利助おじさんの探検絵日記

【その8】甲信遠征記(統合版)


chapter1 七都県長距離遠征

七都県遠征と名乗ってみたものの、ほとんど高速で通過しただけなので実質は大したことがありません。(^^ゞ茨城県を出発、国道6号→16号から柏(千葉県)で常磐高速に、三郷(埼玉県)から外環、練馬(東京都)から関越、藤岡(群馬県)から上信越、長野県、山梨県へというルートです。
会社の保養施設が山梨県の高根町(現北杜市)にあり、よく使うルートなのです。わざわざ遠回りする理由は、途中群馬サファリパークや軽井沢などで遊べるということと、都内を通過して中央道まで出ると首都高も一般道も混んで時間が読めなくなるためです。

水辺と言うよりはかなり山岳地帯に寄っている絵日記となりますが、山梨在住のカージナルさんにお会いした時に、

「何しに来るんですか!?」

と聞かれてしまったので、何しに行っているかここで晒しておきます(笑)。
実は山梨県は長野県、沖縄県とともに最も好きな場所です。何が好きって山あり湖あり、野生動植物の宝庫でナチュラリストにはたまらない場所です。会社の工場もあってたまに出張するのですが、最寄の駅を降りると目の前の水路にササバモがびっしり。道端の側溝にもイトモやミクリなどがあって夢のような場所なのです。本格的な山梨水草ツアーも本気でやってみたいと思っています。(家族連れて行くと水草と遊ぶ時間はほとんど無いのです)水草以外にも山栗や栃の実が拾えたり、クワガタの名所があったりで本当に楽しい土地だと心から思います。

*画像は「日本のエアーズロック」荒船山です。この旅行はカメラの主力機種がコンデジ、光学ズームなし、2Mの「なんちゃって」カメラでしたので青かぶり、パースなし何でも来い。お見苦しい点はご容赦願います。


◆見所諸々◆


往路では群馬サファリパークがお薦めです。新車で行ったので「いつ獣にひっかかれるか^^;」と心配でしたが杞憂でした。自分の車からライオンやキリンが見られるのも不思議な体験。最近不幸な事故があって

「絶っ対に車外に出ないで下さい」

と念入りに言われましたが頼まれても出ませんとも。ご興味がおありの方は一度行かれてみると面白いですよ。Webサイトから割引券も印刷できます。(^^;
ここからネギと蒟蒻で有名な下仁田に向かい、途中の内山峠付近で荒船山の威容を横目に神津牧場に寄道。荒船山は良いですね〜。近くの妙義山もボコボコした不思議な形ですが、このあたりは何か日本の山地という感じがしないですね。
神津牧場では乳搾り体験と極上のソフトクリームが堪能できます。乳搾りでは牛がご機嫌斜めでなかなか出ませんでしたが、子供達は目出度く「濃〜い」牛乳を味わうことが出来ました。家を早朝に出てこのあたりで時間的に昼になりますので、持参したおにぎりPart2の昼飯。(Part1は早朝車中で)速攻でおにぎり片付けて水草探訪。神津牧場にはため池や渓流もありましたが残念ながら水草は見当たりませんでした。
続いて内山峠を越えて長野県佐久市に入ります。長野県の標高の高い地域に入ると草花の開花時期も異なるようで、初秋に行ったこの旅行ですが、すでにコスモスが満開でした。この国道254号線は別名「コスモス街道」と言いますが、その名に恥じぬ花ざかり。道路の両脇にもびっしりと並んで咲いていました。
佐久市を通過、鬼押し出しを見物するために一路山梨とは反対方向の軽井沢に向かいます。浅間山噴火11日前の事でした(汗)。


chapter2 軽井沢・浅間山・松原湖

実は私、有名な浅間山麓の「鬼押出し」を見た事が無くて一度行ってみたいと思っていました。軽井沢のおしゃれな一帯に目を奪われつつ渋滞を抜けるといつのまにか後戻りできない有料道路に(笑)誘導され到着。
浅間山から流れ出した溶岩が固まった地形ですが、やや中腹寄りに展望台や寺院があり異様な雰囲気の場所でした。ワタクシけっして「良い」人間ではありませんので地獄に振り分けられる確率が高いと思いますが、あそらくこんな雰囲気のところを歩いて行くのでしょう。道端にはコンクリートのシェルターが所々にあり、「何て大げさな」と思いましたが、まさかこの日から半月も経たないうちに噴火するとは!
後々の話ですがタイのバンコクで呑気に王宮見物をした場所は1ヵ月後、クーデターが起こり装甲車が止まっていました。こういう「無意識に危険を避ける」運は備わっているのかも。

ところで自分で書いていて何ですが、すっかり普通の旅行記になってますね。後半にメインの富士五湖水草探訪がありますので、もうしばらくご容赦を。

さて、せっかくなのでこれも高名な白糸の滝を見学。しかし水場があれば必ず小銭を投げ込む習慣は如何なもんですかね。本家?のトレビの泉も見ましたが、イタリアの他の場所ではそんな事は見られません。日本では観光地+水場のお約束になっているような気がします。大半は何も伝説もご利益もないと思いますのでやるだけ無駄、まさに「藁にもすがる」意味の無い行為だと思うのですが・・

ここでは水がしみ出す岩肌に多種類の苔が張り付いていました。ウィローモスにそっくりなもの、ホソバミズゼニゴケ風なもの、有茎草風のもの、結構な種類がありました。こういうのを見ていると蘚苔類は本当に種類が多くて正体が不明ですね。私は水槽に蘚苔類を使用しないのでまったく興味が無く、尚更種類が分かりません(汗)。
軽井沢では市川拓司氏のブログにあったバイカモも見たかったのですが時間も無くなりつつあり、南下して山梨方面に向かうことにしました。会社の保養所を使う関係で夕食時間に間に合わないと鬼のように叱られてしまいますので。


国道141号を南下、小淵沢・清里方面に向かいます。道路左手には千曲川が流れ、山里の趣が続きます。このあたりは道脇や市町村区分の看板に標高が記されています。800〜900mの高地帯となっているようです。平地に居住する身にはこれらが珍しく、子供達と一緒に「今900m!」などと騒いでおりました。真夏ですがエアコンも要らず、窓を開けると湿度の無い涼しい風が入って来ます

小海町に入り、初日の締めとして松原湖に寄りました。遊べる施設は何も無いところですが、一度水生植物を調査したいと思っていましたので。予想に反し何もありませんでした。水中にはオオカナダモがしょぼしょぼと。ここで興味深い注意書きが目に入りました。ブラックバスの再放流を禁止するというものです。「再放流」とは何ぞや、と思いましたが要するに釣りをするのは構わんが、釣り上げたブラックバスをリリースしてはいかん、という意味らしいです。
ブラックバスについては様々な議論がありますが、長野県は秋田や滋賀とともに比較的早い時期に規制の先鞭を付けた自治体だったことを思い出しました。生態系以前にワカサギ等の内水面漁業の問題から始まったように記憶しています。

このあたりから徐々に標高が上がって行き、山梨との県境南牧村に入る頃に1000mを越えます。JRの最高地点(小海線)もこの近辺です。平地の残暑の焼け付くような空気はすっかり無くなり、8月下旬でも20度前後の気温となります。八ヶ岳も右手にくっきり見えてきました。野辺山から清里に入ると山梨県。清里はすっかり「プチ軽井沢」になってしまいましたが我が家ではそういう場所には用事が無いので(寂笑)スルーして宿泊地へ。初日が終了。


chapter3 富士五湖へ水草探査

2日目はいよいよメインの富士五湖です。とりあえず韮崎でクワガタと遊んで富士川沿いに南下、身延から峠道を越えて上九一色村に入ります。
本栖湖は礫底の透明度の高い湖で、高地の貧栄養湖に分類される湖です。何かはあるだろうと思いましたが水草がまったく見当たりませんでした。
礫底で透明度の高い貧栄養の飼育水。これって何かに似ていませんか?そう、多くの水草育成本が理想とする環境です。自然下ではまったく水草の育成に適さない環境が「理想の水槽」として語られているわけですね。

もちろん、湖と水槽は違います。水槽では底床肥料や二酸化炭素を添加して環境を整えています。でも自然ではまったくロジックが違うのです。川砂もクセの無い優秀な底床材ですが、川砂を採取する場所には水草が生えていないのです。
なぜか、という話は複雑すぎてここには書ききれません。ヒントとなることは「湿地の科学」に諸々書いてありますが、コアとなるのは土壌微生物の生命活動と有機物です。湖沼を見るときにこうした側面、また地形的な考察もあるとより一層興味深いと思います。

やっと水草を語れる場所に来ました(笑)。富士急ハイランド、バス・ニジマス釣り、盛だくさんな観光地の河口湖です。
子供達は本栖湖での水泳で疲れてしまったらしく車で爆睡してしまったので、寝ている間に釣りをすることにしました。年に数回の僅かな楽しみなので多少痛い入漁料を払って釣場を物色。
こういう瞬間に備えて5番アイアン(笑)のパックロッドとドライ・ウェット一式はバックパックに入っています。時間が昼近いのでウェットフライでレインボーを狙ってみました。
ちょっと岬のようになっているところで足元の水草に「待ってろよ」と語りかけつつリトリーブ。カディス系では当りがなく、メイフライニンフにチェンジしたところで30cmほどのレインボーがヒットしました。2時間ほどで3匹ヒットしましたが、持ち帰り出来ないのでリリース、水草を見る事にしました。
画像が駄目駄目ですが、岸辺近くはこんな感じです。ササバモとセキショウモが優先種のようです。流藻のなかにイバラモの欠片があって「特産のヒメイバラモか!」と付近を捜しましたが見当たりませんでした。
1箇所に細葉のロゼットのちょっとした群落があって、カヤツリグサ科のなにかかなと思ったのですが、1株引き抜いてみると、何とミズニラでした。湖沼に生えるミズニラがあるとは聞いていましたが見るのは初めてです。作法に従い埋め戻し写真を撮りましたが、カメラがナニでここに晒すレベルではありません。また今度撮って来ます。
本栖湖との比較で「底泥、中栄養」が河口湖の特徴ですが、有機物の量によってバクテリアの呼吸量、つまり二酸化炭素の発生量が異なることで植生が多いのでしょう。このことは繁茂したササバモやセキショウモが証明していると思います。


chapter4 高根近辺の風景


最終日は帰りの時間を考慮して午前中に高根、清里付近で少し遊ぶだけです。
このあたりのお薦めは牧場(滝沢、八ヶ岳)や清泉寮など結局観光地になってしまうので、ここは趣向を変えて木の実拾い(笑)。
山栗には少し早い時期でしたが栃の実など家の近所では見られない珍しいものを拾うことが出来ました。我が家では「木の実拾い」は重要なイベントで(^^;シマリスとモモンガの重要な食料になっています。やはり自然の恵みは野生動物には大事ですね。シマリス仲間(趣味の世界では「リス使い」と言います)が利助の色艶に驚きます。HN借りている不健康な私もあやかりたいものです。(爆)
ただ、栃の実はかなり灰汁が強かったらしく、利助は一口齧って妙な顔をしていました。

帰りの峠越え前に佐久市のスーパーで昼食の仕入れ。須玉で買った蕎麦のスプラウトが旨そうだったので、ここでも追加購入。この間私は裏手の水田を見て回りましたがシャジクモが大量にあって良い感じでした。

長野から群馬、埼玉と標高が下がるにつれて灼熱の夏が戻ってきました。
山梨が遠ざかると「あそこに行けば良かった」「ここも見たかった」という思いが湧き上がってきます。特に最後の大物は忍野八海。 バイカモ、イケノミズハコベ他の水草もぜひ見てみたいとかねがね思っています。山梨には毎年行っていますが、日程の都合でなかなか行けないのです。「忍野八海行くぞ」と心に決めた事も一度ならずありましたが、大渋滞食らったり子供が途中で具合が悪くなったりで行けませんでした。
それと身延あたり富士川沿いは濃そうですね。地形的にそそられる場所が多数あります。このあたりも是非見てみたいものです。

水草としては「どうしても山梨」というのは無いのですが、木の実や茸、昆虫など遊べるところが多いというのが良いですね。今年もたぶん夏に一度は行くと思います。高根あたりで水田をチェックしている怪しいおじさんが居たら声を掛けてくださいね。




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