Fear of waterside
【第十一夜】吸血鬼の上前 Contents

◆嫌われ者にも役割
◆ミニマム生態系
◆教訓

◆嫌われ者にも役割


睡蓮鉢に植栽する植物は頂いた珍しい水生植物を除けばほぼ採集物です。つい先程まで水田や溜池、用水路にあったものが大半です。
私の場合、採ってきた植物に付着しているスネールや虫については寛容で、あまりトリートメントもいたしません。その結果スネールや水生昆虫やヒルなどが睡蓮鉢に仲良く暮らすことになりますが、これも自然の姿と思い妙に嬉しかったりします。
これらに加えてアオミドロ対策にタニシ、個人的趣味でシジミ、カワニナ、そして主役のメダカが生息しています。これだけ生き物の種類が増えるとそこで様々なドラマが見られます。
以前からムジナモが小型のスネールを捕食しているのに気がついていましたが、メダカがいるとミジンコを投入した瞬間にほぼ食い尽くしてしまいムジナモに食料が回ってこないため、仕方なく喰っているのだろうと考えています。スネールも役に立つものです。

これらに加えて勝手に入り込む生物もいます。代表的なのはイトトンボ。子供達は親が来て産卵する瞬間も羽化して飛び立つ瞬間も見たようですが、私は写真のように抜け殻のみ確認しました。産卵や羽化を見られたら感動したと思います。非常に残念。でも睡蓮鉢を見張っているだけでは給料貰えませんので仕方がないのですが。
前々から不思議だったのはヤゴが何を食料にしているのか、ということ。メダカを襲えるほどのガタイではないし、そもそもメダカは減っていません。稚魚かモノアラガイでも餌にしたのだろうかと考えていました。ある日アサザの古い葉を取り除いていたところ、ヤゴを見つけましたがなにか茶色い虫を抱えて体液を吸っていました。良く見ると何と!ヒルらしき虫でした。


◆ミニマム生態系


この睡蓮鉢は直径50cmほどの小さな水辺です。アサザとガガブタを中心にセンニンモ、ガシャモク、クロモ、セキショウモ、ササバモ、ムジナモ、イヌタヌキモなどがある普通の睡蓮鉢です。
こんな小さな場所で「勝手に入り込んだ同士」による食物連鎖が起きている!感動的ではないですか!ビオトープという言葉が本来持つ意味を具現化しているではないですか。
たぶん心のどこかでこんな骨太の営みが本来の「自然」だという気持ちを持っていたのかも知れません。ヒルがいやだとかスネールが邪魔だという気持ちよりも嬉しい気持ちが遥かに上回りました。「ヒルやスネール嫌がるならネイチャーとかビオトープとかほざくな」ってことで。
春先にはメジロのペアが水浴びに来ていましたし、今は足長蜂が水を飲みに来たり、縞蚊の集会場になっていたりします。メダカの群れが本来の役割を果たしているのかボウフラはわきませんが。小さな水辺がこれほど多くの生物を呼び寄せるものなのですね。まさにネイチャービオトープ。

【エピローグ】
イトトンボ(種類は分かりませんが、胴が黒っぽいのとグリーン系)は順調に羽化を続けているようです。そのかわりヒルがほとんど見られなくなってしまいました。田んぼでヒルを捕まえてくることを検討中です(汗)。本当に他人から見れば変なやつですよね。いや、自分から見ても変なやつだと思いますが。ついでに長年の野望、シマイシビルの飼育にもチャレンジしたいです。プラケを布で囲って、家族には「俺が生きている間は見てはいけない」と(笑)。


◆教訓

嫌われ者にも役割あり



【ヒルの天敵は?】
魚類ではブルーギルとオイカワが餌にすることを確認しています。ただブルーギルはご存知の通りやんちゃで、オイカワは臆病で飛び出しが多いのでどちらも睡蓮鉢キャストとしては不適格です。
正直イトトンボのヤゴが餌にしているのかどうか確信は持てていませんが、喰っていたとしても今度はイトトンボに卵を産んでもらうのが大変ですね(^^;
また元気になったらビンにヒルをぶち込んで、色々な生物で実験してみようと思います。こんなこと真面目に実験するテーマではないでしょうが、心の師、廣瀬先生の「人がやらない研究が世界一の早道」で。まぁしかしヒル研究の世界一には微妙になりたくないような(汗)。



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