RDB及び特定外来生物に関する注記



■基本スタンス■

■RDBに関して
様々な異論が存在することを認識、許容しつつ各植物の解説欄に環境省RDB記載種についての表記を行いました。本件に関する情報発信者としてのスタンスは下記にある通りです。これ以上でも以下でもありません。

(表記例)
標準和名 アサザ 学名 Nymphoides peltata (SG Gmel.) Kuntze. 分類 ミツガシワ科アサザ属
育成形態 【花】 【外】 【水】 カテゴリー 【浮】 【葉】 【抽】 【沈】 環境省RDB 絶滅危惧II類(VU) 自生環境 水田 湿地 湖沼
生活型 一年草 多年草 越年草 増殖 実生 地下茎 株分け 挿し芽 同定
霞ヶ浦では植生による水質浄化のシンボル的な植物としてアサザ基金によって市民参加の植栽が進められている。
ハスやアシの植栽・放置によって富栄養化が進むように、吸収した栄養分を刈り取りによって湖外に搬出しなければ意味が無いと考えていたが、鷲谷いずみ先生(東京大学大学院)と飯島博代表(アサザ基金)共編の「よみがえれアサザ咲く水辺」によれば蛾の一種で水生植物の浮葉を食草とするマダラミズメイガによって食べられ結果的に窒素とリンが搬出されるとの事で、即効性は無いながら自然の力を生かした浄化策となっている模様である。余談ながら飯島博代表は「100年後の霞ヶ浦」をビジョンとして持っており、拙速にならず骨太の精神によって環境に相対している。

睡蓮鉢で育成可能であるが、肥料分と日照を確保しなければ開花しない。黄花を多数つける観賞価値がある水草である。葉は次々と枯れるが、葉の寿命が短く新しい葉を展開する性質なので問題は無い。

【RDBに関しての情報発信者としてのスタンス】

●RDBに調査不足や不備があることを認識しています。これは限られた地域での自分の調査結果でも証明できます。
●しかしながら調査により明らかになった実態は枝葉の問題であり、全体として「絶滅危惧」であることを理解しています。
●個別の問題、不備、矛盾に異を唱えるよりも傾向値を明らかにする指標として評価しています。
●採集禁止、取引禁止というニュアンスは一切含まれていないと認識しています。
●しかしながら売買目的、金銭目的の乱獲は法律以前の問題であり、売買掲示板やインターネットオークションで徒に希少価値を煽り価値を高めようとする行為は唾棄すべきものです。

■環境省RDB種別一覧■


種別 内容
絶滅(EX) 我が国ではすでに絶滅したと考えられる種
野生絶滅(EW) 飼育・栽培下でのみ存続している種
絶滅危惧I類(CR+EN) 絶滅の危機に瀕している種
 絶滅危惧IA類(CR) ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種
 絶滅危惧IB類(EN) IA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種
絶滅危惧II類(VU) 絶滅の危険が増大している種
準絶滅危惧(NT) 現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種
情報不足(DD) 評価するだけの情報が不足している種
絶滅のおそれのある地域個体群(LP) 地域的に孤立している個体群で、絶滅のおそれが高いもの

■特定外来生物・要注意外来生物の注記■

◆特定外来生物

■特定外来生物に関して
外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)によって指定された生物(特定外来生物)は、採集・育種・取引等が禁止または制限されています。特定外来生物として指定された種については図鑑中各植物の解説欄に赤字にて記載を行っています。(記載欄はRDB注記欄と同一)
本法の指定は個人としての意見や感想以前に「法律」ですので無条件に従う必要があります。

(表記例)
標準和名 オオフサモ 学名 Myriophyllum brasiliense Cambess. 分類 アリノトウグサ科フサモ属
育成形態 【花】 【外】 【水】 カテゴリー 【浮】 【葉】 【抽】 【沈】 帰化植物 特定外来生物 自生環境 水田 湿地 湖沼
生活型 一年草 多年草 越年草 増殖 実生 地下茎 株分け 挿し芽 同定
水辺に進出が著しい南アメリカ原産の外来種である。水草ショップではパロット・フェザーという名前で、金魚日淡では「金魚藻」の一種として長年販売されており、逸出源は明らかである。
硬質のライトグリーンの水上葉が水をはじく様はなかなか美しいが水辺での繁茂ぶりが凄まじく大きな問題となっている。在来種への圧迫はもちろんであるが、内水面漁業において漁船のスクリューに絡みつき通行を阻害するなどの実害も出ている。
霞ヶ浦水系では自生地を選ぶらしく、どんなところでも繁茂するわけでは無い。分布に濃淡がある。多少の湿り気があれば陸上にも進出する。

オオカナダモとともに、アクアリウムの自然環境に対する罪深さを最も感じる水生植物である。特定外来生物であり採集・移動・飼養は罰則の対象となる。主旨に鑑み育成形態、増殖はカテゴライズを行わない。

本法は刑事罰を伴い、過失・故意の区分もありません。ご覧になる方の注意を喚起する意味で対象の特定外来生物に付記いたしました。

◆要注意外来生物

特定外来生物に準じる存在として同様の注記を行っております。環境省RDB、特定外来生物と同じ欄に赤字にて記載を行っています。要注意外来生物は外来生物法の取締対象とはなりませんが、被害の実態があり、いつ特定外来生物に指定されてもおかしくない「候補」です。現在の特定外来生物指定種の周知徹底方法を鑑みると、対象種を取扱うことが知らないうちに不法行為となってしまう可能性があります。特に必要が無い限り採集・飼養・取引は避けた方が賢明と思われます。

(表記例)
標準和名 ハゴロモモ 学名 Cabomba caroliniana A. Gray. 分類 ハゴロモモ科ハゴロモモ属
育成形態 【花】 【外】 【水】 カテゴリー 【浮】 【葉】 【抽】 【沈】 帰化植物 要注意外来生物 自生環境 水田 湿地 湖沼
生活型 一年草 多年草 越年草 増殖 実生 地下茎 株分け 挿し芽 同定
標準和名記載が見つからず、とりあえず科名属名標記の「ハゴロモモ」を上げておく。フサジュンサイ、ガボンバ、カモンバ、多くの異名を持つスイレン科からハゴロモモ科に転じた北アメリカ原産帰化植物である。ちなみに環境省外来生物法の要注意外来生物リストには「ハゴロモモ」と記載されている。
注目すべきはその繁殖力で、水面近くで異形葉を展開し開花するので水面を覆ってしまう。私も除去作業に参加した経験があるが、霞ヶ浦のある漁港では船のスクリューに絡みつき、船の出入りが出来ない場所もあったほどである。

古くから金魚藻として親しまれており広い意味でのアクアリウム逸出である。霞ヶ浦水系ではナガエツルノゲイトウとともに最も危険な種ではないか、と考えている。要注意外来生物であり採集・飼養は避けた方が賢明であると考える。

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