利助おじさんの探検絵日記

【その14】里山子ども探偵団2


◆春の里山◆


今回はNPOのイベント等ではなく、家族で隣町の里山に行ってきました。お握りを持ってハイキングがてらですが、家族の希望が一致した珍しい外出でした。

<奥さん>花粉が軽くなった、水仙や他の花を観賞
<子ども>野山で遊びたい。
<私>野生スミレ、水生植物の芽吹きを見たい

というわけで家族それぞれの思いがあるわけで同床異夢ってやつですか(笑)。まぁ他人が見れば仲の良い家族も実態はそんなもんでしょう。
場所は隣町の公園に決りました。ここは規模の大きな沼を中心に周辺の雑木林がそのまま公園化されたところで、水仙やチューリップなどもありますが人工の植栽は最低限、自然が残ったとても良いところです。
公園の駐車場は10台程度の小さなものですが何故かいつも4〜5台しか駐車しておらず、楽勝で車が置けます。近所の方の憩いの場としての性格で、遠出して来る人が少ないせいかも知れません。穴場ってやつですかね。
公園で人気のあるところは森林公園と言いつつアスレチックやレストハウス等人工物てんこ盛り、遊歩道は整備されて管理棟まであったりします。ゴミも落ちていない「綺麗に味わえる自然」。こういうところで満足できる方が多いということなのでしょう。
ただ、こうなってしまった所は残念ながら私にとっては見るべきものが少ない場所になっています。ヘビやスズメバチが出たりヤブ蚊の大群に囲まれたりしても、昆虫や水草と戯れたいですからね。


◆雑木林の花々◆


4月の明るい雑木林には実に様々な花が咲き乱れています。ブログにもアップしましたが自生スミレ、レンギョウ、ボケ、ヘビイチゴなどなど。様々すぎて名前が分からないのも(汗)。
スミレについては本当に好きで以前は採集株を育成したりしていましたが、何故か自宅庭の環境では1年で駄目になってしまい、現在は見る楽しみ、写真の楽しみが中心です。雑木林の環境を再現するために木の根元に植えて大量に腐葉土を入れたりしましたが結局は絶えてしまいます。それ以外の要因があるのでしょう、無理して消費することもない、と。歳と共に「所有する」という欲望が薄くなってきたような気もします。
場所によっては地表が紫に染まる所もあって、なかなか心が和みました。白く染まっているのはシロバナタチツボスミレ、少し赤みががった紫はムラサキケマン、所々赤い草ボケ、華やかな黄色はレンギョウ、レンギョウが落花したかと思ったのはヘビイチゴ、まさに色とりどりの季節です。この時期はヤブ蚊やスズメバチなども居ないので沼から渡ってくるさわやかな風を林のなかで味わえる至福の季節です。本当に家に居るのはもったいないですね。
夏はヘビ含め危険な奴も出てきますが、カブトムシやクワガタ、秋はキノコやアケビ、冬はイラガやノウサギの足跡など何時でも楽しいわけで、結局雑木林が好きなんですね(笑)。いまや経済林としての価値は無く、下草刈などのメンテナンスをしない雑木林は花々も昆虫も去って行くようで、まさに「人の手による適度な撹乱」「二次的自然」が体感できる場所でもあります。


◆水生植物◆


ということで終わってしまうとまたも番外編になってしまうので、中心部にある湿地、沼の方に行ってみました。湿地が無くなっていました。今年はどういう訳か水量が豊富で湿地だったところもすべて「沼の底」でした。余談ですが「千と千尋の神隠し」に出てくる駅名は素敵。「沼の底」なんてイマジネーションが広がるじゃないですか。私が製作スタッフだったらあの沼にエビモとかコウホネの絵を入れていた事でしょう。本当に余談です。
さて、そういう事情で楽しみにしていたヌマトラノオ、ミソハギ、ボントクタデ、ヒメハッカなどの湿地性植物の芽吹きを見ることが出来ませんでした。なにしろ画像で枯れ葦が見えているあたりまで長靴で行けたのが、ウェイダーが必要な深さ(もっとか?)になっていましたので。すべて「沼の底」でした。
我が家の水鉢でも同じ種類を育成していますが、すべて鉢植えにして腰水状態です。発芽は水上からになりますが、こんなに深く沈んで大丈夫なのでしょうか。他にもコケオトギリやアキノウナギツカミなど湿地植物が豊富にあるところなので少し心配です。
ちなみにこの沼は一度完全に干上がり、20種類と言われた沈水植物はすべて現在では見られなくなりました。雑木林の面積減少と保水力のバランスが微妙に水位の増減とリンクしているのかも知れません。分譲地の造成は間近に迫っていますが公園になったおかげでこの環境は残ると思います。でも微妙な部分の復元力が失われてしまったのかも知れません。都市近郊に残る里山の現在の姿。
えっ?どこが「子ども探偵団」なのか?子どもは遊んでいました。どこに行ってもそれなりに楽しめるもんです、子どもは。今回はオタマジャクシとかカナヘビと戯れていましたね(笑)。

(*)オリジナル版には「春の花アルバム」を掲載しましたが、ファイル数、容量削減のため割愛いたしました。順次別な形でお目にかけようと思います。





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