種子植物が形成する種子は意外に休眠性が強く、極端な例ではヒルムシロの発芽率は2%、つまり休眠種子が98%なんてのもあり、種が出来る=翌年発芽して子孫を残すためという「常識」は再検討する必要がある。時間軸で言えば2000年の夢から醒めた古代ハスなんてのもあるが、一般的には数十年の寿命と言われている。
このように土壌中に貯められた休眠種子を埋土種子と呼び、シードバンク(seed bank)とも称する。一説には生育している植物より多くの植物が地下で埋土種子として休眠していると言われている。
なぜこのような事が起きているのかと言うと、私見ながら「偶然」ではなく「必然」の生き残り戦略であると思う。何らかの要因でその年の群落が根こそぎ絶えてしまっても数十年のうちに環境が適するチャンスがあれば復活できるわけで、種の存続が図れるのである。従ってseed bankではなくPlant Insuranceと称した方が実態に近いのではないか。
植物ながらこの戦略は精緻で、私なんざ「今月は金に余裕があるから三脚買おう」と気軽に買い物しては後々昼食代を嫁さんに借りたりしているので植物以下である。この状態を「毎度収支悪化」と呼ぶ(汗)。銀行の預金残高も低水準で「シンドイバンク」である(悲)。
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