Canon EOS KissDigital

◇Profile◇

メーカー キヤノン
型  式 EOS Kiss Digital
販売開始 2003年9月
センサー 630万画素CMOS
マウント EF、EF-S

ボタン配置、操作性は初代の時点で完成されており、最新機種でも基本的な変更はない。液晶表示は1.8型と今となっては小さなものであるが、コントラストが高く視認性に欠けるということはない。
◇Impression◇
色々な意味で歴史的なカメラだと思う。一応理由をば。
(1)それまで数十万円という価格帯でまともな庶民は手出しできなかったデジタル一眼レフを10万円台前半という「何とかなる」価格帯に引き下げた
(2)デジタルカメラ専用設計のEF-Sレンズが装着可能となった。この道筋はAPS-Cフォーマットのセンサーに特化し、デジタル用コーティングを施した専用レンズという新たな製品ジャンルを生み出した
(3)ネーミングやマーケティングが主婦など従来一眼レフカメラと遠い位置にあったと思われる顧客層を狙い、成功した。(市場の裾野が広がった

あえて蛇足とも呼ぶべき解説を書いてみるが、(1)は当然のことながら量産効果が無ければ実現できない。プライシングの時点では(3)も未知数であって、一般的な解釈をすれば充分な成功の裏付がなければ実現しない。失敗した際のリスクの影響を考えればNikonやPENTAX程度の企業規模では困難で、キヤノンだから出来た、と評価できる。
その恩恵で(市場拡大)ローエンドのデジタル一眼レフの市場が形成されて他社にも市場機会がもたらされたわけだ。必然的に(2)のデジタル専用交換レンズも拡大、SIGMAやTamron、Tokinaも次々に新製品を投入できるようになったのであり、その意味で歴史的なカメラなのだ。

ちなみにこの機種が無く、D30→D60の路線で30万以上の製品ゾーンとして推移していたら私はデジタル一眼レフカメラは100%購入していない。家族のポートレートや自分の趣味程度であれば5万円前後で銀塩一眼のダブルズームキットが買えるので、費用対効果が悪すぎる。今冷静に考えてもNikonD300とF6が同じ価格ゾーンにあるが、好きな方を買えるという立場なら迷うことなくF6を選ぶだろう。


【作例】
EOS Kiss Digital/SIGMA MACRO50mmF2.8 EX DG F4,1/1600,ISO100,WB Auto

銀塩の主力機種がEOS Kissであったこともあり入手。コンデジとは異次元の画像に驚愕した。画質というよりも光学レンズを通した「空気が一緒に写る」感、とも言うべきか。
私的な弱点は2点、「Kissなのにデカい
」「プラのボディが手の脂でてかる」というもので、多くのキスデジユーザーもそう感じたらしく、何人かの勇者はキヤノンに文句を垂れたのだろう。次機種のKiss Digital Nではきっちり改善してきた。KDNのインプレで書こうと思うが、すると今度は「小さ過ぎてグリップしにくい」という文句が出るのだから難しい。さらに後継のKDXではグリップの背面をややせり出しホールド性を高めるという、スペックアップ以上に有用な改良を行っている。これを見ても「キヤノンはユーザーの声を聞かない」という批判は的外れだろう。(特にキヤノンが好きなわけではない。客観的感想)しかしKDXのボディは表面加工のないテカリ虫に先祖帰りしているので、私は「買えるけど買わない」ことで批判票を投じたつもり。
でかいのはともかく、使っているうちに付着した手の脂分が拭き取れないのである。シリコンクロスで拭き取ると全体に薄く拡がって「カメラテカリ虫」になってしまうのである。プラボディもチープさも一向に平気だが、屋外で使っていると異様に目立つのである。ことにISスイッチなどメカが目立ち前玉がでかい28-135ISなどを装着すると異様な豪華さである。ぴかぴかのカメラに重厚かつメカニカルなレンズ、知らない人から見ればお大尽である(汗)。
息子のサッカーの試合で撮っていたら同級生のお母様方から「凄いカメラ・・毛穴まで撮れそうですね」と言われてしまったのである。「いやぁ一番安い入門機に普及版ズームなんすよ」と言訳するのも面倒なので黙っていたが、無用に実力以上に目立つのは嫌いだ。

画像は満足できるレベルで、Web用途では600万画素程度が一番座りが良いように思う。さらにPENTAXフォーラムで、すべて*istDS(600万画素)で撮られA0まで引き伸ばしたマクロ写真の展示を見るに及んで「これ以上は必要ないな」という確信に変わった。確信しても8Mが出れば浮気、10Mが出れば衝動買いしてしまうので人間は際限がないな。


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