利助おじさんの探検絵日記

【その20】<番外編>天南星青い鳥物語


◆天南星◆


天南星とは山野草愛好家に人気のサトイモ科テンナンショウ属の植物の総称です。花の形が仏炎苞で面白く、種によって様々な色あいと相まって不思議な、時には不気味な雰囲気を醸し出します。
山野に生育する種の多くは直射日光が苦手で、針葉樹と広葉樹が混じる山林中にひっそり自生しています。やや薄暗い林でこの花を見ると不気味な雰囲気を感じます。同じサトイモ科で似た形の仏炎苞を持つオランダカイウが様々に改良され庭植植物として愛されているのとは対照的です。
このグループにはウラシマソウ、マムシグサ、ムサシアブミ、テンナンショウなど多くの種類があります。コレクター市場もあり、そこそこの価格で取引されていますが、普通の(笑)ガーデニング愛好家から見れば美しい花とは呼べないが山野草としてこれまた人気の高いカンアオイと通じるものがありますね。尤も単なる雑草を花も咲かせずに水槽に入れて楽しいと感じる水草愛好家も似たようなものですが。

これまで全く興味がありませんでしたが、マムシグサの群生を見る機会がありその後何種類か発見するに及んで嵌りつつあります。表現が適当かどうか微妙ですが「水草を植物として愛するスタイル」のsonsiさんやしんぺーさんがご興味がおありのようなので私も僭越ながら通じるものがあるのかも知れません。Roots用語では「変草マニア」って奴ですかね(汗)。


◆マムシグサとの出会い◆


5月の連休に女房の実家に帰省した際に裏山で発見しました。裏山はまさに「山」なのですが、例によって交通量がほとんど見込めない道路工事によって崩されつつあります。半ば崩したところで弥生期の遺跡が発見されたらしく、工事は2〜3年中断したまま。何やってんだか。
そんな「破壊の爪痕」のなかにも島のように残された山林があり、そこに群生していました。早晩滅びる運命であり、子株を何株か掘って連れて帰りましたが「こんな貴重な植物があるところで」という思いで一人で憤慨しておりました。ところがその後高萩や十王(茨城県北部)の自然公園に遊びに行くと至るところで見られました。茨城県北部では普通の植物のようですね。女房も子供の頃は通学路にあった、と言っていましたので。県南平野部では全く見られないので自生地がミヤマクワガタタイプなのかな?
水辺伝言板で会話があった際に自分でも調べましたが、「マムシグサ」と呼ばれるものは花が緑色らしく、これはこの地方のフロラによればムラサキマムシグサのようです。sonsiさんによればミミガタテンナンショウらしくヒガンマムシグサ系統の種、という事ですがフロラのアバウトさは身にしみてますので、種の同定はマニアの言葉を優先します(爆)。そのうち球根太らせて爆撃しますので鑑定よろしくです。


◆不気味なウラシマソウ◆


Wetland Explorerとしては、ある種を発見すると続けざまに同属の種を発見したりすることは良くあるものでテンナンショウも間を置かず2種類目を発見しました。
これは詳しい同定も必要ないほど見るからにウラシマソウです。長く伸びた付属体がチャームポイントで、浦島太郎の釣糸に見立てた命名との事です。童話の主人公の名前が付いているとはファンタジーな草ですが、実際は同じファンタジーでもファイナルの方に出てくるモンスター並みの外見を持つ不気味系植物です。
何と言っても仏炎苞のなかから長く伸びた鞭状の付属体。アサガオやクレマティスの「蔓」など、いかにも植物という趣ではなく肉質です。ブヨブヨしています。これが天を目指し50〜60cmも伸びています。仏炎苞自体もご覧のように爬虫類系の迷彩柄で、「花として愛でられないために」生まれてきたような趣がありますな。
これは地元市内の雑木林で発見しました。時にはクワガタハンターになる私は市内の主だった雑木林は踏破しておりますが、初めての発見でした。この一帯では野生絶滅が近いのかも知れません。その意味で採集はしていませんが、それよりも引き抜こうとする瞬間、長い肉質の付属体が腕にシュルシュルと巻きついて仏炎苞が口を開け「シャア!」と鳴きそうで恐いです(恐)。


◆強力雑草カラスビシャク◆


さて、前2種が希少で山野草扱いされているのに対し、こちらは強雑草として嫌われる事が多いカラスビシャクです。
実はこの画像は我が家の裏庭です。ドクダミやスギナに混じり、ミツガシワをしょぼくしたような雑草が引越し以来絶滅出来ずにおりましたが、開花前に草取りしてしまうので、種が不明でした。
ところが何だかんだ忙しかった今年、久しぶりに裏庭草むしりを行ったところ開花しており気が付きました。HOUさんの画像などを拝見し「なかなか可愛らしくていいな」と思い通販で買おうかと考えていましたが、足元にありました(笑)。
これはやはり危険です。ムシっても球根が地中に残る仕様のようで、しばらくするとまた出てきます。一度蔓延ってしまうとどうしようも無いようです。裏庭には過去何度か除草剤も撒いた記憶があるのですが乗り越えて復活した程の生命力があります。殖え方を見ていると球根が太って分球するのに加え、地上部根本付近に新たな球根を形成、頭頂部付近にムカゴと、1株から4倍、5倍の増え方をします。倍々ゲームどころの話ではありません(汗)。

という訳で、茨城県北部から市内雑木林とテンナンショウを探して最後は裏庭に青い鳥がいました、という事で落ちに代えさせて頂きます(爆)。実際はカラスビシャクはハンゲ属ですが大目に見てね♪





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