Fear of waterside |
【第十四夜】長いのは苦手 | Contents ◆食物連鎖を利用する太い奴 ◆用水路で出会った「奴」 ◆教訓 |
◆食物連鎖を利用する太い奴 カマキリというと食物連鎖では上位の方で、鳥や猫にやられたり車に轢かれたりしなければ天寿を全うする確率は高いと思いますが、喰われる下位者の立場を利用して生き残る邪悪な生物がいます。 車に轢かれたカマキリの裂けた腹から踊り出す地獄の舞踏者、動かなければ全く気が付かない悪夢の擬態者、喰われることを逆手に生き残りを図る暗黒の策略家、俺の名前を言ってみろ! てぇーわけで「ハリガネムシ」という不気味な生物がおります。その生態、見かけからサナダムシや回虫などと同様、完全な寄生虫野郎だと思っております。それだけならまだ許せます・・・ この生物は意思を持っているのです!最終的にカマキリの腹でカマキリが危険を冒して捕えた獲物の栄養を横取りしながらヌクヌク育ち、カマキリを操って水辺に誘導し、腹を破るかケツの穴からか知りませんが水中に帰って行くのです。 こんな仕組を解明した方は偉いと思いますが、私だったら全貌を解明した瞬間に、あまりのおぞましさに気が狂ってしまったかも知れません。考えて見て下さい、針金のような寄生虫に意思と戦略があるのですよ! こいつは太古の地球にプレデターと一緒に落ちてきた地球外生命であると認定したいぐらいです。そして心からこの言葉を贈ります。 地獄に落ちるがよい、 邪悪な虫けらめ! |
◆用水路で出会った「奴」 ヒルについては度々言及しており、写真を撮る元気も出ます。それどころか、触り倒してどのような生存条件か、天敵はなにか、と調べる余裕もございます。と、世間一般から見れば変な生物に愛を注ぐ変な奴と思われるでしょうが、そんな私でもハリガネムシは苦手です。 そしてとても不気味なことに奴は私の趣味のメインフィールド、水中に居るのです。ある時用水路中にいた「奴」は本当に錆びた針金か紐のように見えました。恐くて正視できませんでしたが、中ほどから折れ曲がった姿で静止していたブツの全長は下手すれば1m近くあったかも知れません。もちろん写真を撮る状態ではなく走って逃げました(汗)。蛇もそうですが長いのは本当に苦手です。 帰って来なくていい、 鳥にでも喰われてくれ と願わずにはいられません。精緻な生態系に於いて役割を担わない生物はいない、と言いますがこいつはカマキリに迷惑をかけ、水路で私の心臓に負担をかけ、何か役立つことがあるのでしょうか?とにかく長いのを見てしまうとその後暫く水辺に行きたくなくなってしまうので勘弁して欲しいものです。 |
◆教訓
僕らはみんな生きていると、思いたい・・ ヒルと言えばウマビルは本当に綺麗です。私の拙い文学センスを総動員して「田んぼの宝石」と呼ばせて頂いているぐらい。天気の良い日に用水路を移動していた奴なんざ日光を反射してほれぼれする程発色が良く、何のためにあんなに綺麗なのかと思いました。 姿形は同じながら茶系の性悪がチスイビルで、こいつにやられると非常に不快な痛痒さが数日続きます。昔は「悪い血」を吸いだすために田んぼで捕獲して利用していたらしいのですが、現代では農薬の影響で少なくなってきたようです。 しかし!居るところには居ます!その場は気持ち悪いだけですが、後々痛痒い度に腹が立ちますので、一粒で2回まずい虫です。ご注意下さい。 |
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