利助おじさんの探検絵日記

【その29】秋の田んぼミュージアム
〜近所の水田3Part2



◆お米の今◆


このあたりでは米は秋田小町とコシヒカリが作られています。理由は定かではないのですが秋田小町の方が先に刈り取られるようです。
さて、お米は今コスト競争の嵐に晒されているわけで、高価な農薬の使用、農業機械の新規導入などが困難になってきました。先行き不透明ですが、ブランド化で付加価値を高める動きなどもあるようです。魚沼産コシヒカリなど高くても飛ぶように売れますからね。
話はブランド米の話ではなくて、付加価値として出てきた「無農薬米」「有機栽培米」。他にも「減農薬米」など様々なものがありますが、どういうものかはJAS規格をご確認頂くとして。
以前聞いた恐ろしい話。水辺の恐怖の載せようと思いましたが(汗)、「農家は自家用米を出荷用と分けて作っている」
という事実!これは私の叔父(稲作農家)と隣家の婆さん(兼業農家)に時と場所を隔てて全く同じ台詞で聞いた話です。
「農薬使った米は恐くて食えない」
農薬を巡る議論は「ズブズブ界のブラックバス議論」と呼ばれるほど過熱しがちですが、少なくても生産者はこのように考えているようです。「無農薬など意味が無い」と言う方もいます。「農薬を使わないでどうやって生産性を上げるのだ」と筋違いな話をする方もいます。
薬害エイズの血液製剤も当初は厚生省(当時)が絶対安全と宣言して輸入したものではなかったのですか?農薬にしても「安全」なBT剤は有機栽培に利用が認められていますが(改訂JAS法に基づく日本農林規格)、薬効を発揮する害虫の近似種への影響を懸念する声もあります。何年か後に「遺伝子に長期的影響を与えるので危険」などと突然禁止になる可能性は否定出来ないと思います。
徒(いたずら)に危険性を煽るつもりはありませんが、安全に認可された農薬で年間1000人の死者を出している現実(取り扱いに習熟した農業従事者が過半です)から私は多少コストがかかったとしても無農薬米を選びますね。
いったい何の話だと思われるかも知れませんが、このシリーズの花々は農薬使用量が激減してから出現してきた植物が大半だという事を言いたかったのです。


ヒメミソハギ

ヒメミソハギと名乗るものの、ミソハギとは異なり花は非常に地味、葉腋に付くので観賞価値も低いという、まさに雑草です。水田、休耕田、畦道いろいろな場所で見ることが出来ます。
以前帰化種のホソバヒメミソハギだと思っていましたが、本物ホソバヒメミソハギを見ると、本当にホソバでした(笑)。ホソバはこのあたりでは希少?です。
アマニアだけあって水中育成も可能ですが、水中ではこの美しいシンメトリーを維持出来ず、かなり小型化する上に縮れっぷりも本家アマニア同様のようです(汗)。
アメリカアゼナ

群生するとなかなか綺麗なのですが、いかんせん小さい。ゴマノハグサ共通の弱点です。この一帯ではアゼナは本家とアメリカが多く、タケトはやや少ない感じです。交雑もなく仲良く自生しています。
帰化と言っても強烈に蔓延るわけでもなく、遺伝子撹乱が起きている様子もなく至って大人しい帰化種です。
これは花を観賞するよりも水中で育てると面白いと思います。以前睡蓮鉢水中に植えておいた株は何と冬越しました!2月ごろ引き上げて加温水槽に入れてみたところ立派にリンデルニアになりました。水中であれば違うライフサイクルを持つようです。と同時にこの手の植物にとって水がいかに重要か思い知らされる出来事でした。
ホシクサ

これも花としてはどうでしょう?実はなにかナメクジの目のような感じであまり好きではありません。草も小さいくせに根が立派であまり興味がありませんでしたが、ここに来られる方の影響で育てるようになりました。
水中で育成すると面白いかも。私の水槽では例外なく花芽を出さずに水中適応するので、環境がフィットしたのかも知れません。田んぼダッチ製作時にはアクリルでひな壇作ってホシクサでライデン通りを作るつもりです。怪しいぞぉ(爆)。
以前HOUさんに頂戴したヒメシラタマホシクサ、tomoさんに頂戴した鹿児島県産不明種とも水槽で元気に育っています。
アブノメ

紫色の小さな花を葉腋に咲かせますが、これは結実せず茎の中程に付く無柄の閉鎖花が種子を付けるようです。茎を押すとパチパチと空気が抜ける音がするのでパチパチグサとも呼ばれています。
鑑賞価値が徐々に無くなってまいりましたが、三本並んで仲良く生えていたので記念に(^^ゞ。この草の立派なのを見つける度に「マルバノサワトウガラシか!?」と胸が高鳴ってしまいますが、これも希少な植物になりつつあるようです。
サワトウガラシ

マルバでは無い方が見つかりました。個体数が少なく、いつ無くなってしまうか分からない量でしたので三株のみ採集。家の田んぼビオトープでも開花しました。
これは好きですね〜。花も良いけど草体の雰囲気に何とも言えない気品があります。数ある水田、たぶん数千枚見ているなかの1枚だけに生えていた感動。水田雑草残りの「感動」もあと僅か。
タコノアシ

これはあってもなかなか分からん、花が咲くかせめて蕾が付かないとスルー雑草ですぞ。そして想像よりもかなりでかかった。この花、雑草タイプの草体、秋の紅葉、すべて私好みです。
この奇妙な草は所属科も揉めているらしく、タコノアシ科を新設なんて話も出ているようです。それ、強く推します。クワガタソウ科とかタコノアシ科とかいいですよ、いい。
これも本当に無い草です。
ヒレタゴボウ

最近近所で見られるようになった帰化植物です。別名アメリカミズキンバイですが、花はミズキンバイ同様の美しい黄花を開花させます。
チョウジタデをスマートにしたような草体を持ち、ミズキンバイのように斜行することも無く、ビオトープ向きの植物とも思えますが、外来種を開花させる事の恐さは推して知るべしです。
ちなみに「ヒレ(茎に稜)+田牛蒡」で、ヒレタ+ゴボウではないようです。似たようなネーミングにスカシタゴボウがありますが、誰かがスカシタわけではないようです(笑)。




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