽はアドベンチャーなんすよ。冒険野郎。言ってみれば「住所不定」はadventitious addressってことだネ。この手の連中はふてい野郎も多いことだし |
chapter2 多年草と一年草 |
chapter3 潰れの意味 |
分化した植物細胞は、G0期という特別な細胞周期にはいり、細胞分裂を行わずに休止している。しかし、このように分化した後でも、植物細胞は分化全能性を保持している。そのため、いったん未分化の状態に戻せば(脱分化)、周囲の環境の調節しだいであらゆる方向へ再分化させることができる。この脱分化された植物細胞こそがカルスである。 |
chapter4 溶けるクリプト |
【環境対応説】(要約) *クリプトコリネが自生する環境は熱帯アジアの浅水域または湿地であり、僅かな期間で水中、湿地、乾地を繰り返す安定しない環境。ここで生き延びるために、新たな環境に身を置かれると(環境因子)適応できる草体として再生するために、それまでの草体を溶かし根茎だけが残る。 |
chapter5 正常機能としてのScrap and Build |
・カルス、殖芽、クリプトの「溶け」は相似形で、環境適応のための再生という目的を持っている ・元々上記草体変化は「遺伝的形質」として持っていると思われるが、発現する場合、しない場合はエビモの場合など個体群生態学的に検証可能で、遺伝的に違うのであれば別種の可能性もあるのではないか ・どちらにしても潰れる草は潰れるし、溶けるクリプトは溶ける。硬度やpHは枝葉の問題で、植物体が認識する「環境変化」の多くの兆候の一部分である。これらの要因追求は現象面に囚われると本質を失う典型であるのではないか ・最大の兆候はシソ科やミソハギ科の場合、水中に在るということで、湿地植物特に一年草は気中で開花・結実しなければならない、という使命を持っている。元々の植物生理を併せて考えなければ正解は導けない 肥料だ光だ水質だ、と迷宮に入り込んでも結果が出ないのは、湿地植物が「一時的に」水中で生育する姿を「水草」だと認識するギャップにある。 |
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