Field note of personal impression of wetland plant水 草 四 方 山 話【第十一話】ロタラ・インディカはRotala indica? |
公開 | 2006.3.4 | 追記 | 2008.1.27 |
追記 | 2008.4.5 | 追記 | 2008.5.17 |
◇ロタラの混沌 進む◇ |
【改訂にあたり】 本稿を掲載して以来、複数のブログやHPで記事が取り上げられているようです。トップページでご案内しておりますように、このWebサイトの記事は「あくまで個人サイトの個人的感想」なので、信憑性の高いソースとしては扱わないで欲しいのですが、この手の情報が他のWebサイト、特にアクア系のWebサイトでは一切扱われていないこともあり、可能な限り「信憑性のあるソース」に近づけるべく、改訂版として再編します。 また他人が扱わないような記事に意義を見出している「変わり者」としては上記状況は非常に喜ばしい反面、記述時点の情報を正として放置しておくことは情報発信者として如何なものか、という思いもあります。今後も新たな情報を入手次第追記を行いたいと考えています。
2008.1.27 筆者 |
(*)注 トロピカ・リリースのRotala |
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◇キカシグサ◇ |
(上記トロピカ社WebサイトRotala rotundifolia の解説文を引用、下線、部分和訳は私) The Latin name means ''the plant with the round leaves''. But this only applies to the marsh variety, which has circular leaves. In aquariums Rotala rotundifolia has long, thin leaves. Unlike other Rotala species it is relatively undemanding, although it needs good light to produce red leaves. It forms side shoots willingly, becoming compact and bushy. This also means that it is hard for light to reach the lower leaves, so the plant should be pruned frequently. Also known as Rotala indica. (下線部和訳) 種小名「ロトゥンディフォリア」はラテン語の「丸い葉」を意味する。(中略)また(rotundifoliaは)Rotala indica として知られている。 *注 アクアフローラ社のWebカタログでも同様の見解となっており、気中葉の丸い葉を付けたポットと沈水葉のRotala indica タイプのポットをrotundifoliaとして載せている。 *注2 グーグルで調べて掲示板で偉そうにレスする野郎(略称グーグリアン)の殿堂、ウィキペディアでは、すでに訂正情報?となっているトロピカ、アクアフローラ社の見解に相違し、Rotala indica をRotala rotundifolia から独立させて解説している。 |
◇育成について◇ |
巷説を考える1
*アメリカキカシグサ=アルアナの夕焼け説 アメリカキカシグサ(Rotala ramoisior (L.) Koehne)がアクアリウムプランツの「アルアナの夕焼け」と同種ではないか、という噂レベルの説があります。稀にアクア系の(アクア系以外で「アルアナの夕焼け」なんて使いませんしね)植物情報サイトで見かける話です。 この説はもちろん肯定も否定できません。なぜならアメリカキカシグサがどのような植物であるか、あまりにも知見が少ないからです。私の手持ちの図鑑にも載っていません。ざっとgoogle検索で画像を見てもヒメミソハギ属の植物と誤認している場合も見られました。私は確実に「アメリカキカシグサ」と同定できる植物を湿地や水田で見たことはありませんが、千葉県の湿地で「アルアナの夕焼け」は見たことがあります。どちらにしても環境負荷の要因であることに違いはないと思いますが・・・ ちなみに下記参考文献の世界の水草728種図鑑ではアルアナの夕焼けとアメリカキカシグサを独立させる立場を取っています。私には水中の両種の著しい相違は感じられません。尚同書ではアルアナの夕焼けをアカネ科、アメリカキカシグサをミソハギ科と、科も異なる立場を取っています。 ちなみにアメリカキカシグサの特徴を最もよく画像で捉えていると思われるのは→こちらです。 2008.4.5 |
巷説を考える2
*ヒメキカシグサ=ドワーフアマニア説 検証する価値も無いかも知れませんが、最近一部で流通しているドワーフアマニア(スリランカ産、とされる)というアクアリウムプランツを「和名ヒメキカシグサ」と解説しているHPを見かけます。もちろん両者が同種であるというソースは見当たらず、ありがちな混乱、と見ることも出来ます。 ところが困ったことにRootsさんのWebサイトの現地画像が私が知るヒメキカシグサに非常に近似しているのです。「アマニア」と呼ばれていますが、アマニアであるヒメミソハギの矮小株とロタラであるヒメキカシグサの見分け方が、葉一枚に対し花一つ、というものであり(ヒメキカシグサは多数)この特徴に合致しています。 ヒメキカシグサもおそらくは史前帰化種でしょうし、ご先祖様乃至ごく近似した種がスリランカや東南アジアに存在しても不思議ではありません。しかし外国の近似種は種の特定以前の問題として、アメリカンスプライト和名ミズワラビ、オランダプラント和名ミズネコノオ、ロタラワリッキー和名ミズスギナ、これで良いのか、という問題があることは否めません。はっきり言えば反対です。ロタラインディカ和名キカシグサ、がそもそも本稿の発端ですしね。 *Rootsさんは「和名ヒメキカシグサ」とは言っていません。以前あったインディアンクラッスラはCrassulaではなくMicrocarpaeaのスズメハコベではないか、という記述は本質的に異なる慧眼だと思います。友人の友人の名誉のために申し添えます。 2008.5.17 |
巷説を考える3
*キカシグサ=アマニアsp.ボンサイ説 これまた検証する価値も無いかも知れませんが、本文でも触れているキカシグサ=アマニアsp.ボンサイ説。ショップで販売している植物は見るからにキカシグサそのものですが、そう言ってしまえば本当に検証する価値も無くなる、ということで(汗)。 本件は同定という自然科学よりも「論理的に」考えて結論を出すべき話のような気がします。アマニアかロタラかはさておき・・・ボンサイつまり盆栽で、本種は日本の植物であることを示唆しています。ちなみにボンサイもそうですがスモウ、ジュウドウ、ツナミ、カラオケ、スシ、スキヤキ、テンプラ(元はポルトガル語)、世界で通用する日本語は意外と多く、植物を代表する「日本語かつ国際語」はボンサイなのです。どこのファームか知りませんが、単純な分かりやすい思考パターンでインヴォイスを決定したことが窺われます。 これはもう十中八九キカシグサでしょう。本種もヒメキカシグサ同様史前帰化種でしょうし、東南アジアにも近似種がありそちらかも知れませんが、育ててみた限りではキカシグサそのものの挙動でしたし。これは積極的にキカシグサ=アマニアsp.ボンサイ説を支持します。 2008.5.17 |
【参考Webサイト】 ・トロピカ社 ・アクアフローラ社 ・ウィキペディア ・環境設計株式会社 ・“Roots”aquatic plants 【参考文献】 ・世界の水草728種図鑑 吉野 敏著 【Special Thanks】 ・carex校長、sonsi師、しんぺーちゃん 【探査エリア】 ・茨城県南部水田地帯、マレーシアペナン島(笑) |
Field note of personal impression of wetland plant |
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