植物用語辞典 利助流家元版

タ行


【体内時計】たいないどけい 【生物時計】せいぶつどけい
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植物学に於いて最もホットなテーマの一つである。就眠運動など外的刺激と連動しないリズムが植物の体内時計に支配されている、という考え方である。生物時計も同義。花を咲かせるフロリゲン(本辞典参照)の発見は大ニュースだが、そのフロリゲンを発射するタイミングを計っているのも光受容体をセンサーとした体内時計であるらしい。

尚、最新の理論であり私の知識ではこれ以上語れないので(騙れるが^^;)より詳しい知識をお求めになる方は大学教育出版の「動く植物」をお勧めする。

【ダーウィン】だーうぃん
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ダーウィン(Charles Robert Darwin 1809-1882)及び「種の起源」及び進化論に付いては一般常識範疇なので省略。
ここで取り上げたのはThe Power of Movement in Plants(邦題「植物の運動力」)の存在故で、就眠や向日などの詳細な観察と理論によって書かれたこの著作は、21世紀の知識で書かれた「動く植物」中で「いまだに科学的に証明する術がないほど」と賛辞がある程の内容を持っている。
ただ「種の起源」も「植物の運動力」も凡人の私には睡眠誘導効果が強すぎて、ついぞ真面目に通読したことはない。探検好き書斎嫌いな方々には「ビーグル号航海記」がお勧め。ただしドクトルマンボウほどの柔らかさはない(汗)。

人間としては「現場で見てインスパイアされ考える、そしてそれを表明する」という点に共感を覚える。まぁ当時はTVも図鑑もインターネットも無いのでそうするしかなかったのだろうが・・。

【托葉】たくよう
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葉柄基部に生じる突起状や葉状の葉片。双子葉植物に多い。と言っても何のことか非常に分かりづらいが、例えばタデ科のイシミカワの葉の基部にある丸い妙な葉がこいつである。托葉を持たない植物も多いので重要な同定の手がかりとなることも多い。
イシミカワで思い出したが、こいつやママコノシリヌグイを迂闊に触ってはいけない。軽く触れただけで棘にやられて出血する。ママコノシリヌグイは継子が不始末をしでかしたのを尻拭いしてあげる出来た親だと思っていたが、文字通りこの植物で尻を拭ってしまう意、らしい。虐待である。ガクブルである。イクナイ
しかし凄いネーミングである。キツネノヒマゴ(キツネノマゴ科)とかオジサン(魚)などは何となくユーモラスであるがハキダメギクとかヘクソカズラなんて代物は「ペッ」とやりたくなるな。ヘクソカズラなんざ本当に臭いし。まったくよう

【多肉植物】たにくしょくぶつ
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総称としての用語であって特定の科や属を示す分類上の概念ではない。一般に多肉質のサボテン科やアロエ科、ベンケイソウ科の植物を指すことが多い。園芸的にはサボテンを含まず、サボテンと多肉植物、といった表現をすることもある。
なぜ多肉なのか、というと組織が植物体の内部に水を溜められるように出来ているからであり、この機能が必要な砂漠など乾燥地帯にも進出できる植物でもある。さらに砂漠の日中の乾燥高温時に気孔を開けるリスクを避けるために夜間にCO2を取り込み水分の消費も抑える「CAM」という光合成方式を持っているものが多い。

生活史はともかくとして、多肉ゆえかとても変わった草姿のものが多く、素人園芸家でも増殖が簡単であるために流通する種類、量も多く価格も安い。要するにコレクター心をくすぐるのである。特にベンケイソウ科のエケベリア属やクラッスラ属、セダム属など「こりゃ本当に植物かよ!」と思うものが多数存在する。植物好きは必ず嵌るので多肉植物売場には近寄らない、という解決策しかない。幸いな事に我が国では自生種が少なくフィールドで採集してしまう心配もない(^^;(出窓の鉢はこれ以上増やせない)
アクアリウムプランツで流通しているクラッスラ何某はクラッスラ属ではなくベンケイソウ科でもないと思う。もちろんCAMでもないことは昼間CO2を添加した水槽で光合成をしていることで分かる。ただ例外もあってアズマツメクサというベンケイソウ科の湿地植物もあるそうなので入手して触り倒して納得するまでは保留で。

【多年生】たねんせい 【多年草】たねんそう
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多年性(生)は一年生に対する概念であるが非常に紛れがある概念でもある。実質一年生であっても「暦年内」に当てはまらない越年生植物を「二年生」と呼称したり、熱帯原産の帰化植物が本来多年性であるにも関わらず一年生のような挙動を見せることもあるからである。
基本的には草体の一部(多くの場合、根、根茎)が越冬し、翌年春にそこから発芽するタイプで、水生植物ではサクラタデやハッカ、ミズトラノオなど多くの種類がある。一年生は多年性よりも進化した姿であるとする説もある。

大学の二年生に進級した際に見たことも無い「オヤヂ」が居たが、教養課程のドイツ語2単位をどうしてもクリアできず、毎年居るとの話であったが何年いるのかは恐くて聞けなかった。二年生とは呼べず影では「多年生」と呼んでいた。なに?関係ない?そうだネ。

【多量要素】たりょうようそ 【中量要素】中量要素 【微量要素】びりょうようそ
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植物が生長に必要な要素成分のうち、主に根から吸収する成分である。多量、中量、微量は読んで字の如く必要量を示している。この他に空気や水からC(炭素)、O(酸素)、H(水素)を調達している。

量区分 要素
多量要素 N(窒素) P(リン) K(カリ)
中量要素 Ca(カルシウム) Mg(マグネシウム) S(イオウ)
微量要素 Fe(鉄) Mn(マンガン) B(ホウ素) Zn(亜鉛) Mo(モリブデン) Cu(銅) Cl(塩素)

水生植物育成上、特にアクアリウムでは変わった解釈をされており、多量要素の窒素、リン、中量要素のカルシウム、マグネシウムが嫌われ、多量要素のカリと微量要素の鉄が重用されている。
窒素、リンは藻類の増殖原因となり、カルシウム、マグネシウムは炭酸塩硬度を上げ溶存二酸化炭素を緩衝してしまうことで何となく理解出来る。ただし、それは水中にある場合であって土壌中になければ多量、中量と比較的要求量の多い成分の要素欠乏によって植物の健全な生長は望めない。鉄に付いてはよく分からない。都市伝説の類と思われる。
マグネシウム欠乏症はしばしば劇的な枯死(露地メロンの結実後、葉茎から果実へのマグネシウム移動による枯死などが有名)が発生するが、アクアリウムの水槽育成に於いて東南アジアの一部、南米産の植物が特定の土壌ベースの底床でしか育成できず、礫ベースの水槽で短期間に枯れて行く姿に似ている。これは土壌ベースの底床がイオン交換だか吸着だかでマグネシウムを土壌に集める機能があるためではないか、と思う。
水質だけを見て「弱酸性が云々」「炭酸塩硬度がかんぬん」という解説も多々見られるが、見る場所が違うのではないか。どのような植物系の文献を調べてもマグネシウムに付いて(上記の成分すべて、だが)は根からの吸収が100%近い、という記述しか見当たらない。まっどっちでも良いが。

【短日植物】たんじつしょくぶつ 【長日植物】ちょうじつしょくぶつ 【中日植物】ちゅうじつしょくぶつ
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日長(にっちょう=日照時間)の変化により開花・結実のスイッチが入る(入らない)植物の分類。
短日植物は日長が短くなる、つまり夏至から秋に向かい開花・結実する植物で多くの種類がこの範疇に入る。長日植物は冬至以降、日長が長くなることで開花・結実する植物でアブラナ(菜の花)、ホウレンソウ、小麦など春の田畑でお馴染みの植物達である。中日植物は名古屋にある植物・・・じゃなくて、日長に無関係に花芽を形成する植物で、エンドウやトウモロコシなどが代表的。
しかし、日長は大きなファクターであるが湿度や温度など他の要因も大きなものがあるので必ずこの挙動が起きるというわけではない。年による開花期のずれなどの要因ともなる。

季節を無視して出回る草花は日長をコントロールして開花させて出荷しているわけである。クリスマスに出回るポインセチア(赤い部分は花ではなく苞だが)も需要期にピタリと合わせる精緻な技術を使って生産されているそうで、ワタクシも新型カメラが発売される時期や季節の変り目で着るものがない時期にピタリと合わせて貯金したいと思った。

【湛水】たんすい 【冬期湛水】とうきたんすい 【トロトロ層】とろとろそう 【中干し】なかぼし 【不耕起水田】ふこうきすいでん
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稲作技術の用語群。湛水は一般用語でもあるが、稲作では水田に水を張ることを言う。稲は水生植物であるので田植えから開花までの生長期間に水が必要になるのである。開花後に結実し、実に栄養を蓄えるためには根に豊富な酸素を与える必要があり、水田から落水するがこれを中干しという。以上は乾田での栽培技術である。
対極的な技術に水を張りっぱなしにする冬期湛水という方法があるが、様々な理由、主に雑草の抑制(概ね不耕起がセットであり、雑草種子が表層に出ない、一度乾燥しないと発芽率が下がる雑草の防除も狙える)を期待されているが、冬に水鳥の餌場となったり生態系としても優れた環境である。
このような環境ではイトミミズが繁殖し、排泄物を中心にしたトロトロ層という流動的な地層が形成されるが、窒素分に優れたデトリタスでありオーガニックな肥料分としても利用できる。

以下は私見であるが、冬期湛水すなわち湿田の維持技術であり生産性は落ちるはずである。消費者としてこのような環境で作られた米への評価と、内水面面積の増加による気候変動への抑制貢献に対する何らかの評価(行政による支援が望ましい)が必要であると思う。

【頂芽】ちょうが 【頂芽優勢】ちょうがゆうせい 【腋芽】えきが
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茎の先端部で形成される芽が頂芽であり葉腋で形成される芽が腋芽である。この分類を「植物本来」の発生とした場合、不定芽はカルス(カルスの項参照)からの発芽と定義される場合がある。
芽が出る細胞については研究成果が多いが、「再生」の重要な出発点であり人間の失われた機能の再生などに応用できる可能性もある。花芽細胞のフロリゲンと並んで人類の未来を左右しかねない非常に貴重な財産であって、生物多様性の意義を具現化しているものだと思う。
頂芽優勢は頂芽で作られるオーキシン(オーキシンの項参照)という物質により腋芽の成長が抑制される現象を指す。光合成上、受光の有利性を確保するためのものとも言われている。

プロセルピナカ・パルストリスなど腋芽を出し難い種類はある程度頂芽優勢が働いていると思われるが、ピンチカットなど植物にとっての緊急事態が発生すると腋芽を出しやすいので緊急事態の認識とオーキシンの分泌停止など精緻なシステムを持っているのかも知れない。植物の不思議な仕組。

【DO】ディーオー
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重要な水質指標の一つで溶存酸素量、を示す。Dissolved Oxygenの頭文字を取ったものである。単位は今やスタンダードのmg/l。メタンがわくような嫌気的環境では低い数値を示すが、これはアクアリウムの皆さんが好きな「好気バクテリア」が溶存酸素量が少ないと存在できないためである。
要するに酸化物質、多くは化学物質だったり生活・農業排水だったりするわけだが、こいつらが酸化する際に酸素を使ってしまい、このような環境では往々にして生産者(水草)も呼吸が出来ず居なくなるために嫌気化しドブのようになってしまうのである。

生産者どころか消費者も生きていけない状況は海洋でも起きており、東京湾、大阪湾、瀬戸内海の貧酸素水塊、無酸素水塊は時折ニュースにもなる。ベントスの大量死によってさらに事態は悪化する。発生メカニズムは内水面と同じ、酸化物質による汚染である。

【鉄バクテリア】てつばくてりあ
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鉄は地殻上で4番目に存在量が多い元素で普遍的にある。鉄バクテリアは水中に在って1価鉄(Fe+)ないし2価鉄(Fe2+)を3価鉄(Fe3+)に転換すること、つまり酸化によるエネルギーを得て増殖するバクテリアである。鉄細菌とも呼ばれるが特定の「種」を明示した用語ではない。
2価鉄は極めて微量が植物に利用されるが、毛細根の発根やミネラル吸収に於いて有害であって還元状態の土壌では植物が健全に成長できない。ところがこの鉄バクテリアが酸化を行うことで無害化し、水田湛水時の土壌のような嫌気的環境でも2価鉄の害を受けることなく稲が生育できる。酸化のための酸素は根から放出する、という共生関係にもなっている。

鉄バクテリアの活動の証左は右画像に見られるように水域に於ける茶褐色の沈殿(粘着性フロック)及び油膜である。鉄バクテリアは本来無色であるが体内に沈殿した酸化鉄の色が茶褐色(つまりサビ)で、一方水面に形成されたコロニーが油膜であると言われている。

度々で恐縮であるが、植物にとって必須の元素であることは動かないが、好気的環境(水草水槽はその典型)に於ける存在形態が不溶態の3価鉄Fe(0H)3である「鉄」を投入する意味がまったく分からない。冒頭の通り水槽中の土壌が土であれ礫であれ、量的に必要な鉄分はすでに含まれているのであって、投入される2価鉄もすぐに植物が利用できない3価鉄となってしまう。
このロジックが農地で起きるのが「鉄欠乏症」である。つまり発根促進による植物体の健全な生長を促進するためには、完全な好気的土壌ではダメで、部分的にでも嫌気的環境が必要なことが理解できる。この事を古のアクアリストは「底床を厚く」と表現している。3価鉄を利用する能力を身に付けた植物もあるのですべてではないが、頻繁に底床を交換し、薄く敷く方法論全盛のアクアリウムでの2価鉄の投入は有害以外の何者でもない。

【デトリタス】でとりたす 【セストン】せすとん
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スナック菓子ドリトスを砕いたもの・・ではない。水中水底の訳の分からないどろどろ、である。単なる「泥」ではなく生物由来の物質、要するに生物・微生物の遺体や排泄物の混合物の成れの果てに微生物群集が住み着いたものである。英語ではDetritus。アクアリウム用語としも横文字好きな方々の間では使われている。
生態系の妙、というか精緻というか、このデトリタスは生物の食料として、植物の肥料に繋がるプロセスとして大きな役割を果たしている。水槽でも魚の糞や水草の落葉の切れ端などが分解し、底床付近に堆積することがあるが、よくミナミヌマエビなどが食っていた。大磯砂の隙間から底床に入り込んだものは土壌微生物の繁殖場所として水草の生長に少なからぬ役割を果たしていたはずである。

里山ではザリガニが食料としていたり、水中に舞い上がって懸濁物(セストン)となったものをタニシやマシジミが濾し取り、水生植物の肥料ともなり、微生物以外にも多くの生物を支えている。
度が過ぎると導電率が上がり、光合成の面で沈水植物が弱ってしまうが小魚とエビ程度しか飼育していない水槽であれば「徹底的に掃除」はしない方が良い。ちなみにセストンは広義の懸濁物であって、デトリタス由来のものを有機セストンと呼ぶ場合もある。

【頭花】とうか 【頭状花】とうじょうか 【小花】しょうか
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小さな花(小花、しょうか)が花茎の先端に集まり、あたかも一つの花のように見える状態になるもの。頭状花(とうじょうか)とも呼ぶ。大はヒマワリ、小はホシクサまでこの形状の花を持つ植物は多い。タンポポやアザミの花も頭花である。

様々な妄想(小花)が集まって頭状花となる人間の場合は頭花とは呼ばずに「頭がお花畑」と呼ぶ。愛でるのも摘み取るのも危険で、生暖かく見守る姿勢が必要である。愛でたり(いじる)摘み取ったり(反論する)すると逆ギレ、罵詈雑言などの毒を分泌する。

【同化作用】どうかさよう
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同化作用は生化学的には有機物の合成であり対語は異化作用、有機物の分解(呼吸)である。植物に関して同化作用、と用いられれば本質は生化学上の概念と同じであるが、ほぼ光合成プロセス、炭酸同化作用を指す。光合成に関しては別途まとめてあるのでそちらをご参照願いたい。

難しい話はさておき、地球温暖化防止のためのCO2削減はまことに結構、しかし同化作用を促進する施策もあってよいはず、と思う。山岳の植林など一般市民にはハードルが高いが、遊休地の緑地化などNPOにもボランティアにも身近に出来る「社会貢献」だと思うのだが。遊休地の買い上げとボランティアに配る飲み物代、苗木代という税金の使い方は使途として「志が高い」ものだと思うのだがね。
個人の利益しか考えない連中もたしかに多いが、いまだに「志」に共鳴し、意気に感じる人種も存在するのだよ>市役所の中の人。

【同定】どうてい
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種を特定すること。簡単なように見えて意外と難しい&手間がかかる。
たとえばクロモは似た存在としてコカナダモがあり、おじさんクラスの視力では50cm以上離れると同じに見える。(さすがにオオカナダモは分かるが)輪生葉や鋸歯の精査をする、つまり手に取ってミクロ的に見ないと分からないのである。
このようによく見れば分かる種もあるが、そもそも「どこがどう違うから何某」という基礎知識(同定ポイントという)が無ければ始まらない。これはまだ良い方で、明らかにミソハギ科だが知っている種ではない、という植物があると大変で特に馴染みの無い帰化種だったりするとお手上げに近い。最近アップしたシマミソハギはたまたまその道の知人が居たので何とかなったが、元アクアリストの目にはアマニア・グラキリスに見えてしまった(汗)。

図鑑で調べれば、というご意見もあると思うし極力そうしているが、はっきり言って図鑑で調べられる種は少ない。意外なことであるが、かの日本水草図鑑でさえ抽水植物や水田雑草には無力である。では雑草図鑑を紐解けば水田雑草中心で湿地系には弱い、野草図鑑は自生地別に整理されていないし、と要するに非常な手間を強いられるのである。場合によっては手元の図鑑を調べ尽くしても分からず図書館にチャリを走らせる、ということもしなければならない。
そう考えると光栄にも当サイトの相互リンクサイトである「野草と一休み」や「松葉探検倶楽部」のピンポイントの同定技術はお世辞抜きに凄いと思う。ぜひ見習いたい。

【導電率】どうでんりつ 【電気導電率】
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electrical conductivity、アクアリウムの水質指標としても用いられることが多い。金属元素それぞれ固有の数値を持つが、水槽水溶液中では水温25℃、距離1cmの相対する電極間における導電率を計測する。得られる数値の単位はS/m(ジーメンス)またはμS/cm(マイクロジーメンス)である。
要するに水が含有する電解質の指標(濁り)である。多すぎると生体の調子が悪くなったり、光の透過が悪くなって水草が光合成しにくくなったり、と負の側面が出る。昔昔のダッチアクアリウムでは重要な指標で、底床の性質と有機物の存在を強く意識していたために、往々にして高い導電率が崩壊の序曲となっていたためである。濁りが取れない水槽はpHやKH以前の問題だってこと。

この指標の恐ろしいところは計測器具が高価であり、かつ「数字が出たらどうするの?」ということがよく分からない点である。本質は濁りがあるように感じたら換水する、ということなので、しかめっ面で「私の水槽の導電率は○○マイクロジーメンス・・」と調べる前に力で解決すべきなのである。

【土壌バクテリア】どじょうばくてりあ
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土壌中に住んでいるバクテリア、のことでそれ以上それ以下の意味は無い。特定の科属、グループも規定していないし働きによってカテゴリーも分けていない。ここは重要な部分である。
土壌バクテリア=植物の生長に必要な存在、というストレートな「暗黙知」で通じるのはアクアリウム系だけの話で、よく考えてみれば「暗黙恥」である。「何をよく考えると言うんだ」という声を想定しつつ、土壌微生物のメカニズムについては当Webサイトに「土壌バクテリア概論」として記してある。
この点に於いて私が必要以上と思われても仕方が無いほどアグレッシブなのは、デフォルメすることで利益を得る連中がいるからである。どこの何とは言わないが、バクテリアの粉末を底床に仕込んで水草が育つか?育たねぇだろう?というのが偽ざる気持ち。そんなのを生半可に訳知り顔に解説するのを見ると余計に腹が立つ。自分の記事でも専門家が読めば同じ感慨を持つであろうことは想像の範疇であるが、未知の事実には未知であることを前提に推測は推測としていること、こんなもんで何がしかの利益(製品を作ることで、雑誌に妄言を書くことで)を得ていないし得るつもりもないことが矜持である。

簡単に証明できないことを断言するな、失せろ下賎の金、である。

【トルマリン】とるまりん
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自然科学的に考えてみると加持祈祷の世界に近いアクアリウムでさえも眉唾扱いされている可哀想な物質。
しかし逆もまた真なりで、加持祈祷の世界が否定しているものは真実に近い場合も多々あるのである。念のためであるが私はトルマリンをアクアリウム用品として考えているメーカーに含むところも無いし、援護射撃するつもりもない。あくまで客観的な事実はどうか、というスタンスである。

トルマリンは曰く、水に触れるとマイナスイオンが発生する、水のクラスターが小さくなる、など効果を謳われアクアリウム以外でも販売されている場合があるが、それもこれもばっさり一撃で「疑似科学」と切り捨てている評者もいる。
要するに科学的な証明、どの水草がどうだから効く、という具体的な理論と実験結果が添えられれば加持祈祷の人々も含め万人が認めるはずなのである。そこまで出来なかったのか「疑似科学」段階で終わっているので非常に寂しいのである。一方、効果どころか様々な弊害が農業や土壌学の世界で証明されているのに二価鉄を信奉する世界なので何とも理解しがたい。

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