利助おじさんの探検絵日記

【その39】微笑みの国紀行
第一部 プーケット編2



◆タイはやはり雨季だった◆

プーケット2日目(実質初日)は朝から雨。やはり雨季でした。この日予定していたコーラル島の海遊びを延期して少しの晴間にホテル前の海岸やプール、市内観光で一日を過ごすことにしました。
朝の海岸は人気も少なくやたら素早い蟹や面白い形の貝殻が落ちていたりそれなりに楽しい場所でしたが、東南アジアのお約束「観光客がいるところに物売り有り」。いい具合に錆びたタイ人のおっちゃんが両腕にブレスレットやミサンガをぶらさげて近づいて来ました。
もう慣れっこですが息子と2人で遊んでいた私の風貌を見てタイ語で「何人だ?」と聞いてきました。もちろんタイ語は分かりませんが、マレーシアとかラオスとか国名が出てきたので雰囲気で分かりました。
英語で「Japanese」と答えるとニヤリと笑って「同じアジアの仲間だ、買ってくれ、安いよ」と始まりました。いらないので断るとあっさり去って行きました。このへんは同じ東南アジアでもしぶといマレー人と違いますね。さすが礼節の国。
ところがあっさり去って行ったのは次の獲物を見つけたからで、200mほど先に居た妻と娘が捕まっていました。追いついた時には商談成立、娘はすでにニコニコ顔で貝のブレスレットをしています。仕方がないので強引におまけを2つ付けさせましたが(笑)それでも高かったかな?


◆タイ式タクシー◆

昼飯がてらプーケットタウンという島の反対側にある繁華街にホテルのシャトルバスで向いました。昼前に到着、同じ場所で4時半にピックアップして貰う約束です。
バスを降りるとタクシーの運転手がニコニコ、ワラワラと寄ってきます。とにかく外国人と見れば人が寄って来るのが東南アジア。特にタクシーはぼったくりが多いので流しのメータータクシーが安全と聞いており無視しようと思いましたが、シャトルバスの運転手(ホテル側の人間)が「彼は安くて安全」と保障するので一人の初老のタイ人のタクシーと交渉することにしました。
交渉もなにも、市内の地図を広げるやいなや「こことここで買い物、ランチ、写真ここが綺麗、4時半に戻って100バーツ」と言います。いかに物価が安いタイでもこれは破格です。半日間あちこち専属で回るタクシーが日本円で300円程度。日本なら初乗りの料金にもなりません。
ただこれには仕掛けがあって、彼が連れて行く土産物店(中国人経営の免税店)やレストランからコミッションを貰えるようなのです。客を連れて行っていくら、買い物した額の何%、というように。こういう仕組みは旅行社の現地ガイドも黙認かどうか同じような事をオプションツアーに潜り込ませていたりしますので分かりました。
まあ、それはそれで、という事で彼のタクシーに乗せて貰いましたが英語と日本語半々の会話が面白く、話だけでも500バーツぐらいの価値はありそうでした。なかでも交通事情は身をもって教えてくれましたが、日本の感覚で運転していては5分に1回は事故りそうで、隙間に入るのは当然、スピードは可能な限り出す、歩行者は自分で命を守るなど、日本では考えられない道路事情でした。
津波の生々しい話は彼から聞きました。彼はどうやって助かったのか覚えていないようですが友達が何人も亡くなったそうです。車はごろごろころがり、水があそこまで来たと指差す先には2階の屋根の高さに水の跡があったり、大自然の脅威が本当に身近に感じられました。ちなみに津波は噂通り国際語「Tsunami」でタイでもツナミで通じます。


◆タイのペットやら園芸やら◆

走る車からさっくり撮った写真で恐縮ですが、タイでは街中にこういう店がよくあります。ペットは鳥が人気なんですね。そう言えばこの後行ったバンコクの繁華街で作ったような美しい鳥の鳴き声が聞こえましたが、スピーカーから聞こえる作り物ではなく本物の鳥が鳴いていたぐらい美声の鳥が多いようなので鳴き声を楽しむためかも知れませんね。
もう一つ目に付いたのが睡蓮鉢です。街角、民家の庭、ホテル、商店、あらゆるところにあります。中身はもちろんニムファです。街道沿いにも原始的なホームセンターのようなものがあり、色とりどりの美しい睡蓮鉢が非常に廉価で販売されています。どのくらい廉価かというと・・・悔しくて書けません。私も嫌いではないので気になって仕方がなかったのですが、私の所有する一番良い睡蓮鉢1個の価格で、タイ産60cm径のデザインの良い深鉢が10個は楽に買える程でした。持って帰れるものなら、と心から思いました。
こちらはもしかすると宗教上の理由もあるかも知れません。蓮の花はブッダ・フラワーですしね。しかし庭先ビオトーパーには羨ましい環境です。ただし植物種は少なくて睡蓮と蓮以外はホテイアオイ、ウォーターレタス、マルバオモダカぐらいでした。
こんな強力な連中が出て行かないのかと思いましたが、思うまでも無くいたるところに蔓延っていました。アジアの河川は沿岸部近くは例外なくマッディーで沈水植物があるように見えませんでしたが、抽水や浮草は凄まじく、後半触れますがバンコク市内の大河メナム川(チャオプラヤー川)でも大きな問題となっているようでした。


◆大スコール◆

料金的にたいしたコミッションではないのでしょうが、彼が薦めるシーフードレストランでの昼食後、蝶園に連れて行って貰いました。気候的に似たようなものだからでしょう、ペナンと同じ蝶もいたりあまり目新しさはありませんでした。と言うか観光客は我々家族以外おらず案内係の方が多い状態で妙な居心地の悪さも感じました(笑)。
蝶園では蝶よりも珍しい植物がじっくり観察できたのが収穫でした。この草?は最初は互生しているようですが、そのうち片側だけ葉を付け、螺旋のように回りだす面白い植物でした。左、右、左と葉を出し、そのうち訳分からなくなって右だけ出したのかな?名づけて双子葉植物から進化した「どうしよう植物」(爆)。
蝶園を出てプーケットタウンが一望できる山の上の公園に行きましたが、途中で物凄いスコールがやって来ました。出発前に地元で停電が起きるほどの雷雨がありましたが、比ではありません。ワイパーの最高速が追いつきません。登りの山道は滝となり視界が5m、突風とともに横から降ってきます。熱帯のスコールは噂には聞いていましたがこれほどのものとは・・・。
仕方がないので早々に切り上げてまた彼が薦める土産物屋に行きました。彼がしきりに「イート、イート」と言うので「腹いっぱいだ」と言ったところ、土産物屋で試食しようという意味のようでした。そう言えば彼はシーフードレストランでも車で待っているだけで食事をした様子はありません。「子供は2人で終わりか?俺は5人いるぞ」と誇らしげに語っていた彼はこういう場所で空腹を満たしているのかも知れません。
別れ際、約束の100バーツ以外にチップとしてもう100バーツ支払いましたが、律儀にタイ式に両手を合わせて御礼を言われました。私は彼のような話の面白さが大好きなので女房の目がなかったら300バーツぐらいは払ったのにな、と思いました。
マレー人の話でも書きましたが、客が中国人か日本人かアメリカ人かアラブ人か、毎日とっかえひっかえ色々な人種が乗るのに、相手に合わせて面白いコミュニケーションが即座に出来る能力は並大抵ではありません。私は出来ません。出来ないことを見せられれば尊敬しますね。何でこんな凄ぇ人が100バーツで頭を下げるのか・・・。

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Phuket,THAILAND 2006.8.14(Mon)〜8.17(Thu)
photo Canon EOS KissDigital N /Canon EF28-135mmF3.5-5.6IS USM/SIGMA17-70mmF2.8-4.5DC MACRO



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