捕獲編1 器具自作"必殺ペットボトル改"

◆貧者の漁獲器◆

魚獲りというのは燃えるもので、釣りであろうが網で掬おうが時間を忘れて夢中になってしまいます。特に長年はまり込んだフライフィッシングは手先の器用さや戦略眼、財力といった総合的な能力が要求される私好みの趣味でした。家を買ったり家族が増えたりする過程で財力や時間が失われ、釣行の機会も少なくなるとピンポイントのプレゼンテーションなどのスキルも失われ・・・まっ、手っ取り早く言うと貧乏になって行けなくなったので下手になった、ってことです(爆)。
そんなわけで魚さんと戯れるのは子供と一緒に近くの用水路に睡蓮鉢に入れるメダカや小魚を網で掬いに行く程度となってしまいました。ただ、これはこれで面白くて水田雑草の観察・採集も兼ねられるので最近お気に入りのイベントになっています。金をかけようがかけまいが面白い事は面白いもので、広い湖沼で少し大型の魚を捕まえたらもっと面白いだろう、という事で捕獲器を作ってみました。
地方によって様々な呼名があると思いますが、私の子供時代には「ビンヅケ」と呼ばれていたものです。ビンに餌を入れて水にツケる、という由来でしょうね。他に「セルビン」「ビンドウ」などの呼称もあるようです。基本的には漏斗状の入り口が付いたビン状の容器に魚の餌を入れ、魚が入ったら引き上げるという実にシンプルな道具です。大きな釣具屋で売ってないことも無いのですが「作れるものは作る」という清貧な我が家の家訓に従って自作することにしました。

◆Step1 ペットボトルの切断◆

まずペットボトルを用意します。大きければ大きい程作業がしやすいですし魚もたくさん入ります。1L以上のものが良いようです。
最初に魚が入る入り口を漏斗状に仕立てます。ペットボトルの入口(出口?)付近を切り取ってさかさまに付けるわけです。餌につられて入った魚が引き上げる時に逃げようとしますが、そこは魚の悲しさ、本能に従って壁際に沿って泳ぎます。残念ながら行き止まりで焦るうちに捕獲されてしまう、という寸法です。
切断ですが、このペットボトル、強度としなやかさを兼ね備えた逸品でカッターナイフごときでは刃が立ちません。無理やり切って行くとギザギザになって危険です。お勧めはピンバイスなどで大きめの穴をあけ、良く切れるハサミで切って行く方法です。ピンバイスは他にも使うのであると便利、無ければ錐でもニードルでもOKです。
切り離した先端部は逆向きに本体に取り付けます。ここは完全に固定してしまうと餌を入れたり魚を取り出したりする際に不自由しますので開閉式にします。私はそれぞれに穴をあけてビニールタイ(ビニール袋の入り口を縛ってあるやつ)で結びました。7〜8箇所に加工して開閉は4〜5箇所を開けるイメージで。面倒ですが1回のトラップでかなり採集できますので何回も繰り返す必要が無いのが救いです。沢山獲物が欲しければ同じものを何本か作れば良い事ですし。

◆Step2 穴あけ加工◆

実はこれで基本部分は完成です。後は穴あけ加工ですが、実は穴開けには重要な意味が3つもあります。これを忘れるとまったく使い物になりません。

【1】餌の匂い拡散
匂いで呼び寄せますので、ペットボトルの出口1個所のみの穴では餌の匂いが拡散しません。水流などの要素もありますので出来るだけ多くの穴から匂いが拡散するようにします。

【2】持ち上げ時の負荷
魚が入り回収する際に水が満杯では重くなります。周りの水の抵抗もあるので穴をたくさん開けておけば引き上げの際にスムーズです。

【3】糸取り付け用
トラップ中は流れたり湖底の傾斜で転がってしまわないようにタコ糸やテグスで繋いでおきます。この糸を取り付ける穴が必要です。位置は入口寄りです。ペットボトルのボトム寄りにすると引き上げる際に入口から水が出て行き、せっかく入った魚が一緒に出て行ってしまいます。
以上でハードウェアは完成です。簡単です。

◆Step3 秘伝の餌◆

次にトラップの中核、餌についてです。基本的には魚の気を引くものであれば何でも良いのですが、生餌(サシ、イトメなど)では広範な範囲の魚を呼び寄せることが出来ません。香りがある練り餌を使います。
練り餌で香りと言えば集魚効果抜群の定番「サナギ粉」。サナギを粉にしたものですが妙に香りが良いですね。人間でも引き寄せられる、食欲系とアロマ系の中間のような絶妙の香りです。香りにつられて口にしない方が良いと思います・・・本当に口にしない方が良いですよ(爆)
これは基本的に粉ですので香りも拡散しますが粉も拡散して効果が薄れてしまいます。他の練り餌と混ぜ合わせてダンゴにすると使いやすいですね。私はマッシュポテトを愛用しています。
混合の仕方ですが、非常に適当(笑)。概ねサナギ粉20〜30%、残りマッシュポテトという感じです。混ぜ合わせ用には食品の発泡トレーを持参すると便利です。ここに水(現場の水でOK)を適量。ここが秘伝ですが全体を混ぜ合わせた時の柔らかさが、
子供の耳たぶ
これです。私は子供と一緒に行きますのでOKですが、小さなお子さんが居ない方、その辺の子供に「ちょっと耳をつまませて」と言ってはいけません。通報されてしまいます(汗)。
準備OK!ですが・・・暖かくなったら実践編をレポートします。

◆採集圧◆
水辺伝言板の方でひろ32さんより非公開コメントで、自然に圧力を与えない範囲で採集を行う旨の記述を入れて欲しい、とご希望を頂きました。もちろん私も思うところは同じですので大賛成です。
私見外来生物法にも書きましたが、自然に存在するもので「余っている」ものはありません。沢山居るから良いだろう、とみんなが考えればどうなるのか、ありふれた野鳥であったトキやコウノトリの運命が結末を暗示しています。

自然環境の破壊は環境悪化や敵対的帰化種などの他に「採集圧」というものがあり、獲りすぎれば種の消滅につながってしまう場合もあります。悲しい事に現金的価値があるもの、野生蘭やカンアオイなどは採集圧によって野山では滅多に見られなくなりました。
もちろんこの稿で対象としているのはありふれた小魚ですが、自分が飼いきれる分だけを自然からお借りする、という気持ちが前提です。大上段に自然保護と謳う以前に希少であろうと無かろうと「命」であることに変わりはありません。
貴重なご意見をありがとうございました。Webサイトの記事は誰が見ているのか見ていないのか分かりませんが、こうして真面目なご意見を頂くのはサイト運営者として非常に嬉しいことです。

 
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