Fear of waterside
【第十三夜】逃げ遅れ救出隊 Contents

◆救出隊組織を結成
◆1m四方の大漁だ
◆教訓

◆救出隊組織を結成


逞しいというか健気というか、水田や水路に住む魚達、メダカ、タモロコ、フナなどは水田や用水路に水のある僅かな期間にどこからともなく現れ、繁殖を行い、水が無くなるとともに去って行きます。
大部分は水路が繋がっている河川などに去って行くのでしょうが、このようなちょっとした水溜まりに取り残されている群れをよく見かけます。水が滞留し水質は悪く居心地は良くないでしょうけど他に行くところが無いので仕方ありません。それよりも乾燥に向かう冬にはカラカラに干上がってしまうので生存が出来なくなります。

自分達の運命を知ってか知らずか、人影を見ると逃げ場も無いのに水面が揺れるほどの大騒ぎで逃げようとします。これはいくら何でも可哀想だということで、救出隊を組織しました。救出隊は子供二人と私の精鋭3名です(^^ゞもちろん隊長は私です。
水路はゆくゆく利根川や小貝川に繋がるはずですが、大きな川にメダカがいるのは見た事が無いので、途中の相野谷川か北浦川あたりに放流するのが目標です。
とりあえず子供達に長靴を履かせ、網とバケツを持たせて出撃指令です。私はモロモロあるのでカメラ、ペットボトルだけ持ってそろーりと後から追いかけます(汗)。


◆1m四方の大漁だ


そろーりまたーりと現場に到着してみれば、すでにバケツの中は満員御礼、大量のメダカに混じり10cmほどの小鮒やタモロコ(クチボソ?)が数匹混じっていました。水溜りを覗き込んでみればアメリカザリガニ、タイコウチといった捕食者側の姿も見られ、食住再接近、需要と供給がバランスされる市場経済の縮図、呉越同舟水田の方舟といった趣もありました。
下の子は3年生ですが魚獲りに関しては際立つ才能があり、海に遊びに行った際にも素手で小魚を捕獲したりしておりました。この時も鮒は網ではなく素手で捕獲したそうです。子供の才能を伸ばす、大事なことですが魚獲りの才能を伸ばしてどうするんだ、と思いました(爆)。まぁ漁師になりたいと言うのであれば反対はしませんが・・・。
それはさておき、あらかた救出し、数えてみるとメダカは3桁、他の魚種も2桁で、水深10cm、1m四方の水溜りに200匹程度の魚が生息していたことになります。アクア界でよくこんな事を仰る方がおられます。

「水槽では自然界でありえない密度で魚が・・・」

んまぁたまには自然界でもあり得ますよ、うん。
(というように例外をもって突っ込むのを専らとされる方もおられましたな)

いつまでもバケツに入れておけないので、電池式のエアーを入れ家から車で相野谷川に向かいました。ところが相野谷川はメタンがボコッと湧き、水面が泡立っておりました。これはいくらなんでも、と私が言うより先に子供の反対がありました。
次に向かった北浦川では状況はさらに悲惨で河床が所々露出するほど水量が無く、水質は相野谷川同様でした。こういう場所に放流するのは地獄の2丁目から3丁目に移すようなもので、徒に命を弄ぶことになってしまいます。
子供達と話し合った結果、家で飼うことにしました。家の睡蓮鉢なら水質も良いし、コイ科を飼っている睡蓮鉢もあるので仲良くやっていけるだろう、と。救出に行ったのか捕獲に行ったのか分からない結果でしたが、生活排水や農業排水のもたらす結果を実地教育したということで(汗)。


◆教訓

川を大事にしよう
と、ありがちな話で締めてみました


【指標生物】
環境行政としてヒットの部類に入ると思います、指標生物。ただ種類が少ないのが難点ですが、結構目立つ生物をチョイスしているので情報は集めやすいと思います。ひょっとしてRDBで懲りている?ゲロするわけないか(汗)
という事で汚い河川にはヒルもイトミミズもいますがメダカが帰って行くような場所ではなく、より汚染に強いというカダヤシが増えていたりするようです。こういう誤認しやすい生物は指標から外しているのもナイスですね。
茨城県の河川は久慈川や那珂川の上流を除き、どこも汚い指標生物で満ち溢れています。大きな自然回復力に頼りすぎで限界を超えてしまったのでしょう。たまに東京近郊の下水道完備地帯の河川に行くと水草の豊かさに驚きます。



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