Field note of personal impression of wetland plant


【第六話】水生植物の新芽
◇多年草越冬成功の瞬間◇

多年草なので越冬は成功して当然、なのですが水鉢という限られた環境で育成しているとかなり不安が残ります。特に湿地植物は小型の鉢に植えて水面ぎりぎりの状態で育成していますが、冬の間は幾度となく厚い氷に覆われますので。
厳しい冬を乗り切って新芽を伸ばして来た時、大きな喜びを感じます。特に新芽でありながら特徴的な香りがするヒメハッカ、独特の葉形が見られるヌマトラノオなどは、その年の秋の開花に思いを馳せ我が子の成長を見守る親の如く「這えば立て、立てば歩め」という気持ちになり、毎朝水鉢を覗き込む楽しみとなります。
実は湿地の多年草は多産でもあり、根から立ち上がる新芽の数、こぼれ種により意外な場所から発芽する新芽の数が半端ではありません。何とか間引きしないと大変な事になりますので、この時期fumirisuさんやHOUさんに「押し売りメール」が行く事になります(^^ゞ
特に昨年(2004年)シロバナサクラタデ、サクラタデが絡み合い、判別が困難な状態に陥った水鉢があって、「白が咲いたらシロバナ、ピンクならサクラタデ」と非常〜にアバウトなご提供になってしまい、秋にはHOUさんから「すべて白でした」とご報告が(汗)。ちなみにシロよりサクラタデの方が花が大きくピンクで綺麗です。まったく申し訳ない事をしました。(しかし本数から見ると50%の確率だったのですが^^;)
これを教訓として湿地植物は昨年すべて鉢植えにしました。強引に出てくる奴も居るのですが、それはそれとして。

◇栴檀は双葉より芳し◇

何気なく雑草、ハコベ系の趣ですがヒメハッカの新芽です。本家ハッカは扱いが多少ぞんざいだったために絶えてしまいましたが、これは地上から根から暴れまくる草です。とても絶滅危惧種とは思えません。鉢は腰水状態ですが鉢穴から飛び出した根からの発芽あり、こぼれ種で鉢の外の地面からの発芽あり鬼のように強い植物だと思います。
採集した自生地は沼地ですが、沼の岸からかなり離れたところで固い地面でした。荒木田土もそうですが、湿地の土は水分を失うと信じられない固さになります。事実1株掘った際に移植ゴテの木の柄が折れました。そんな土でも茎の途中からビヨーンとシュートが出て土に潜り込み、新芽を出していました。この自生地を見ると可憐な「姫」と名乗る資格があるのかと(笑)。

さて、何と言ってもハッカの一族ですので新芽のころから芳香があります。昨年はハッカやヒメハッカの葉を刻み、紅茶に入れてみました。中国茶風の刺激のある良いお茶になりました。入れすぎると「メンソレータム水溶液」になりますのでご注意を。余談ですが私、ペットボトルのお茶が好きで新製品が出ると必ず試すことにしています。昨年あたりから飲料各社のメイン商品となっているようで、多種多様の商品が出てきて喜ばしい限りですが、今のところ自分的な一等賞は「伊右衛門」。
お茶自体も旨いのですが、刻んだハッカを茶漉しに入れてさっと通すと清涼な香りがして何とも美味しゅうございました(笑)。

◇トラノオ数々あれど◇

○○トラノオ、という植物は意外に多くあります。我々湿地植物愛好家に馴染み深いミズトラノオ、園芸植物としても有名なカクトラノオ、イブキトラノオ。オカトラノオ、イヌヌマトラノオ、ムカゴトラノオ、ノジトラノオなんてのもあります。花穂の形状がびよよん、と動物の尻尾タイプだと「トラノオ」と名付けてしまうようです。
そして、これ、サクラソウ科オカトラノオ属ヌマトラノオ。名前から分かるように湿地植物です。2004年はどういう訳かろくな写真が無くて花の画像をお見せ出来ませんでしたが、今年は秘密兵器(でもないか)SIGMAのマクロレンズがあるので乞うご期待。(本当か!?)

ヌマトラノオの発芽を見て思うことは、「似ている親子」(爆)。発芽からいきなり特徴的な葉形で、一目でヌマトラノオと分かります。オモダカ、コナギ、クログワイなどの発芽期がみんなウリカワに見えるのとは対照的です。「似ている親子」は子供の30年後の姿形が容易に想像できる微笑ましさがあってナイスです(笑)。
この植物は水中化するのでしょうか?少なくとも我が家の環境では無理のようでしたが、水鉢の底に植え付けて仕込んである株もありますので、楽しみに待っています。果たして水深30cmを乗り越えるか!

◇水陸両用草の目覚め◇

締めはこいつ、ミソハギです。果たしてこの植物の最適環境はどこなのでしょうか。近所の農家の門柱脇でも湿地の腐食酸地帯でも我が家の水鉢でもどこでも吹いています。ひょっとすると水槽でも行けるかも。ヒメミソハギとホソバヒメミソハギは行けましたからね。植栽スペースが無くて断念しましたが今年は何とかやってみたいものです。
お盆の仏前花という使われ方から嫌う人も多いようですが、どうしてなかなか綺麗な花を咲かせます。日照条件や肥料も五月蝿くないようで素直なよい子だと思います。うちの近所にはエゾミソハギが多いとの事ですが残念ながらお目にかかった事はありません。ちょっと踏み込みを躊躇するような蛇の巣のような湿地にも咲いていますが、確認は勘弁して欲しいですから。ヒルもムカデも許容範囲ですが、蛇は勘弁です。
水槽育成だけしていると、なかなかお目にかかれる機会の少ない芽吹きですが、こうして楽しめるのは楽しい屋外育成に誘ってくれた藻草さんやHOUさんのお陰です。まだ屋外されていない皆さん、新芽と開花は本当に楽しいですよ〜。楽しみ方は「始めようネイチャービオトープ」に書いてあります。著者が怪しい奴なのがいまいちですけどね。(^^ゞ

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