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標準和名 | サギゴケ | 学名 | Mazus miquelii Makino f. albiflorus (Makino) Makino | 分類 | ゴマノハグサ科サギゴケ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
本図鑑でも解説済みのムラサキサギコケ(Mazus miquelii Makino)と種小名までが同じであり、花、葉の構造、草体のイメージ、挙動(走出枝)も同じ、異なるのは花色で本種はサギ色(白)。 種小名までは同じ、と書いたがこの学名を信じるとすればf.forma、すなわちムラサキサギゴケの「品種」である。分布も圧倒的にムラサキサギゴケが多く、花色変異の「品種」である可能性は否定できない。(この点に関しては稿をあらため考察したい) ここまで遺伝的に近い植物であれば容易に交雑、中間的な花色のものが見られると思うが、ムラサキサギゴケ自体花色に幅があり、何とも言えない部分もある。さらに筆者の内容に乏しい実験でも交雑は発生していない。この事実に示唆されるものもあるが上記疑問同様稿をあらためることにする。 基本的には畦や湿地の植物であるが、非常に頑健な植物で、抽水ではなくても庭の日陰などでも十分育成可能である。野草にしては大型の美しい形の花を多数付ける。白花の本種に関しては一部園芸流通も行われている模様。 |
標準和名 | サワトウガラシ | 学名 | Deinostema violaceum (Maxim.) Yamazaki | 分類 | ゴマノハグサ科サワトウガラシ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
「沢」トウガラシであるが水田に多く見られる小型のゴマノハグサ科一年草である。披針形で長さ1cmほどの葉が対生する。花はゴマノハグサ科に共通の小さなものであるが薄紫の綺麗な形で観賞価値はあると思う。 草体が面白く、水草として育成したいが難易度は高く、特に光量の確保が必須である。草丈が10cm前後であり蛍光灯では絶望的。それなりの設備を持たないと水草として育成するのは難しい。 近辺では非常に珍しく、特定の水田で僅かに見られるだけ。ここにはホシクサの大群やヒロハイヌノヒゲ、ミズネコノオなども見られる。 この草はミズネコノオ、ミズマツバとともに長年水田で捜し求めた草であるが、除草剤の使用量減少とともに何箇所かの水田で確認できた。埋土種子からの発芽と思われるが同一水田で毎年新顔が出現しており、シードバンク理論通りの現象が起きている。 西日本の山間部のため池などでは湖底に生えて沈水生活をしているようであるが、関東近辺ではそのような自生は未見である。 |
標準和名 | サンショウモ | 学名 | Salvinia natans Linn. | 分類 | サンショウモ科サンショウモ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 絶滅危惧II類(VU) | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
サンショウモすなわち山椒藻であり、灌木の山椒と葉の付き方(サンショウモは葉状体であるが)が似ている事に由来する。もちろん全く別の植物でありサンショウモは食用とはならない。 以前は水田に一般的な浮草であったらしいが最近では見かける事が稀となった。霞ヶ浦周辺のため池などで自生を確認していたが、水田では常陸太田市の山間湿田で見たのが唯一である。 霞ヶ浦周辺では発生がやや遅く、7月中には自生地でも見ることが出来ない。8月中旬過ぎから増殖し水面を埋め尽くす。繁殖力は他の浮草同様凄まじいものがあり、本種の絶滅危惧種入りは乾田化を含む「生息環境の喪失」が原因であることは否めない。 尚、増殖の「株分け」は人為的に株分けしなくても成長の段階で脇芽が独立して分割されるので放置で構わない。 |
標準和名 | シマミソハギ | 学名 | Ammannia baccifera Linn. | 分類 | ミソハギ科ヒメミソハギ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 帰化植物 | 現状指定なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
別名ナガトミソハギと呼ばれる熱帯アジア原産の一年草。画像は2007年8月に茨城県常陸太田市の水田で見かけたものであるが、一見してアマニアであるにも関わらずヒメミソハギでもホソバヒメミソハギでも無く、以下一般的に言われる本種の特徴と合致している部分があるため本種と同定した。 ・根は直根で多数の側根を持つ ・葉は対生、先端が尖り全縁、基部は細く無柄 ・茎は四角柱で無毛 従来シマミソハギは別名(長門)の通り西日本に帰化しており関東地方には侵入していないとされている点、アマニアは変異が多く開花前の草姿のみでは断定できない点に鑑み、他種、特にヒメミソハギ変種の可能性は排除しない。ただしこれを言い出すとヒメミソハギ属の同定はほぼ暗礁に乗り上げてしまうが。 尚、帰化種と思われる植物の採集・育成は基本的に行わないので育成形態については暫定、アマニアであるので水中育成の可能性もあると思うが未確認である。 |
標準和名 | シソクサ | 学名 | Limnophila aromatica (Lam.) Merrill | 分類 | ゴマノハグサ科シソクサ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
最も好きな水田雑草のひとつ。全草シソを上品にしたような香りがあり、草姿も品があり美しい。水田で目立つのは本種やミズネコノオで、両種があれば他の希少な植物がある可能性も強くマイルストーン的な存在でもある。水槽水中に入れても沈水化し、うまく育成できれば輪生した美しいリムノフィラとなる。 これまで近隣の水田では見ることが出来なかったが、低農薬・無農薬となった水田で次々と発見した。長年定点観測してきた水田なので埋土種子からの発芽と思われる。 同種または近縁種がベトナムなど東南アジアにも分布し、稲作とともに渡来した史前帰化種であると言われている。 本種は種小名アロマティカの名に恥じず食欲増進系のシソ臭があり、東南アジアでは食用とされるようである。ドリアンやナンプラーに違和感がない私としてはぜひ試してみたいと考えている。 |
標準和名 | スカシタゴボウ | 学名 | Rorippa islandica (Oeder) Borbs | 分類 | アブラナ科イヌガラシ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
イヌガラシと似ているが本種は根生葉が羽状に切れ込むことで同定できる。またタネツケバナとの差異は開花時期、花色である。ただし開花時期はタネツケバナ同様かなりアバウトで年間の大部分の時期見られる場合もある。 生活史は本来アブラナ科に見られる「越年性」であるが、場合により(発芽時期により)一年草と同じ挙動も見せることがあり、このあたりもアバウトである。 和名の由来は「透かし田牛蒡」で、根がゴボウに似ていることによる。水田や畦道に一般的な一年草。黄花が密生して咲く様は野草風で好ましいが、花を愛でるほど大きくはない。食用になるようであるが、タネツケバナ同様野草食の範疇であり、経験ではやや苦味のある葉がタネツケバナに似ておりサラダに用いる事が出来る程度と思われる。 野生ではイヌガラシとしばしば混生し、自然交雑種のヒメイヌガラシという種もある。 育てようと思う方はあまり居ないと思うが、唯一の利点はバッタの食害が少ないことで、アブラナ科特有の臭気はバッタのお好みにも合わないようである。 |
標準和名 | スズメノテッポウ | 学名 | Alopecurus aequalis Sobol var. amurensis (Komar.) Ohwi | 分類 | イネ科スズメノテッポウ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
田植前から夏にかけて水田や畦道に群生する。花穂を抜き、茎を上からくわえて吹くと音が出る。子供の頃遊んだ方も多いことと思う。 いかにもイネ科の雑草然とした草姿が好ましく、ビオトープの雰囲気を盛り上げる名脇役となる。ただし種子生産性が強く翌年大規模な間引きが必要となる点に注意。花も非常に地味であるので植物としての面白さは無い。 良く似た植物にセトガヤ(Alopecurus japonicus Steud. )があるが、スズメノテッポウの葯は茶色、セトガヤの葯は白い。 学名にvar.が付記されているように、種としては異説がある模様。代表的なのは水田にある本種を変種スズメノテッポウ(var. amurensis (Komar.) Ohwi)とし、乾地、畑地性が強いものをノハラスズメノテッポウ(var. aequalis)と分ける説である。畦道など「湿地」とは言えない場所に自生するものはたしかに草体が小さな印象を受けるが、本図鑑では確証がないので特に区別しない。 |
標準和名 | スズメノトウガラシ | 学名 | Lindernia antipoda Linn.Alston. | 分類 | ゴマノハグサ科アゼトウガラシ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 記載なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
北関東では水田で稀に見られるリンデルニア。アゼトウガラシと近縁であるが、違いはアゼトウガラシの項を参照願いたい。花はゴマノハグサ科らしい小さな花だが鋸葉の目立つ長い葉が目立つ植物である。 最近の学説では本種を2変種に分類する場合があり、ヒロハスズメノトウガラシ(var. verbenifolia)とエダウチスズメトウガラシ(var. grandiflora)がその2変種である。 花冠下唇の中央裂片の長さや葉幅の相違が認められるそうであるが情報不足で分からない。暫定的に従来の分類で記載させて頂く。 リンデルニアであるが水中生活には向いていないらしく、沈水葉は展開したことが無い。草姿が独特で綺麗なので抽水で育ててみても良い。 |
標準和名 | スズメハコベ | 学名 | Microcarpaea minima (Koenig) Merrill | 分類 | ゴマノハグサ科スズメハコベ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 環境省RDB | 絶滅危惧IB類(EN) | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
非常に希少な種であるが、なぜか近所の水田・休耕田に繁茂している植物。不思議な事に他地域の自然度の高い水田では見つからない。 これは最も近い自生地として渡良瀬遊水地が知られているが、利根川によって種子が運ばれたものではないか、と考えている。特にこの地域は明治以前は利根川が湾曲し砂州も多い場所であったことが分かっており、種子を含んだ土砂の堆積もあったことが推測されるためである。 アクアリウムプランツのインディアン・クラッスラと同種と言われるが、確証は無い。もちろんクラッスラではない。本県以外では11県に自生の記録があるが、珍種であることは間違いない。この草との出会いが水田探索に深入りするきっかけとなった。 画像は休耕田浅水中で繁茂する本種であるが、他の休耕田でも遷移とともに姿を消して行く。耕作田でも稀に見られるがここまでの繁茂はしない。 |
標準和名 | セイタカタウコギ | 学名 | Bidens frondosa Linn. | 分類 | キク科センダングサ属 |
育成形態 | 【花】 | 【外】 | 【水】 | カテゴリー | 【浮】 | 【葉】 | 【抽】 | 【湿】 | 【沈】 | 帰化植物 | 現状指定なし | 自生環境 | 水田 | 湿地 | 湖沼 |
生活型 | 一年草 | 多年草 | 越年草 | 増殖 | 実生 | 地下茎 | 株分け | 挿し芽 | 同定 |
またの名をアメリカセンダングサ、北米原産の帰化植物である。(環境省の要注意外来生物リストにはこの名で記載されている)かなり大型化し、発生数と相まって水田の強害草となっている。 まったく水気の無い荒地や道端にも自生し、晩秋に草むらを歩くと先端に2本の突起がある1cmに満たない種子が服に付着する。動物によって分布を広げるタイプの雑草なのであろう。 この種はすでに完全な防除が不可能である程蔓延ってしまっており、鑑賞、育成を含めて利用価値は皆無であるので動かす人間もいないはず。今更外来生物法の検討対象としても仕方が無いのではないだろうか。 |
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