【作例】
Camera EOS30D F5.6,1/1000,ISO100,WB Auto
3群4枚というレンズ構成はシンプルにして最大の効果を発揮する構成と言っても良いと思う。20世紀初頭にパウル・ルドルフとエルンスト・ヴァンデルスレブ(ツァイスの技術者)によって開発され、現代に至るまで色あせていない型である。
上記したようにテッサーは「鷹の目」と呼ばれた描写力を持っているが、もちろんそれは40〜50年前の技術水準であって、現代のテクノロジーによって作られた高級レンズとは比べられない。
ただ、収差が写真の味とする方も多く、ライカがいまだに人気で高値で取引されるのは「ライカで撮った写真」にそうした味があって好まれているから、だと思う。
灯台に当たる光の向きを見て頂ければ分かる通り「やや順光」に寄っているが、正直このレンズではこの角度ぐらいまでが限界だと思う。
逆光に反射する海面も撮ってみたがフレアや反射部分の飽和でほぼ見られない写真となった。以前同じようなポジションでキスデジに付いていたキットレンズ(EF-S18-55 F3.5-5.6USM)で撮ったことがあるが非常に満足できる写真が撮れた。
要するに現行のキットレンズでも昔の「銘玉」より性能は上、なのだ。「味」を求めなければ傷だらけのポンコツを買って使う必要性は皆無である。
私が使う理由は「味」もあるが、色々なレンズを使ってみたいという興味と財布の中身のバランスにある。簡単に言えばキヤノンのLレンズなど高級なレンズを色々使ってみたいが普通のサラリーマンには無理なのである。これはもはや自分が想定する「趣味」の出費の範疇を超えてしまうのである。一方ツァイスの古レンズは1〜2万のものが大半なので昼飯の質を落とす、とかバス代をケチって駅まで往復歩くとか努力の範囲で何とかなるのだ。努力の結晶なら御蔵入りなんぞとんでもない話で、大事に使おうという気にもなるというもの。
肝心の描写の話が飛んでしまったが(汗)、写真を「見る」人が見ればこのサイズでも分かるはずなので省略の方向で。ちなみにRAWで現像ではなくJPEG撮り、である。