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湿 地 植 物 概 説 【Outline of water plants】Vol.9 変異と同定 〜タデ科正体不明種を考える Part1ナガバノウナギツカミ編〜 |
湿地植物を観察していると、全体の雰囲気は同じでも微妙に異なる植物を見ることがあります。微妙に異なる表現形、これは元々持っている遺伝子によるものですが(遺伝子に拠らない形態変異もあることはありますが、ウィルスやら栄養不良やら日照不足やら、微妙ではない発現で見分けることが可能です)、これらの多くは度々本シリーズでテーマとしているエピジェネティクスによるものと思われます。
この葉は上画像と同一株のものです。何となく違和感がありませんか?葉の葉柄に近い部分の「切り欠き」が無くなっています。この2枚の画像を比較して葉形による種の判断が付くでしょうか。一般的には葉の切り欠きは大きな判別ポイントです。
なぜ同じ株から色々な葉形が生まれるのか?これは非常に簡単そうで奥が深い問題です。栄養状態や日照などの環境要因では語れません。なぜなら同じ環境で同一株からランダムに出ていますので。さらにエピジェネティクスやネオトニーも環境が同じであることから考えにくいのです。
「ある要因」とはズバリ光合成量ではないかと思います。同じ株から異なる葉形、シダですがミズワラビを想起させられます。ミズワラビは光合成を行う葉(葉状体、栄養葉)と胞子を形成する葉(同、胞子葉)を分けていますが、もちろん被子植物であるタデはそんな原始的な分化はしておりません。
こちらは形態的種の特徴によって容易に同定が可能なホソバノウナギツカミの「ネオトニー的」な葉形です。右下水中にある株です。昔あるサイトの記事のためにサンショウモを主役として撮影したものなので見難い点はご容赦下さい。
こちらは「通常の」ホソバノウナギツカミの葉形です。この典型的な葉形は概ねナガバノウナギツカミとされるタデより細長い印象です。明確な「耳」は別として「長い」という印象が時に誤認を招きます。| ナガバノウナギツカミ(仮) | ヤノネグサ |
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| 筒型で縁にまばらな毛、茎の棘まばらに有 縁の毛はヤノネグサに比してたしかにまばら 基部(節に近い部分」の逆棘は「棘状」である 葉柄にも棘がある |
筒型で縁に長い毛がある、茎の棘まばらに有 基部の「棘」は棘状ではなく毛に近い 葉柄には棘がない |
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| 花柄に腺毛がある、小花柄にも腺毛がある | 花柄に腺毛がある、小花柄の腺毛はない | |
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| 卵状披針形または披針形、基部は鉾形 | 卵形または広披針形、基部は切形や浅心形 | |
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| 花被:5深裂 裂片上部:紅色 下部:白色 | 花被:5深裂 裂片上部は紅色 下部:白色 花によって区別できない! |
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| 70〜80cm | 50〜60cmまで |
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