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標準和名 | ハゴロモモ | 学名 | Cabomba caroliniana A. Gray. | 分類 | ハゴロモモ科ハゴロモモ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 帰化植物 | 要注意外来生物 | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
標準和名記載が見つからず、とりあえず科名属名標記の「ハゴロモモ」を上げておく。フサジュンサイ、ガボンバ、カモンバ、多くの異名を持つスイレン科からハゴロモモ科に転じた北アメリカ原産帰化植物である。ちなみに環境省外来生物法の要注意外来生物リストには「ハゴロモモ」と記載されている。 注目すべきはその繁殖力で、水面近くで異形葉を展開し開花するので水面を覆ってしまう。私も除去作業に参加した経験があるが、霞ヶ浦のある漁港では船のスクリューに絡みつき、船の出入りが出来ない場所もあったほどである。 古くから金魚藻として親しまれており広い意味でのアクアリウム逸出である。霞ヶ浦水系ではナガエツルノゲイトウとともに最も危険な種ではないか、と考えている。要注意外来生物であり採集・飼養は避けた方が賢明であると考える。 |
標準和名 | ハス | 学名 | Nelumbo nucifera Gaertn. | 分類 | ハス科ハス属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
霞ヶ浦近辺ではビオトープや湖沼に植栽されるタイプと蓮根(出荷高は茨城県が全国一位)を収穫するためのタイプ、2タイプが見られる。 学術的な分類よりも、自然環境に対して二つの大きな問題があるが、花の美しさ故かあまり話題となる事もない。一つは他種への圧迫で、水面を覆ってしまう増殖ぶりのため特に沈水植物に壊滅的影響をもたらしてしまう。多様性を維持するためにヒシ同様ハス刈りをしなければならないため池などもある。もう一つは非常に栄養吸収が盛んな植物であり、枯死した際に一気に栄養塩が水中に拡散するために水質が一気に悪化する点である。 以上の側面から野外では帰化種以上に移植に注意しなければならない植物であると考えられる。 園芸「品種」のものは実生を行うと遺伝的な形質が変わり、親の品種と異なるものが往々にして出現するらしく、遺伝的な発現が安定していないものが品種として出回っている可能性もある。 |
標準和名 | ヒシ | 学名 | Trapa japonica Flerov | 分類 | ヒシ科ヒシ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
湖沼に自生する浮葉植物。爆発的な繁殖力を持ち、小さな溜池なら水面を埋め尽くしてしまうほど。他種、特に沈水植物には致命的な影響を与え、ハスとともに生物多様性を維持する上での厄介者。 花は可憐であるが、忍者のマキビシの語源になっているように、棘のある硬い果実をつける。果実は栗のような素朴な味わいで食用としても優れている。 育成は繁殖力を考慮し、専用の水鉢を用意すべき。近似種にオニビシ、ヒメビシなどがあるが、種子の形状とくに棘の数で判別が出来る。詳しい同定はこちら四季に生きる草木と昆虫を参照。 ヒシは抽水葉を基本的に出さないが、水面が混み合ってくると葉の上に葉が重なり、遠目にはコウホネやトチカガミの群落のように見えることがある。この環境では沈水植物は期待できず、フィールド探索の一つの指標になる。 |
標準和名 | ヒシモドキ | 学名 | Trapella sinensis Oliver | 分類 | ゴマ科ヒシモドキ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 絶滅危惧IA類(CR) | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 希少・育成種 |
ゴマ科に分類されているが、最近はヒシモドキ科として独立させる傾向にある。1属1種の特殊な分類の植物である。 和名の由来となっているようにヒシの浮葉に似た浮葉を展開する。花色はヒシの白に対し薄いピンク。形もかなり異なる。種子で世代交代する一年草であるが開放花が結実しなくても水中の閉鎖花が結実するらしく、シーズンオフには睡蓮鉢の底に多数の大型の種子が見られる。この種子も棘の形状から見方によってはヒシに似ていなくもない。 環境省RDBでは非常に危急度の高いIA類(CR)に指定されているが、事実野外で見たことは無い。育成環境では他種を圧迫するほど殖え、種子生産性も高く発芽率も高い。 個人的な見解であるが、水生植物の減少とアメリカザリガニの破壊力は深い関連があると思う。オニバスの復活を図ったNPOでもザリガニによって壊滅させられた事例がある程である。 |
標準和名 | ヒツジグサ | 学名 | Nymphaea tetragona Georgi | 分類 | スイレン科スイレン属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
園芸植物としても販売流通する本種であるが、その多くは交雑種らしく微妙な花色、浮葉の違いなど様々な相違がある模様である。自生地のものも温帯スイレンとの交雑により完全に本種と同定できるかどうか微妙である。 ただし花や葉は日本水草図鑑によっても地理的クライン(勾配)による相違が示唆されており外形的特徴によっては断定できない。 貧栄養の湖沼に自生する国産のスイレンであり、和名の由来は未の刻(午後2時前後)に開花することによる。夕方になれば花は閉じてしまう。貧栄養の環境を好むためか、北関東では自生地は少なく、非常に希少な植物となっている。 個人的な好みではカラフルな園芸種の睡蓮より清楚でシンプルな花の本種が好きで、アサザやガガブタとともに自宅に置きたい浮葉植物である。 |
標準和名 | ヒメコウホネ | 学名 | Nuphar subintegerrimum (Casp.) Makino. | 分類 | スイレン科コウホネ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 絶滅危惧U類(VU) | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
浮葉はコウホネよりかなり小型で「姫」の名に相応しい草姿である。コウホネ同様に黄色い美しい花を付けるので園芸植物として出回ることも多い。 環境省RDB植物であり、少なくても私の活動エリアでは見た事がない。そもそも分布が中部以西であるらしく、型によって東海型と西日本型に分類がなされている。出所から見て自宅で育成している株は西日本型であると思われる。 一説にはコウホネよりも深い水中で生育し浮葉を出すので浅水域で抽水生活をするコウホネより進化していると考えられている。ただコウホネも環境によっては沈水葉のみで生育するので環境適応が進化の姿とすると何とも言えないと思う。 |
標準和名 | ヒメタヌキモ | 学名 | Utricularia minor Linn. | 分類 | タヌキモ科タヌキモ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 絶滅危惧U類(VU) | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
湿地や湖沼水中のごく浅いところに自生する小型のタヌキモ。タヌキモやイヌタヌキモと異なる点は、土中にも茎を伸ばし土壌微生物の捕食を行っていること。従って土壌微生物に乏しい水槽での育成は困難なものがある。また水中微生物の捕食に依存度が低いためか、タヌキモ科に特有の捕虫嚢はほとんど付けない。 我が家では毎年湿地植物用の水深の浅い水鉢に発生するが、もともと福島県山中の名も無い沼で採集したもので、この自生地以外では国立公園などごく限られた地域でしか自生を確認していない。関東平野部の湖沼では見たことがない。 屋外では特に手間がかからずに殖えるようで、ムジナモが越冬に失敗した鉢でもアオミドロに絡まれながら元気に成長している。タヌキモ科全般の持つ強い繁殖力を備えている。疎らに付く葉が独特の雰囲気を持つ水草である。 |
標準和名 | ヒルムシロ | 学名 | Potamogeton distinctus. Linn. | 分類 | ヒルムシロ科ヒルムシロ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
ご覧の通り野外では浮葉が常態であるが、水草水槽では一時的に水中葉として育成することも可能。繁殖力が強く、水鉢に一株植栽すると1シーズンで水面を埋め尽くす程の浮葉を形成し、他種を圧倒する。花は風媒花のため非常に地味。 特徴的なのは越冬芽で、地下茎に形成するが鶏の足のような非常に印象的な形状である。種子も結実させるが、発芽率は異常に低く、一説には2%と言われている。事実長年育成しているが実生株は確認出来ていない。 越冬芽の発芽期のエネルギー調達も変わっており、一般的な植物の酸素呼吸とは異なりアルコール発酵が手段となっている。これが水田の酸化と還元のサイクルと合っていたようで、以前は水田の強害草として知られていた。反面農薬には弱いようで現在では水田で見ることはなかなかできない。 |
標準和名 | ヒロハトリゲモ | 学名 | Najas indica (Willd.) Cham. | 分類 | イバラモ科イバラモ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 絶滅危惧IB類(EN) | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
水田やため池に自生するイバラモ科の植物。オオトリゲモと非常に似ているが、種子表面に六角形の網目模様があることで判別が可能。つまり結実しないと同定できない。 写真は水田に自生する状態であるが、オオトリゲモもしくはトリゲモと混生しており、非常に同定が困難であった。30倍程度の倍率のルーペがあれば種子表面の違いが分かると思う。 ヒロハトリゲモは別名サガミトリゲモと呼ばれ、関東地方にもやや自生が残っていると推測されるが、同じ関東の地名を冠したムサシモ(イバラモ科)は非常に希少なものとなっているようで未見。 一年草であるが加温水槽であれば通年育成が可能。オオトリゲモと同様に繊細な葉を持つ美しいナヤスである。 |
標準和名 | ヒロハノエビモ | 学名 | Potamogeton perfoliatus Linn. | 分類 | ヒルムシロ科ヒルムシロ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
資料上に分布があり自生地には分布が無い代表的な水草。琵琶湖では流藻となって打ち寄せられる程自生しているようだが、霞ヶ浦水系では非常に稀にしか見かけた事が無い。尤も汚染に強いと言われるササバモの自生も限られている状況なので不思議は無いが。 透き通る葉が美しく、稀に熱帯魚ショップでも観賞用水草として扱われることがある。環境に馴染むと地下茎で続々と新芽を出し無性生殖を行なう。発芽が予測できないのでレイアウト水槽には向かない。無理にトリミングを行なうと枯れるという気難しさもある。ヒルムシロ科の常なのか屋外育成でも経験上実生は確認したことがない。 ヒロハノ、と名乗るが実際には平野型のエビモの方が草体も葉も大型である。地域変種による形態上の差異も多いと言われるが未確認。 ヒルムシロ科交雑種何種類かの母種となっており、ヒロハノセンニンモなど本種の形質を色濃く受け継いだ種も存在する。 |
標準和名 | ヒロハノセンニンモ | 学名 | Potamogeton leptocephalus Koidz. | 分類 | ヒルムシロ科ヒルムシロ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 希少・育成種 |
ヒルムシロ科ヒロハノエビモ(Potamogeton perfoliatus Linn.)とセンニンモ(Potamogeton maackianus A. Bennett)の交雑種と言われる琵琶湖特産種である。琵琶湖での群落数は年々減少しているとの報告もある。当然ながら私の活動エリアには存在しない水草なので希少・育成種として扱う。 新芽が透き通り、細い葉がややカールする以外はヒロハノエビモの形質を色濃く受け継いでいるようである。ただし交雑種の表現型は様々であり、一概にこのような形であるとは言い切れない。時折水草ショップで販売しているヒロハノエビモのなかにも葉形が微妙な混じりがあるようで、これは区別せずに琵琶湖で採集したものであるか、ヒロハノエビモの表現型であると考えられる。(別名ツクシササエビモ) |
標準和名 | ヒンジモ | 学名 | Lemna trisulca Linn. | 分類 | ウキクサ科アオウキクサ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 絶滅危惧IB類(EN) | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 希少・育成種 |
なかなか見られない希少な浮草。浮草と言っても水面付近水中で他の水生植物に引っ掛かるように留まり自生する面白い性質を持った植物である。半沈水の生活史を持つ多年草。漢字で表記すれば品字藻、すなわち「品」という漢字に見える藻という意味であるが、草姿を見れば納得できる。 静岡県の柿田川など湧水起源の河川や一部の湖沼などに残っているらしいが、低水温を好むようで水槽育成の場合夏季は消えてしまう。殖えだすと収拾が付かない程殖えるので、環境が合えば強い植物だと思われる。 シダのようにも見えるが驚くべきことにウキクサ科の植物である。被子植物である。画像、実物とも見たことは無いが、ごく稀に開花するらしい。ウキクサ科全般、開花は非常に珍しい。 |
標準和名 | フサタヌキモ | 学名 | Utricularia dimorphanta Makino | 分類 | タヌキモ科タヌキモ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 絶滅危惧IA類(CR) | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 希少・育成種 |
第二のムジナモ、と称される程希少となってしまったタヌキモ。イヌタヌキモやノタヌキモに比べて大型である。さらに屋外に於いては非常に長く成長し分裂する。条件がはまれば狭い60径の睡蓮鉢など1本ですぐに占拠されてしまう。 これほどの生命力を持つ水草がなぜ絶滅寸前なのか、おそらく元々分布が少ない上に個人の睡蓮鉢程度の水質さえ保てなくなった水域が多くなったためであると思われる。またこの手の沈水植物はアメリカザリガニが天敵であり、今やいない水域を探すのが難しいほど蔓延ってしまった外来甲殻類が絶滅に手を貸していることは否定できない。 私の育成環境では開花・結実を見たことがないが、盛夏に分裂したそれぞれが殖芽となり越冬する。越冬、覚醒はムジナモほど条件が厳しくなく、アオミドロや他種、特に浮葉などにも注意する必要はない。また「餌」も特に考える必要はない。 |
標準和名 | フサモ | 学名 | Myriophyllum verticillatum Linn. | 分類 | アリノトウグサ科フサモ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
国産ミリオフィラムとして一般的な種。開花の際に立ち上がる気中葉は小型の葉を付け、好ましい草姿となる。雌雄同株であり、容易に結実する。 近似種のオグラノフサモとは殖芽の形状、葉の色で区別できるが、ホザキノフサモとは沈水状態での同定がかなり難しい。ホザキノフサモすなわち穂咲の房藻であり、開花時は花穂の形状で容易に同定が可能。 神戸大学角野研究室によればフサモとオグラノフサモの中間型も確認されているようであり、雑種の可能性も指摘されている。 霞ヶ浦周辺ではかなり水質汚染が進んだ地域でも見ることが出来たが、不思議なことに近年は見かけない。画像は湧水河川でのものであるが、湧水のみの河川部にはほとんど見られず一般河川から取水した用水路と合流した流れから増え始める。程良い富栄養が必要なのかも知れない。 |
標準和名 | フトヒルムシロ | 学名 | Potamogeton Fryeri A.Bennett | 分類 | ヒルムシロ科ヒルムシロ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
数あるヒルムシロ属のなかで特殊な位置を占める草。特殊な位置とは酸性環境でのみ自生する特殊なシステムを持つと思われる点である。山間の腐食酸性の沼など、他の水草があまり無いような場所に自生している。 酸性下に於いては浸食性遊離炭酸が多く存在する事実が知られているが、中性付近に多い従属性遊離炭酸が利用出来ない光合成システムを持っているのかも知れない。 育成は屋外、水槽とも難しく、いつの間にか枯死してしまう事が多い。草体や花穂の形状はヒルムシロと同じであり、種の違いにこだわりを持つ方は別として「やはり野に置け」と考えている。 画像は福島県五色沼の毘沙門沼であるが(動植物採集は禁止)、この沼のpHは5である。他にはフサモが少し見られたのみで、他の水草にとっては特殊な環境である。 |
標準和名 | ベニオグラコウホネ | 学名 | Nuphar oguraense Miki var. akiense Shimoda | 分類 | スイレン科コウホネ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 希少・育成種 |
オグラコウホネの変種と言われているが、そのオグラコウホネも野外ではお目にかかった事が無い珍しい種類のコウホネ。本種は沈水葉と浮葉のみ展開し抽水葉を出すことはない。 資料によれば広島県・賀茂台地のみに分布すると言われている。広島県のみに分布するコウホネとしては他にサイジョウコウホネがある。 賀茂台地という地域は未訪地であるが、ため池が多いらしく独特の地形から独特の進化を遂げたコウホネ亜種があるとも考えられる。ネジレモ(琵琶湖特産)やイサリモ(霞ヶ浦特産)のような地域変種なのか雑種起源なのかは不明。 基本的な育成方法はコウホネと同じである。 と言いつつ・・以前頂いた育成株は園芸店で購入したオゼコウホネと共に消え去ってしまった。従って画像もこの浮葉のものしかない。機会があればまた挑戦し、詳しくレポートさせて頂く。 |
標準和名 | ベニコウホネ | 学名 | Nuphar japonicum DC. f. rubrotinctum (Casp.) Kitam. | 分類 | スイレン科コウホネ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 希少・育成種 |
調べた限り謎のコウホネである。学名はコウホネの品種を示しているが幾多のコウホネ群生地でも見た記憶がなく、改良品種との説もある。橙赤色の花色以外はコウホネそのものである。 似たような名前のナガバベニコウホネ(Nuphar subintegerrimum f.rubotinctum)はヒメコウホネの変種とされており、話がややこしい。どちらもforma f.であり「個体群のうちの個体に現れる些細な変異」を持つ「品種」である。 赤系の花が少ない水生植物にあって、開花鑑賞を目的とする育成には貴重な存在である。園芸、生花にも需要があり購入による入手も容易である。水槽での水中育成はコウホネ同様に根茎が腐敗したり高温に弱かったりで困難である。 |
標準和名 | ホソバミズヒキモ | 学名 | Potamogeton octandrum Poiret | 分類 | ヒルムシロ科ヒルムシロ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
沈水葉と浮葉を出す小型のヒルムシロ科多年生草本。沈水葉のみの場合イトモ(Potamogeton berchtoldii Fieber)との判別が困難である。(画像中央に浮葉) 本種学名はPotamogeton octandrus var. octandrus.とされる場合があり、アクアリウムでは「ポタモゲトン・オクタンドラス」の名で流通することがあるが、本図鑑では標準とさせて頂くoNLINE植物図鑑に記載された学名を採用している。 アクアリウムで流通するが、普通の水草水槽で簡単に育成できるような代物ではない。イトモ以上に難しく有機肥料、光量、二酸化炭素など高次元で供給しなければ長持ちしない。二価鉄だのカリだの寝ぼけた事に管理手法が行ってしまった水槽では絶望的である。 イトモに比べて残存はあるが、これは浮葉による光合成が可能であるために、生活排水等による導電率上昇にモロに影響を受けるイトモとは生き残る確率が大きく異なるためと思われる。 |
標準和名 | ホテイアオイ | 学名 | Eichhornia.crassipes (Mart.) Solms-Laub. | 分類 | ミズアオイ科ホテイアオイ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 帰化植物 | 要注意外来生物 | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
南米原産の帰化植物であり、帰化ルートは園芸逸出である。庭池や水鉢に浮かべておけばミズアオイ科らしい美しい花を咲かせることで多くの人々に用いられ、その繁殖ぶりに手を焼いて放棄されたものが各地に広がった。 南米熱帯、亜熱帯原産ということで越冬できないと思われがちであるが、成長を止め矮小化することで立派に越冬し、翌年さらに大きな群落となる。 各地で大きな問題となっている一方、手賀沼では水質浄化目的で使用されており水質悪化という毒を帰化植物という毒で抑えるという図式となっている。その繁殖ぶりを思えば野外でこのような使い方をするには危険が大きな植物であると思う。 この植物の恐ろしさは繁茂ぶり以上に他種植物に作用するアレロパシーを出すことで、生物多様性の観点からも育成すべき植物ではないと思う。 |
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