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標準和名 | カキツバタ | 学名 | Iris laevigata Fisch. | 分類 | アヤメ科アヤメ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 絶滅危惧II類(VU) | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
園芸種(改良品種)としては良く流通しているが自生はRDBに記載されるほど少なくなってしまった水生アヤメ。近似種のハナショウブ、ノハナショウブとの相違が微小な上、改良が進み、湿地にあるものでも本種なのか園芸逸出なのか見分けが難しい。画像は霞ヶ浦近郊の湿地でタコノアシやクサレダマなどの湿地植物があり自然度が高い場所、かつ花や葉脈の特徴から本種と判断したが正直まったく自信がない。 水辺園芸では睡蓮と並んで市民権を得ている植物であり、花は文句なく美しいが、野池や湖沼にあっても種の特定が難しくなってしまった事情も睡蓮と同じである。 園芸店で本種(と思われる)を「アヤメ(青)」、キショウブ(要注意外来生物)を「アヤメ(黄)」として販売しているのを見たことがあるが、消費者の圧倒的多数は言われたまま書かれたまま信用するわけで、そろそろこの辺のその場しのぎの名付は止めて貰いたいものだ。 根茎の形状から地下茎や株分けで増殖すると思っていたが意外に難しく、実生によって子株を得る方がはるかに確実で好成績を収めた。開花は肥料次第なので園芸植物として育成技術の確立されている肥料・施肥方法を用いたい。 |
標準和名 | ガマ | 学名 | Typha latifolia Linn. | 分類 | ガマ科ガマ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
水辺に一般的な水生植物。日本には本種とコガマ、ヒメガマ3種類のガマが自生する。園芸で流通する「ゴクヒメガマ」は改良品種であると思われる。 特に解説も無いので地元筑波の「ガマの油売り」の挿話を。花粉が傷薬・火傷薬となり、漢方薬では「蒲黄」(ほおう)と呼ばれているが、「ガマの油」とはこの花粉を軟膏にしたもので、良く言われる「蟇蛙が自分の姿に恐れをなし、油をタラリ..」ではない。さらに筑波山付近で蟇蛙(ヒキガエル)が特に多いという事実もない。こんな事を知っていても何にもならんのだが。 薬効に付いては遥か古代から知られていたようで、古事記にある「因幡の白兎」では、シロウサギがだましたワニ(鮫の古語)に皮を剥ぎ取られた際に治療に用いられたのが本種である。 情けないことに悪乗りで「ガマの膏売り口上全国大会」なんてのもあって本職が全国から筑波山に集結するらしいが(見た事はない)そもそも今時こんなのが職業として成立するものかどうか怪しいものである。 ガマの穂は熟すとタンポポの綿毛のように種子を風に乗せて飛ばすらしく、水田が休耕になると早くも翌年にはこの植物が生えてくる。 |
標準和名 | カワヂシャ | 学名 | Veronica undulata Wall. | 分類 | ゴマノハグサ科クワガタソウ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 準絶滅危惧(NT) | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
河川際などに抽水、沈水で自生している。水温が低い渓流などでは沈水する。和名の由来はカワ(川)ヂシャ(レタス)で、新芽が食用となるようである。実際に食してみたが、青臭さは強くないもののそれほど美味ではない。 見かけは何の変哲も無い雑草だが自生地から急速に姿を消している。また自生地だと思っていたのが実はオオカワヂシャだった、ということも。 地元市内で唯一確認している自生地は排水路で、汚れた家庭排水が流れ込む水路にかろうじて残っている。安全性の観点か箱物行政か知らないが、こうした水路は次々に暗渠化されており風前の灯となっている。「水と緑の」という形容詞を行政自ら標榜している街だが、水と緑の「質」は気にされていないようである。 |
標準和名 | カンガレイ | 学名 | Schoenoplectus mucronatus (L.) Palla subsp. robustus | 分類 | カヤツリグサ科ホタルイ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
湿地や用水路に一般的な植物。寒枯藺と書く優雅な和名を持つ。由来は冬の立ち枯れの姿を現したものだそうである。茎の断面が三角形で特徴的であるが、類似種サンカクイも同様の特徴を持っており開花しないと同定が難しい。草姿としては叢生するという特徴を持つ。 ビオトープでも迫力ある株になるが、水槽でもテープ状の水中葉を展開する水草になる。意外と身近にある植物なので探してみて欲しい。以前ハタベカンガレイという同属の水中葉を頂いたが同じカヤツリグサ科だけあってアクアリウム植物のシペルスを思わせる涼しげな水草であった。 *2007年7月14日までカンガレイとして掲載していた画像は精査の結果サンカクイと判明しました。同日画像は入れ替えましたが誤認につきお詫び申し上げます。 |
標準和名 | キショウブ | 学名 | Iris pseudacorus Linn. | 分類 | アヤメ科アヤメ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 帰化植物 | 要注意外来生物 | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
霞ヶ浦付近では普通種の菖蒲。日本的な雰囲気を持つ湿地植物であるが、意外なことにヨーロッパ・西アジア原産の帰化種である。おまけに外来生物法の要注意外来生物にリストアップされている。 画像のように大輪の黄花を開花させ、観賞価値が高い。もともと観賞用として持ち込まれたものが逸出したようである。それどころか水辺に出来る「親水公園」では植栽もされている。 屋外水鉢で育成すると、睡蓮鉢にフィットする雰囲気のある仕立てが出来るがこれだけ日本的なイメージの植物が帰化種であるとは何とも皮肉。余談ながら同じ意味で日本の春には欠かせない梅も沈丁花も元をただせば帰化植物である。 |
標準和名 | クサレダマ | 学名 | Lysimachia vulgaris L. var. davurica (Ledeb.) R. Kunth | 分類 | サクラソウ科オカトラノオ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
非常に印象的な名称の草本であるが「腐れ玉」ではなく「草連玉」である。マメ科の木本、レダマ(連玉)に似た黄色い花を咲かせることから名付けられたようだ。 夏の花期には先端の花穂にサクラソウ科らしい美しい形の黄花を多数付ける観賞価値の高い植物である。 物の本では自生地を山地の湿地としているが、平地の湿地にも見ることが出来、山地のまったく無い関東平野の真っ只中の地元市内でも見る事が出来る。ただし抽水しない湿った土地を好むようで、湖岸湿地や河川の後背湿地が開発により失われてしまった現在では平野部ではかなり希少になっているはずである。私も2箇所の自生地しか知らない。 個人での育成はガマやマコモ同様草体が大きくなり過ぎるので環境を用意するのが難しい。同属のヌマトラノオとは比較にならない草体の大きさなので育成するには覚悟も必要。盛夏には抽水植物の葉茎からも水分が盛んに蒸散するので、小型の睡蓮鉢などで育成する場合は水位の低下に注意が必要。リシマキアであるが沈水では育成できない。 |
標準和名 | ゲンゲ | 学名 | Astragalus sinicus Linn. | 分類 | マメ科ゲンゲ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
湿地植物というには無理があるが、この植物の利用方法とその後の繁殖状態が水田周りに集中しており、春の湿地に欠かせない風景となっているため採用した。またの名をレンゲ、レンゲソウ。 もともと中国原産の帰化植物であるが、江戸期以前に移入されていたらしく、外来生物法でも検討対象に入っていない。文化的にも根付いている植物で「やはり野におけ〜」と俳句にもなっている。季語が「れんげそう」である。 利用方法は水が入る前の水田に植え付け、空中窒素固定を行う根粒菌を共生させる性質を利用した緑肥としての用い方であり、畦道や後背湿地などに分布を広げる姿をよく見かける。完全な乾燥地帯にも進出しているようであり、性格的にはワスレナグサに近いものがあるかも知れない。 また養蜂でも重要な植物であり、ミツバチによって集められた蜂蜜は「れんげハチミツ」としてメジャーな蜂蜜になっている。 この花が水田一面に開花する様は春の到来を告げる風物詩となっている。 |
標準和名 | コガマ | 学名 | Typha orientaris Presl | 分類 | ガマ科ガマ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
自生形態、草姿などほぼガマと同じである。相違は花穂の長さが短いこと、開花時に花穂(ガマの穂)の上に雄花の集合花がついていること。 水田地帯でやや普通に見られ、用水路際や休耕田に自生している。当地では休耕田の代名詞になる程普遍的に見ることができる。ガマより草丈も小さいので睡蓮鉢にも用いることも可能であるが、根張りも良いので出来るだけ大きな睡蓮鉢に多くの用土を入れて育成するようにする。 ガマ類は切花としても用いられるが、個人的な好みとしては、他の花に合わせるにはスマートなヒメガマの方が良いように思われる。 不思議なのは水田が休耕になるとガマとともに初年度から入り込むことで、発芽のセンサーが稲作の有無と連動しているかのような印象を受ける。種子自体は風に乗って広がるのでどの水田もたんまり埋土種子として持っていそうだが。 |
標準和名 | コシロネ | 学名 | Lycopus ramosissimus Makino var.japonicus (Matum.et Kudo) Kitam. | 分類 | シソ科シロネ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
水田や湿地に自生するシロネの仲間。茎が四角柱、直立し分岐が少ない。遠目にはハッカのような印象を受けるが鋸歯が粗くハッカ臭もない。サルダヒコ・イヌシロネという犬猿揃った、神話時代風の奥ゆかしい別名を持つ。 水田で見つけたが、本籍は湿地らしい。花はシロネ、ハッカ系の葉脇に密集するタイプで小形白色の唇形花をつける。発見当初はシソ科であることは分かったが葉形からシロネの仲間とは思えなかったが、調べてみたところ地域によって葉形が大きく異なる場合があるとの事で納得。 抽水でよく育ち、清楚な雰囲気の草体と花を見せてくれる。花はお世辞にも綺麗とは言えないが草体自体がユニークで魅力的。あまり大きくもならないので睡蓮鉢やビオトープにお薦め。 |
標準和名 | コブナグサ | 学名 | Arthraxon hispidus (Thunb.) Makino | 分類 | イネ科コブナグサ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
独特のウェーブのある葉の形状を小鮒に見立てて命名されたイネ科植物。湿り気のある場所に群生する、畦際や湿地には一般的な植物。尚、国内ではコブナグサ属の唯一の種である。 八丈島では刈安(カリヤス)と呼び黄八丈の染料に使うらしい。「カリヤス」はイネ科ススキ属にも同名植物があり、一般的な名称ではなく八丈島以外では使わないようである。 ちなみに八丈島では原材料として採集し過ぎたため減少が甚だしく、移入や保全なども行われているらしい。 花はまばらなススキのような印象で観賞価値はないが、湿地の雰囲気を味わうには悪くない。水槽水中でも成長するが完全な沈水葉は形成しないと思われる。 |
標準和名 | コモウセンゴケ | 学名 | Drosera spathulata Labill. | 分類 | モウセンゴケ科モウセンゴケ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
モウセンゴケよりもロゼットの直径は小さく3cm程度で、たしかに「小」モウセンゴケであるが、葉は太くしっかりした印象を受ける。モウセンゴケのように葉が立ち上がらず密な印象を受ける。この見かけが山野草愛好家に受けるようで園芸流通する場合も多い。 「常緑」多年草で冬に枯れることはないが、葉色は季節によって微妙に変化する。夏には緑色が強くなるが、概ねの時期は画像の通り赤が強い。 小さな草体から日陰を好むかと思ったが意外とそうでもなく、開けた、酸性の湿地を好むようで酸化鉄が地表に現れるような湿地にも存在する。育て方はモウセンゴケに準じる。潅水を絶やさない、という条件付きであれば水蘚用土で鉢植え管理も可能。モウセンゴケの白花に対し本種は紅花である。 |
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