Carl Zeiss T* Tessar2.8/45MM(J)

◇Profile◇
「パンケーキ」という形状

19世紀の昔から現代に至るまでカメラ用レンズに起因する諸収差の軽減は永遠の命題となっており、様々な方法によって解決が図られて来た歴史がある。
1902年にツァイスの技術者パウル・ルドルフとエルンスト・ヴァンデルスレブによって開発された3群4枚の「Tessar:テッサー」はそのレンズ構成によって諸収差を軽減するというシンプルかつ効果の高い方法で、時代が下ったこのヤシコン(京セラ)のテッサーはさらにZeiss秘伝のT*コーティングによって鬼に金棒レンズとなっているのである。
この「Zeiss秘伝」は文字通り秘伝で、製造していた京セラの技術者にも成分は公開されていなかった、という噂があるほどで現在ライセンス生産するコシナも同様ではないか、と思われている。もちろん企業同士の契約、それもNDAに近い部分であるので第三者には正確に知る由もないが、それほどZeissが自信を持ち技術を手離さないほどのものだ、ということは伺い知れる。使用感も然り、なのである。

aus Jena Tもそうだが、この構成はレンズ鏡筒をコンパクトに設計出来るという強みがある。このCONTAXのテッサーは「パンケーキ」と呼ばれる薄型軽量の形状であるが、これまた軽量コンパクトなEOS KissDigitalに装着すると「やや重いコンデジ」程度のお散歩カメラに早変わりするのである。
実際問題ここまでコンパクトにする必要はないし、マニュアル撮影のために絞りリングやピントリングの操作性も犠牲になっているが「ここまで小さく作れてちゃんと写るんですよ」という技術力を誇る意味も込められているのだろう。その「職人魂」が白く長く赤ハチマキをしている高価なレンズに対するアイロニーのような気がして非常に好ましいのである。金をかければよい写真が撮れるとは限らない、とポジティブに証明しているのである。



Carl Zeiss T* Tessar2.8/45
焦点距離 45mm
開放F値 1:2.8
レンズ構成 3群4枚
最短撮影距離 60cm

◇Impression◇

【作例】
Camera EOS KissDigital N
F5.6,1/160,ISO100,WB Auto

Y/Cのレンズはまだ2本しか使っていないので偉そうなことは言えないが、コントラストが高く、2段絞っても明る過ぎる、という感想である。フィルム時代に銀塩35mm用に作られたレンズなのでEOS Digitalは想定外、勝手にどうぞ結果は知らん、なので京セラ及びCarl Zeissにはもちろん関係ない。しかも今やすべてリセールなので彼らの懐に入る利益もない。
根拠の無い素人の妄想レベルであるが、フィルム時代のレンズとデジタル対応のレンズはレンズF値、絞りなどが同じ数字でも結果が違うような気がするのである。どちらが本当の姿なのか伺い知れないが、Y/Cのレンズは明るいので「グリグリ絞って楽しむ」のには最適。「寄るな、開けるな、ISO上げるな」で。

あまり比較するのもナニなのでアレだが・・(笑)
同じ花を同じようなシチュエーション(天候、時間)でデジタル専用レンズで撮影したことがあるが、もちろん写真は違う。どう違うのか好みの問題なので言及しても意味は無いが、どちらが好みかと言われれば間違いなくこちら。更にこのテッサーとM42の50mmテッサーで撮り比べれば間違いなく後者が好きである。


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