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標準和名 | サギソウ | 学名 | Habenaria radiata (Thunb.) Spreng. | 分類 | ラン科ミズトンボ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 絶滅危惧II類(VU) | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 希少・育成種 |
湿地性のランである。鷺草の名前が示す通り鷺に似た美しい白花を盛夏に咲かせる。自生は保護された湿地以外にまず見ることは出来ないが、育成が容易で美しいと条件が揃っていればある意味仕方が無い。 RDBに入っているがそれは「自生」に限っての事で、園芸では流通量が多いランである。増殖も容易なことから価格もこなれているので育成したければ購入すれば良い。野生採集株も育成増殖株も違いはない。 園芸に於ける育成方法は水苔を用土とした多潅水で、育成本には大抵「水をやり過ぎる、ということはない」と書かれている。完全に水没させてはいけないが、腰水になるように工夫すれば睡蓮鉢でも十分に育てることが出来る。 |
標準和名 | サクラタデ | 学名 | Persicaria conspicua (Nakai) Nakaiex Ohki | 分類 | タデ科イヌタデ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
イヌタデ属最大の花をつける美しいタデ。あえて湿地植物としたが水田地帯にも多く自生し、畦や水路沿いでよく見かける。開花しないとシロバナサクラタデとの違いが良く分からない。 タデにしては花が大きく色も形も良いことから山野草としても出回ることがあるが、鉢植でも水切れしなければ育成できる。陸地にもある程度対応した植物であると思われる。一方、水草水槽でも水中生活が可能な湿地植物らしさも併せ持つ。 シロバナサクラタデとしばしば混生しているが、中間的な交雑種は見たことがない。サクラタデの白花もあるそうだが、「シロバナハナサクラタデ」という和名が付けられているらしい(未確認)。こうなると開花してもシロバナサクラタデとの相違は花の大きさしか無いことになり、ますます分からない。果たして「種」とは何か、という類の問題である。 |
標準和名 | サデクサ | 学名 | Persicaria maackiana (Regel) Nakai | 分類 | タデ科イヌタデ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
湿地に希産するタデ科植物。鋭い逆棘と耳のある葉を持つ特徴的な草姿を持つ。同じ特徴を持つホソバノウナギツカミに比べると逆棘が立派なこと、葉の耳の張り出しがやや大きな事、そして何より特徴的な托葉鞘で区別が出来る。 希産と書いたが、これだけ湿地を見ている私でも自生は2ヶ所しか知らず、その2ヶ所も湿地の限定された範囲にしかない事を考えれば言い過ぎでは無いと思う。事実都道府県版RDBでは記載されている場合が多い。同じ自生環境のミゾソバやイヌタデが大きな群落を形成して繁茂するのとは対照的に何か自生に必要な条件に厳しいものがあるのかも知れない。 非常に奇妙な和名を持つ植物であるが、由来は「サデ」が「なでさする」意の古語であることに拠る、という説がある。なでさすれば無事に済まない逆棘があるので俄かには信じがたいが。 水草水槽でも長期間育成可能で、水中では小型の異形葉を展開するが明らかな沈水葉とは断言できない。 |
標準和名 | サワギキョウ | 学名 | Lobelia sessilifolia Lamb. | 分類 | キキョウ科ミゾカクシ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
湿地に産するロベリア。夏に本家キキョウに勝るとも劣らない美しい花を見せる。沢桔梗であるが「沢」の地形よりも日当たりの良い湿地に自生する。園芸植物としても売買されているが、サワギキョウとして販売されているものの中には結構な確率で北米産のベニバナサワギキョウが混じっているので注意が必要。 自然下では日当たりや栄養分等の条件により1mを越える大型の草体となるが、草体のわりに根張りが弱いのか、風によって倒れやすい。多年草で根茎が越年する。 環境省RDBには記載されていないが、都道府県版RDBには記載される場合が多く、事実湿地で見かけることも稀な植物となっている。山野草範疇でありこの種については採集圧も減少の大きな要因になっているように感じる。 育成時は抽水、根元を水没させるよりも鉢植にして鉢の半分程度を水没、つまり常に湿った土にした方が生長が良い。 |
標準和名 | サワヒヨドリ | 学名 | Eupatorium lindleyanum DC. var. lindleyanum | 分類 | キク科ヒヨドリバナ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
開けた湿地でまれに見られるキク科の多年草。やや大型になり条件により80cm程度まで育つ。初秋に開花するが、キク科だけあり印象的な花である。 ヒヨドリバナ属は変異が多いことで知られており、特に葉の形状に強く表現される。この理由は2倍体のサワヒヨドリが3倍体のヨツバヒヨドリなど無性生殖性の近似種と交雑し、子孫がさらに2倍体のサワヒヨドリと交雑を繰り返して中間的特徴を持つ草が出現したりするためで、この画像対生の葉を持つ草体も便宜上サワヒヨドリとして分類した。当然の事ながら塩基配列を調査して同定したわけではない。 尚、文献によりキク科フジバカマ属と表記されるものもあるが、拠り所としているoNLINE植物アルバムではフジバカマ自体もヒヨドリバナ属に分類しているほどであり、こちらの分類に準拠した。 |
標準和名 | サンカクイ | 学名 | Scirpus triqueter L. | 分類 | カヤツリグサ科ホタルイ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
同じ環境に自生し、これまた同じ特徴的な三角形の茎断面を持つカンガレイと誤認しやすい植物。正直言えばこの図鑑に長年カンガレイとして掲載していた写真は花に柄があるのでサンカクイである。(入れ替え済み) 広範な分布を持つカンガレイに対して、ほとんどの湿地で見ることが出来ず、わりと希少種という頭があり誤認した。ここにお詫びさせて頂く。 同定は上記の通り、三角形の茎断面(カンガレイと共通)、花に柄がある(カンガレイは無い)、花期以外は叢生し株を作るのがカンガレイ、主軸と数枚の薄い葉のみがサンカクイである。 睡蓮鉢に3〜4本抽水させ、周りにヒルムシロなどを植栽すると自然度の高い沼、という雰囲気を醸し出して好ましい。多少大型化するが水面に広がることも無いので殖えすぎた株を間引くことで容易に維持できる。自己主張の強いカヤツリグサ科の植物のなかではお薦めの草である。 |
標準和名 | ジュズダマ | 学名 | Coix lacryma-jobi Linn. | 分類 | イネ科ジュズダマ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 帰化植物 | 現状指定なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
ジュズダマ=数珠珠(玉)という和風の名称を持つ植物であるが熱帯アジア原産の帰化種である。実が固く、数珠を作ったことでこの名が付いたと言われている。帰化時期ははっきりしないようであるが、外来生物法で検討されていないことから江戸期以前に帰化したものと考えられる。和風の名前、草姿を持ちながら実は帰化種、という植物は結構あって、本種やキショウブなどは代表例。 用水路の縁や畦道に小型の玉蜀黍(トウモロコシ)のような佇まいで自生しているが、東京都国立市で流水中に抽水で自生している姿を目撃したことがある。 野草茶などに用いられるハトムギは実は本種であり、栽培種と自生種で名称が変わる植物の一例。もちろん麦ではない。このような例は他にホンタデ(栽培種)とヤナギタデ(自生種)などがある。 |
標準和名 | シロネ | 学名 | Lycopus lucidus Turcz. | 分類 | シソ科シロネ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
地域や環境によって変異の多い属であるが、コシロネやヒメシロネを圧倒する草体の大きさで同定可能な種。繊細な種が多いシソ科の野草にあって大きな葉、粗い鋸歯など存在感もある。引き抜いて見れば和名の通り根が白い。 花は地味で育成する面白さも無いが、タコノアシやハンゲショウとともに「いかにも湿地の雑草」とした雰囲気が好ましい。ただしこのような大型の湿地植物は水揚げが良く、小さな睡蓮鉢では水位の低下も招くので注意したい。 水田や休耕田にも侵入する種、とのことであるが私は水田・休耕田では見たことがない。周辺の水田地帯ではコシロネが多く、シロネ、ヒメシロネはやや稀。分布に濃淡があるのかも知れない。画像は湿地でミツガシワと混生している姿。 |
標準和名 | シロバナサクラタデ | 学名 | Persicaria japonica (Meisn.) H. Gross | 分類 | タデ科イヌタデ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
サクラタデよりやや小型の白花をつけるタデ。湿地や休耕田で大きな群落を作る姿をよく見かける。一斉に開花する様は見事。 この種も湿地依存度が低く、自宅周辺では水田を残土で埋め立てた駐車場に生えている。ただし水辺から離れた荒地や山林には自生しないので地下水位などの条件がある可能性はある。 この種も「湿地植物」としては妙な挙動があり、睡蓮鉢で抽水で育てている株よりもこぼれ種で庭から生えてきた株の方が生育状態が良いという逆転現象を見ている。 これはこの種の根が明らかに嫌気状態の水底土中よりも陸上を好んでいる証左ではないか、と思う。ただしこうした場所(陸上、庭)の株でも切り取って水槽に挿しておくと沈水葉になる。水に適応した能力を保持しつつ陸上に向かって進化途中と考えれば納得できる話ではあるが、あくまで私論。 |
標準和名 | セキショウ | 学名 | Acorus gramineus Sol. ex Aiton | 分類 | サトイモ科ショウブ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
同じサトイモ科ショウブ属のショウブに似るが、草体はやや小柄で花穂が細長い。ショウブのような際立った芳香はない。水辺に自生する常緑の多年草。沈水植物のセキショウモ(トチカガミ科)はテープ状の葉身が本種に似ることによる。事実水中からも生える本種と誤認しやすい。 本来湿地性の植物であるが、対乾性、対陰性が強く水切れに注意すれば庭植でも育成出来る点はミソハギやイヌゴマに性質が近い。ある程度の規模の池の岸に自然らしさを演出する、睡蓮鉢を半分程度埋めて周囲に植栽する、など多様な用い方が出来る。 上記セキショウモはトチカガミ科、水田で見られるコウガイゼキショウはイグサ科、小さなピンクの花を付ける雑草ニワゼキショウはアヤメ科の、まったく異なる植物。 地下茎は漢方で石菖根と呼び乾燥させて薬にする。物忘れに効くという「頭の良くなる薬」である。 |
標準和名 | セリ | 学名 | Oenanthe javanica DC. | 分類 | セリ科セリ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
湿地や水田に一般的な植物。春の七草としても有名。食用になるが類似種にドクゼリという有毒植物があるので注意が必要。 秋に白い地味な花を開花させるが観賞価値があるとは言い難く、ミニビオトープで寄せ植えなどの目的で楽しむ植物として使える。多少湿り気のある場所であればどこでも見つかるので入手は容易。 セリ科にはヤブニンジン、シャク、ホタルサイコなど独特の花を咲かせる種類があり、地味ながら味わい深い植物が多い。特にホタルサイコ(蛍柴胡)は一種の気品があり好きな植物である。 セリは生態系でも重要な役割を果たしており何種類かの昆虫の食草にもなっている。余談であるが以前開けた湿地の真ん中でキアゲハの大きな芋虫が付いていたのを見たことがある。「こんな場所でよく鳥に狙われないな」と思ったが少し離れて見ると見事にセリの葉に模様が埋没して迷彩となっていた。食草に合わせる幼虫の模様も進化の賜物かと感じ入った。 |
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