湿 地 の 科 学 【Archives】2 水辺の薬草Ver2.0 〜座右の銘は「藁にもすがる」〜 |
◇最初に◇
この記事は長らく藻草さんの「aqua-volvox」に掲載して頂いていたものですが、aqua-volvoxの更新が終了しコンテンツの多くが非公開となった際に公開終了になってしまいました。私自身病に苦しむ身であり、効く物であれば何でも試したい健康オタクへの道を歩んでいますので一部リライトし再録をさせて頂きます。それと、基本的なご注意を何点か。 ・本記事は古来薬効があると言われ漢方や民間療法で用いられていた植物のうち、湿地に生息するものを集めています。しかしながら薬効について補償するものではなく、用いられた場合の結果についても一切の責を負うものではありません。 ・漢方とは言え、用法、用量によっては害となる場合があります。用いられる場合には医師、薬剤師等の有資格者にご相談ください。 ・有用植物には近似種に毒がある場合があり、専門家による正確な同定が必要となります。 ・資格を持たずに医薬品として販売したり医療行為に使用すると薬事法の定めるところにより処罰されます。 薬草ですが実際に薬として使用するというよりも雑学として、ということでご理解下さい。また、漢方のコンセプトは「医は食にあり」。食用になる野草を食えばこんなことに効果もあるかな、という程度で考えて下さい。私はフィールドでは様々な植物や木の実を生食しており、この一覧表の植物の一部も食したことがあります。(野生に傾いていますが一応人間ですからね^^;)それでも何とか生きていますが、いつ何時一級河川三途の川でズブズブするはめになるか知れたものではありません。試される場合はキノコなみの慎重さを。 話は変わりますが、ある女性読者の方からオフで「字が小さくて目が痛い」と言われましたので今後極力標準文字サイズで記載いたします。結果的にページが長くなるので今度は「頭が痛い」と言われるかも知れませんが(汗)。 |
◇コラム 文化の継承◇
電話一本で救急車が来るようになったのは、せいぜい何十年か前からのことです。それ以前は多少のことは自分で治す、医者にかかるのは余程のこと、というタフな文化がこの国にはありました。
実は私、東京消防庁の普通救命講習を修了し、救命技能認定証を持っておりますが、その際の講習で伺った話では救急車の出動回数は想像を絶するもので、予備の救急車まで駆り出される事も日常茶飯事なのだそうです。実際には出動してみると「指を少し切った」程度の話も多く、自分でバンドエイドを貼ればお終い、ということがよくあるのだそうです。一方心臓疾患や脳出血などで一刻を争う話もあり、通報順に出動しなければならないために、助かる命が「指を切った程度の話」によって失われてしまう場合も多々あるそうです。 そんなわけで、素人でもなにかあった際に即応できるように職域を中心に普通救命講習を進めているらしいのです。講習は結構専門的で、人工呼吸や心臓マッサージからADE(自動体外式除細動器)の使い方にも及ぶもので、こういう技能を持った人間を増やすことで「救える命を少しでも救う」ことを目指しています。 私なんざ本当にいつどこで倒れるのか知れたものではないのでたいへんありがたいお話ですね。何の話か錯綜してきましたが、もともと野生の有用な動植物を利用する文化があったのに、いつの間にか電話一本で他人に頼るのが当然になってしまったということを言いたいのです。 民間療法と言ってしまうと何やら怪しげな効果の定かならぬ迷信まじない加持祈祷の類を想起させられますが、実は日本人の生活史のなかで語り継がれ使用されてきた、近代医療の何倍もの歴史を持つ文化の一部だったのです。 庶民の生活史のなかで禁忌や道徳を寓話に仕込んで語り継ぎ、生活規範として成立したのが民話であると言われています。これとて急速な近代化のなかで埋もれてしまう運命であったものを超人的な取材と体系化によって蘇らせたのが柳田國男です。同じ意味で湿地植物の得意な我々が有用植物を研究し文化の一部として何らかの形で残すことは意義あることであると思います。 文化のバックボーンとして語り継がれ、使われて来た有用植物。何となくロマンが感じられませんか?七草粥、菖蒲湯、柚子湯、柏餅、草餅...受け継がれて来た文化のなかに先人の知恵が生きています。スローライフ、スローフードが流行ですが元々日本人が生活史として持っていたものです。少し立ち止まって野や湿地の植物を見直して頂く機会になれば幸いです。 |
◇本編◇
(*)airoさんに掲示板で頂いた情報と自分で調べた情報に、その後調査した内容を加えまとめた情報です。追加、訂正がありましたら情報をお寄せ下さい。また、用い方については様々で生食、加熱、乾燥、粉末など種により目的により多岐に渡ります。安全のために記しませんのでご了解下さい。くどいようですがあくまで「水辺の雑学」としてご一読の程、お願い申し上げます。
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