育 成 メ モ 育 成 理 論 |
【Theory3】二酸化炭素添加概説<改訂新版> 〜難解ではあるが基本は簡単な挙動〜 |
公開 | 2005.3.19 |
改訂 | 2006.4.1 |
追記 | 2008.2.16 |
参考 |
【文献】 ●光合成の世界 講談社ブルーバックス1970 岩波洋造 ●絵とき植物生理学入門 オーム社1988 増田芳雄 ●光合成 朝倉書店2002 佐藤公行 ●新しい高校生物の教科書 講談社ブルーバックス2006 栃内新・左巻健男 【論文】 ●水田湛水のpHと二酸化炭素の関係 臼井靖浩 粕渕辰昭 木村有紀 ●PHOSPHORUS DYNAMICS IN WATERSHEDS: ROLE OF TRAPPING PROCESSES IN SEDIMENTS J.M.Dorioz,E.Pilleboue et A.Ferhi ●雑誌「遺伝」2006年6月号 渡邊信「湖沼環境保全における絶滅危惧藻類 −車軸藻類の役割−」 *Special thanks 論文提供 青森男さん、独立行政法人産業技術総合研究所、山室真澄先生 【Webサイト】 ・Wafooネット ・福岡大学機能生物化学研究室 |
脚注 |
(*1)KH 炭酸塩硬度のこと。Ca、Mgイオンを重炭酸イオン(HCO3-)と対を成していると理論的に想定して示した仮想塩。要は直接測定できないので理論値である。ただし本文にある通り水素イオンの緩衝に密接に関係するイオン総量であるので、指標として非常に重要。pHとKHが分かればCO2溶存量も導き出せる。このテーマではイオン化の有無を問わない総量を示す総硬度GHは関係ない (*2)植物の呼吸 植物の呼吸は光合成とは別に独立して行われており、光合成そのものに関係ない。ただし、光合成と関係の深い「光呼吸」というものがあり、明反応で得られたエネルギーを使って呼吸を行う方法であるがなぜ植物がこのような呼吸を行うのか確定的な説はない。現時点での情報は(*3)を参照。 (*3)光が過剰 光が過剰な場合に起きる光合成障害「光呼吸」について。 「光が過剰」なのはCO2溶存量に対してである。水槽育成に於いてCO2溶存量が補償点を上回り「見かけの」光合成が確認できる状態から、水温とともに補償点が上がり、CO2溶存量も減少した際に相対的(補償点の変動)かつ絶対的(溶存量減少)にCO2溶存量に対して光が過剰となる。この状況で光呼吸が発生する。つまり光呼吸は直接温度変化とは関係なくCO2溶存量によって間接的に関係があるに過ぎない。 メカニズムとして考えられている説は、補償点が上ってCO2が不足しても明反応は起きるが、炭素固定の段階である暗反応(カルビン−ベンソン回路)は機能しない。明反応で生成された過剰な光エネルギー(ATP及びNADPH)により起きる障害を防ぐためにエネルギー解放のため光呼吸が活性化する。そうしないとエネルギーが酸素と反応して致命的な活性酸素を生み出してしまう。他に呼吸手段が機能しているのにわざわざ光呼吸が始まる理由はこのように考えられている。 最も分かりやすく纏められていると思われる福岡大学の光合成の解説テキストをご参照願いたい。こちらの解説表現を借りれば(下線部引用)この無駄な経路はRubiscoがCO2とO2を区別できないためである。酸素添加反応の効率は温度とともに上昇するので,光呼吸は高温における酸素の障害から身を守る役割があるとも示唆されているとある。 他の研究成果もほぼ同様の見解を示している。アクア系で「光呼吸や酸素が光合成を阻害する」「暗い水槽にCO2を添加する事が光合成活性化につながる」などの話があるようだが解釈が強引すぎる。もちろん「考えられている」「示唆されている」説なので、一般的な学説をもって「間違っている」とは言わないが、一般的な説を否定するのであれば科学的根拠が必要であると思う。 もう一点、水槽内に限らず明るい日中には多くの植物が普通に光呼吸を行っているが、植物が上陸した時期の二酸化炭素分圧と現在を考えれば進化上獲得した機能であると納得が行く。同様にC4、C3とC4の中間型、CAM植物については地球の環境変化に伴い進化してきたものとして遺伝子の研究が進んでいる。 |
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