利助おじさんの探検絵日記

【その6】深大寺ちびっこ探検隊


◆ゲゲゲの鬼太郎を知らないとは◆


我が家の第二子(長男)は生まれつき耳が悪く、定期的に都内の病院に通院しています。よく晴れたある日、いつものように連れて出かけようとすると長女が自分も連れて行けと言います。理由は「電車に乗りたい」(^^;
地方在住者は意外と電車に乗る機会が少ないのです。子供は二人とも徒歩で小学校に通学していますし、家族で出かける時は車になりますので滅多に電車やバスを利用するということが無いのです。
ピンと来た私は「病院だけじゃつまらないから終わったら面白いところに行こうか」と誘いました。実は脳裏には2週間後のオフ会「おじさん探検隊」の下見といういやらしい崇高な目的があったのです。
「アニメの鬼太郎の茶屋があるよ」と言ってみたところ、「何それ?」と言われてしまいました。今時の小学生は名作「ゲゲゲの鬼太郎」を知らないようでした。(汗)「ほら、妖怪とか出てくるやつで..」と言いかけると「ポケモンがいい!」と。
最近はアニメのコンテンツが豊富で再放送なんかやらないのかも知れません。或いは昔はシンプルな勧善懲悪も現代では「悪い妖怪でも殺す事はない」と、言っている本人が妖怪のような主婦くずれの意見でストップがかかっているのでしょうか?迷惑な話だ。
私は鬼太郎のアナーキーなところが大好きで、子供(だよね?)のくせに拾ったお金で煙草を買ってプカァー「はぁうめえ。」。拾った金をネコババする、未成年が煙草を吸う、今なら間違いなく発禁です。でもね、鬼太郎は妖怪だから人間のモラルや法律に縛られないのですよ、分かってねぇなあ。それこそ「人間のくせに妖怪同士の話に口出すんじゃねえ」とネズミ男に言われてしまいますよ。

*てなことを書いてから早3年、アニメどころかウエンツ主演で実写版?まで公開されました。ブームには波があるようで、今では子供達も当然鬼太郎を知っています。我々の世代はちょっと引く部分が多々ありますが、西田敏行の輪入道と間寛平の子なきジジイは嵌りすぎて笑えました・・(^^;


◆参拝よりももちろん水草だ◆


そういう訳で診察も無事終了し電車とバスを乗り継いで深大寺へと向かいました。バスを降りて周辺を散策すると、いい感じ〜。
とりあえずの目標、鬼太郎茶屋もこんな佇まいですぐ見つかりました。リアルな鬼太郎も出迎えてくれました。子供達はまったく思い入れが無いせいか、鬼太郎グッズはほとんどスルーでソフトクリームにフォーカスしておりました。(-_-;
とりあえずお父さんの目的は疎水。「あっちのアイスのほうが旨そうだよ」とか何とか巧みに誘導し、疎水へと。リシアが固まって浮いていました。いつも見るリシア(カヅノゴケ)は田んぼの土にへばりついて、サカマキガイやらアオミドロやらヒルやらの棲家になっている汚い「苔」ですが、ここのはこのまま販売していても違和感が無いほど綺麗なものでした。疎水なので採集しても良いかも知れませんが、特に欲しくも無かったのでスルー。近場にはゼニゴケ風の苔も生えていてナイススポットでした。

実はこの場所は「今、会いに行きます」の作者、市川拓司氏のWebサイトで知りました。不可思議なシチュエーションながら心を打つ作品を書く、今が旬の売れっ子作家は実はアクアリスト&ズブラーらしいのです。このエッセイは、個人の趣味の視点と肩の力が抜けた文体でとても好感が持てます。機会があればぜひズブズブにご一緒したいもんです。以前シーバスさんのところにホソバミズゼニゴケの画像を投稿したりしていましたので相当の好き者と見た。(^^;


◆植物園のうらやましいビオトープ◆


とりあえず全意識がアイスクリームに行ってしまった二匹にエサを与えて落ち着かせ、メインの目的である湿生植物園に向かいました。入場無料なのが財布に優しい公園です。
時期がやや早かったのですが、ミソハギ、ハンゲショウ、コウホネなどが開花し、水路や池にはメダカの大群が泳いでいました。東京の公園で一般受けしなければならない宿命のためか、アヤメ、ハスの植栽スペースがやや広かったのは残念ですが、他にもヌマトラノオ、ミツガシワ等多くの水生植物を見学することができました。これだけの規模のビオトープはなかなかありません。
奥には何と水田がありました。まぁ稲も水生植物と言えばそうなのですが、水田雑草を見せるためでしょうね。コナギなどが確認できました。(田舎の人間にはこういうのは珍しくもなんとも^^;)
余談ながらビオトープ用植物としてコナギを結構な価格で販売しているのを見たことがあります。となりの農家の婆さんに見せたら拝むか泣くかどちらかでしょう。
傍らの池にはカエルや大きなシマヘビが泳いでおり、都会の中のミニ湿地としては生物相も合格のようです。

お近くの方はぜひ行かれてみると良いと思います。採集・育成だけが湿地植物の楽しみ方では無いですしね。帰りにお参りすれば良い事もありますよ、きっと。


◆不朽の名作「鬼太郎夜話」◆

鬼太郎と言えば名作中の名作は「鬼太郎夜話」です。
古典から純文学まで幅広く読書するほうで、一時的に蔵書2300冊を誇ったワタクシも無人島に本を10冊持っていけるとしたら必ず入れる本です。5冊だと入りませんが漫画は他にありませんので最高評価です。
何が良いと一言では言えないスペクタクル。話が二転三転し明らかに他作品のモチーフも入り込んでくるので完成度という点では劣るかも知れませんが、輪廻転生、欲、希望、絶望、勧善懲悪、様々な材料が渾然一体となったシチューの味。
バッハで言えばマタイ受難曲、ジェネシスで言えば眩惑のブロードウェイ、人によって評価も印象も好悪も分かれる大作であると思います。

調布市下石原という寂しい場所に・・・どんなに寂しい場所かなとワクワクしておりましたが立派な高級住宅街で私の地元のほうが余程寂しい場所でした(汗)。
ガタンゴトンという木の床の京王線は近代的なクリーム色の電車となり特急急行各駅花盛り。これまた常磐線で現役の411系という電車は調べてみれば1967年デビューの40歳。妖怪はもはや調布には住めず常磐線に乗って昭和の香り漂う我らが郷土に引越ししてきたのかも知れません。





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