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標準和名 | アサザ | 学名 | Nymphoides peltata (SG Gmel.) Kuntze. | 分類 | ミツガシワ科アサザ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 絶滅危惧II類(VU) | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
霞ヶ浦では植生による水質浄化のシンボル的な植物としてアサザ基金によって市民参加の植栽が進められている。 ハスやアシの植栽・放置によって富栄養化が進むように、吸収した栄養分を刈り取りによって湖外に搬出しなければ意味が無いと考えていたが、鷲谷いずみ先生(東京大学大学院)と飯島博代表(アサザ基金)共編の「よみがえれアサザ咲く水辺」によれば蛾の一種で水生植物の浮葉を食草とするマダラミズメイガによって食べられ結果的に窒素とリンが搬出されるとの事で、即効性は無いながら自然の力を生かした浄化策となっている模様である。余談ながら飯島博代表は「100年後の霞ヶ浦」をビジョンとして持っており、拙速にならず骨太の精神によって環境に相対している。 睡蓮鉢で育成可能であるが、肥料分と日照を確保しなければ開花しない。黄花を多数つける観賞価値がある水草である。葉は次々と枯れるが、葉の寿命が短く新しい葉を展開する性質なので問題は無い。 |
標準和名 | アマゾントチカガミ(不詳) | 学名 | Limnobium laevigatum (不詳) | 分類 | トチカガミ科リムノビウム属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 帰化植物 | 現状指定なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
いわゆる「アマゾンフロッグビット」である。近隣の池での発見時はトチカガミに見えたが、葉に入る切れ込みの深さの違い、草体の大きさなどが異なった。 広くアクアリウムや水辺園芸で利用されており逸出源は明らかである。本種が帰化という定義に当てはまるかどうか不明であるが、原産地を考えれば種子による世代交代をしているとは考えにくいのでホテイアオイ同様、冬場に草体を溶かし根茎の一部等で越冬していると思われる。繁茂するシーズンに栄養繁殖を行っているものと考えられる。 トチカガミ同様に浮葉の裏側に浮袋を持ち、浮葉を水面に安定させる形状をしている。育成しても面白いと思うが増殖速度が異様に速く、早晩持て余してしまうのではないか。ハナカガブタ(バナナプラント)やホテイアオイの逸出の事情を考えると本種もその点で非常な危惧を覚える。出来れば育成を控えたい植物。 尚、増殖の「地下茎」は水面下の走出枝が実態なので表現が相応しくないが、実態は同じものとしてご理解いただきたい。 |
標準和名 | イトタヌキモ | 学名 | Utricularia exoleta R. Br. | 分類 | タヌキモ科タヌキモ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 絶滅危惧IB類(EN) | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
別名ミカワタヌキモとも呼ばれる繊細で非常に小型のタヌキモ。小型種であるヒメタヌキモの半分以下の草体である。通常のカメラではマクロレンズでもご覧の通り。 アクアリウム用の水草を管理状態の不十分な販売水槽から購入すると付着して来て水槽内で駆除困難な邪魔者となるが、これは熱帯アジア産のものであると考えられる。しかし「種」として同一であることを否定する材料も見当たらない。簡単に言えば同種であり遺伝子上の些細な相違が推測される程度である。もちろんこの「些細な相違」が「種」を考えるときに重要な相違となるはずで安易な廃棄は厳に慎むべきである。 かたや日本ではIB類(EN)という重いランクの絶滅危惧種となっている。しかし自然度の高い湿地をよく探せば見つけることが出来、水の少ない場所では泥に潜り込んだり、湿った地面でも生きているのを目撃している。 育成にあたっては特に注意点も無く、どのような環境でも(程度問題はあるが)よく増殖する。タヌキモ属のなかでは比較的良く開花が見られる種でもあり、黄色い小さな花が見られる場合も多い。 |
標準和名 | イヌタヌキモ | 学名 | Utricularia tenuicaulis Miki. | 分類 | タヌキモ科タヌキモ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
どこにでもあるような気もするが、微妙に影が薄くなってきた水草。食虫植物であるが、水中のプランクトン等を捕食し、昆虫類は捕食しない。 タヌキモ類は一般に同定が難しいが、この画像はかの神戸大、角野先生が訪問され同定された自生地で撮影したものなので間違いない。(他力本願) 同定にご興味がある方は先生の著書「日本水草図鑑」を参照されたい。(恩返し) 水槽で育成しても、輝く捕虫嚢が意外に美しい。壷にはまると瞬く間に大増殖するが、これはタヌキモ科共通の特徴である模様。この特徴は希少なヒメタヌキモやフサタヌキモでも同じ。 水面下を浮遊、時に黄色い花を咲かせる。冬場は越冬芽となるので開花・結実しなくても越冬可。 タヌキモの分類・同定についてはこちら食虫植物の分類を参照。 |
標準和名 | イバラモ | 学名 | Najas marina Linn. | 分類 | イバラモ科イバラモ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
各地でRDB入りしている希少植物。(環境省RDBには記載なし)種小名が示す通り塩分濃度のある汽水域にも自生する。東日本で私が知っている自生地はその通り汽水湖であるが、西日本には淡水湖沼にも多いという。代表的な自生地は琵琶湖である。 イバラモ科には珍しく雄株と雌株があり、実生には両方必要。一年草であって実生しない限り世代交代は出来ない。 草体は硬質で折れやすく、自生地では流れ藻として岸辺に打ち上げられている姿も見かける。折れた流れ藻でも水槽に植えておけば発根し、暫くは非常にユニークな草姿を楽しむことが出来る。 時折水草ショップで「ナヤス・マリーナ」として販売されることもあるが、分布の広い植物であり国産のものか海外のものか定かではない。 |
標準和名 | インバモ | 学名 | Potamogeton x inbaensis Kadono | 分類 | ヒルムシロ科ヒルムシロ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 希少・育成種 |
本種はヒルムシロ科の雑種でガシャモク(Potamogeton dentatus Hagstr.)とササバモ(Potamogeton malaianus Miq.)の交雑種である。 その名の通り千葉県印旛沼周辺で見ることが出来たらしいが、現在ではガシャモクとともに消え去ってしまった。ササバモが僅かに見られる有様なので復活も難しいだろう。実生しない交雑種であり埋土種子からの発芽もない。 葉脈のパターンは大型のポタモゲトンに共通のものであり、同定は葉柄と葉形による。すなわち葉柄は中程度(ガシャモクはほぼない、ササバモは長い)、葉形も中程度(ガシャモクがずんぐり、ササバモは細長い)というポイントであり、三種をすべて見比べれば一目瞭然。形質も中間的なものがあり、気中葉は形成しないまでもササバモの形質故か、水面近くで異形葉を出すことが稀に見られる。 自然環境で発見することは困難であるが、交雑種のためか環境省RDBへの記載はない。実態はガシャモクに準じると思われる。 |
標準和名 | ウキヤガラ | 学名 | Scirpus fluviatilis (Torr.) A.Gray | 分類 | カヤツリグサ科ホタルイ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
池や沼の浅い水中から立ち上がるカヤツリグサ科の植物。茎断面が三角形であり、カンガレイやサンカクイなどにも似るが開花すればご覧の通り位置、形状が異なるために同定できる。 カヤツリグサやホタルイと異なり、環境(主に水深?)によりかなり大型化する。水中から立ち上がり、冬には枯れて茎が水に浮く姿を矢柄に例えて浮矢柄となったと言われている。 確認した自生形態がほぼ水中から立ち上がっていたため湖沼植物としたが、開花・結実は他のカヤツリグサ科同様気中で行われる。完全に水没して水中生活を送ることはない。 霞ヶ浦や北浦など護岸の多い湖沼ではごく一部に見られる。周辺ため池の護岸されていない場所では普通に見られる植物。 実生もするが地下茎で増殖し、ため池の岸近くなどで大群落となっている姿を見かける。資料によれば水田への侵入も報告されている、との事であるが調査範囲では未見。 |
標準和名 | エビモ | 学名 | Potamogeton crispus Linn. | 分類 | ヒルムシロ科ヒルムシロ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
育成難種。理由は夏場の水温上昇によって殖芽になってしまうことで、屋外でも水槽でも通年育成は困難。一方湧水起源の河川では水温が低水準に安定するためか、周年生育する姿が見られる。 透き通るような緑と飴色の葉脈は非常に美しく、季節限定でも観賞価値は十分にあると思う。水槽用クーラーを用い水温を20度前後に保てればカワヂシャやミズハコベなど冷水性の水草とともに育成できると思う。 ヒルムシロ科ではササバモやヤナギモとともに最も普通に見られる種であるが、霞ヶ浦周辺では年々自生地が減っており見られる地域はかなり限られてしまった。自生地も画像の通り透明度の低い汚れた場所が多く、危機に瀕している。 一般的に夏季に殖芽を形成するが、湧水河川や一部湖沼のものは形成しない事を確認済み。個体群の形質なのか亜種の可能性があるのか、興味深い。 |
標準和名 | オオイヌノハナヒゲ | 学名 | Rhynchospora fauriei Franch. | 分類 | カヤツリグサ科ミカヅキグサ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
「イヌノヒゲ」と紛らわしい名前であるがホシクサ科ではなくカヤツリグサ科の抽水植物である。湖沼の沿岸部で見かける機会が多く、水田周辺では目にしない。 イヌノヒゲを名乗る他種との相違で特にイヌノハナヒゲ(Rhynchospora rugosa (Vahl) Gale)との同定がルーペレベルの観察では困難らしいが、オオイヌノハナヒゲは標高が高い山地の湿地に自生する、とのことで確実ではないながら自生地による判定が可能である。ちなみに本画像は関東平野が山岳部にかかる地点の湖沼のものである。 また具体的な両種の差異として、開花とともに花穂が垂れ下がる(イヌ)、直立する(オオイヌ)というものがあり、草体の大きさと総合し、本種と同定した。 カヤツリグサ科としては非常に大型になる植物で60〜100cmになる。ため池浅水域でカンガレイやミクリなどと混生し非常に目立ちにくい。県レベルではRDBに記載されている場合もあるが、護岸により適正な自生環境が減少してしまったため、と考えられる。また隔離分布すると言われており、元々の分布の密度が影響しているものと考えられる。茨城県では県西部で見かけることが多い。画像は桜川市でのもの。 【参考】カヤツリグサ科入門図鑑 谷城勝弘著 全国農村教育協会 |
標準和名 | オオカナダモ | 学名 | Egeria densa Planch. | 分類 | トチカガミ科オオカナダモ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 帰化植物 | 要注意外来生物 | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
カナダモと名乗るが実はアルゼンチン原産の帰化植物。実験観察用として大正時代にアメリカ大陸から移入されたことによりこの和名となった模様。雌雄異株であるが帰化しているのは全て雄株、増殖は栄養増殖によるものである。 画像はクロモと混生して自生している池のものであるが、採集したものがクロモのみであったので全てクロモと思っていたが、その後クロモが衰退して本種だけになったので初めてオオカナダモを認識した。用水路、排水路などにも普通に見られる強靭な種である。 所謂アナカリスで、金魚藻として多く販売されており、初心者向きの水草とも言われるが早晩持て余してしまうことは確実で、水槽で育成するような草ではないと思う。 近似種コカナダモ、クロモとの判別は輪生葉の数や鋸歯による。(日本水草図鑑を参照願いたい) |
標準和名 | オオササエビモ | 学名 | Potamogeton anguillanus Koidz. | 分類 | ヒルムシロ科ヒルムシロ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 希少・育成種 |
本種はヒルムシロ科の雑種であり、ササバモ(Potamogeton malaianus Miq.)とヒロハノエビモ(Potamogeton perfoliatus L.)の交雑種であることが神戸大学の飯田聡子氏及び角野康郎先生の遺伝子研究によって分かっている。 葉の大きさはササバモの形質を、透き通り反り返る形質はヒロハノエビモのそれを色濃く受け継いでいるかのような印象の植物である。また水槽内では赤みが強く出現し独特の透明感と相まって美しい水草である。 分布は西日本に偏っており琵琶湖近辺では普通に見られる種であるらしい。育成時に浮葉及び気中葉の形成は確認していないが、インバモの例にもある通り交雑種の表現型は予測が付かないので形成の可能性(ササバモの形質)は否定できない。 |
標準和名 | オオトリゲモ | 学名 | Najas oguraensis Miki. | 分類 | イバラモ科イバラモ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
年々希少となりつつあるイバラモ科に於いては多少の自生がある植物。近似種のトリゲモとは種子表面に横長の網目模様があること、雄花の葯室が1室か4室か、などの同定ポイントがあるが素人には判別は無理。 2004年に明らかに草姿の異なる琵琶湖産、土浦市産、龍ヶ崎市産3株を、ご無理をお願いし神戸大学の角野康郎先生に見ていただいたが、すべてオオトリゲモの可能性が強いとのご回答を頂いた。草姿による同定も難しいようである。 一年草であるが、加温水槽に於いては通年育成が可能であり、水中でも繊細なナヤスとして見栄えがする。可能な限りの高光量と二酸化炭素の添加が必要である。 尚、草姿の酷似するトリゲモ(Najas mimor L. 絶滅危惧IB類(EN))は自生を見たことが無く、全国の知り合いのフィールドワーカーの目撃情報も現状ない。 |
標準和名 | オオフサモ | 学名 | Myriophyllum brasiliense Cambess. | 分類 | アリノトウグサ科フサモ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 帰化植物 | 特定外来生物 | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
水辺に進出が著しい南アメリカ原産の外来種である。水草ショップではパロット・フェザーという名前で、金魚日淡では「金魚藻」の一種として長年販売されており、逸出源は明らかである。 硬質のライトグリーンの水上葉が水をはじく様はなかなか美しいが水辺での繁茂ぶりが凄まじく大きな問題となっている。在来種への圧迫はもちろんであるが、内水面漁業において漁船のスクリューに絡みつき通行を阻害するなどの実害も出ている。 霞ヶ浦水系では自生地を選ぶらしく、どんなところでも繁茂するわけでは無い。分布に濃淡がある。多少の湿り気があれば陸上にも進出する。 オオカナダモとともに、アクアリウムの自然環境に対する罪深さを最も感じる水生植物である。特定外来生物であり採集・移動・飼養は罰則の対象となる。主旨に鑑み育成形態、増殖はカテゴライズを行わない。 |
標準和名 | オグラコウホネ | 学名 | Nuphar oguraense Miki | 分類 | スイレン科コウホネ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 絶滅危惧II類(VU) | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 希少・育成種 |
近畿以西に自生すると言われているコウホネ。水生植物の宝庫と言われ、豊臣秀吉の土木工事以来連綿と痛めつけられ、遂に1941年の干拓で消滅した巨椋池にちなむ和名である。 干拓以前の時代、数少ない水草研究家であった三木茂博士が巨椋池で採集、分類を行った名残が和名となっており、他にもオグラノフサモ(アリノトウグサ科)などの例がある。和名に「オグラ」、学名に「Miki」が付与された組み合わせである。 本種は他のコウホネ属と異なり抽水葉を形成しない点が重要な同定ポイントであり、開花後の花色によって近似種のベニオグラコウホネとの区分も容易である。 花期以外、浮葉以外の形態的な同定ポイントは浮葉故の水位の変動に対応したと思われる細長い中空の葉柄と、その三角形の断面である。開花期以外も比較的見分けやすいコウホネであると思う。関東近辺では自生は無く、画像の自宅育成株は園芸店からの購入株。 |
標準和名 | オニバス | 学名 | Euryale ferox Salisb. | 分類 | スイレン科オニバス属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 絶滅危惧II類(VU) | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
各地で減少が甚だしいハス。稀にため池などで見かけるが、系統維持のために保護されている場合が多く、採集にあたっては注意・確認が必要。 巨大な草姿から受けるイメージと異なり意外なことに一年草である。維持、更新そして育成環境を考えればとても個人で楽しむ水草ではないが、機会があれば育成してみたいと思わせる魅力的な蓮である。花も美しい。南方種のようであり北限を持つ(新潟県)。 草体は棘に覆われ、時には直径2m近い浮葉を付ける。種子生産性は高いが、冬季に干上がり種子が空気に触れることで発芽率が上がるなど特殊な生活史を持つため、もともと分布には濃淡があるようである。 本種を霞ヶ浦沿岸部で保存されていた農家では、アメリカザリガニの侵入によって新芽が次々と切断され絶えてしまった、との事で系統保存にも思わぬ大敵がいるようである。 |
標準和名 | オヒルムシロ | 学名 | Potamogeton natans Linn. | 分類 | ヒルムシロ科ヒルムシロ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
ヒルムシロやフトヒルムシロ同様浮葉を出すヒルムシロ科植物である。両種との決定的な違いは発芽後の沈水葉の形状にあり、線型の細い葉を展開することで同定できる。 浮葉は「雄」ヒルムシロだけにやや太く、大型であるがヒルムシロも栄養状態によって大型の浮葉を展開するので浮葉のみによる判定は不可能。 東日本では自生地が限られており、自生を見たことがあるのは福島県の国立公園内のみである。水槽内では光量不足のためか浮葉を展開することは少なく、細い水中葉を一定期間楽しめる。屋外育成ではヒルムシロ同様非常に繁茂するので他種と混植する場合には注意が必要。 この手のヒルムシロ科は適切な環境であれば繁殖力が強いので、採集は最低限に抑えたい。 |
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